2016/09/10 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にフォークさんが現れました。
フォーク > 戦い終わって日が暮れて――

「死にも死にたり……だな、ビッグマネー号」

愛馬ビッグマネー号の鬣をそっと撫でた。
戦が終わったばかりの戦場にフォークは立っていた。
目の前には、戦場で散った戦士たちが死屍累々と横たわっている。まるで死体の見本市だ。

「んじゃ、鼠漁りと行きますか」

愛馬に跨がると、戦場をゆっくりと進み始めた。

「まず生きてはいないだろうな。でも首くらいなら……見つかるかもしれねえ」

移動は愛馬に任せ、フォークは馬上で賞金首のリストをめくる。
悪党の行き着く先でもっとも多いのが傭兵だ。戦場は数え切れない人が死んでいく。
戦争に参加をすることで、自分を戦死したことにし、新しい人生を歩もうとする輩もいるのだ。
もっとも、本当に戦死してしまうことも多いのだが。

基本的に賞金首は生きたまま連れてこなければ賞金は出ないのだが、たまに生死を問わずというのもある。
なので、フォークは戦場に出たら、後で死体でも賞金の出る悪党のリストを片手に戦場を巡ることにしているのだ。

フォーク > 戦場を駆け回る。
死体の中に蠢く陰を時たま見かけた。まだ死に切れていない兵士か。
はたまた死体に紛れ、身を隠しているだけか。
フォークはいちいち干渉はしない。戦場には数多のドラマが点在しているのだ。

「こんなもんだな」

幸いなことに、賞金首の死体が一つみつかった。この死体一つで三日分の酒代になる。
傭兵フォーク・ルースの収入は一般傭兵の十数人分だ。しかし浪費はこれまた一般傭兵の数十人分なので慢性金欠病にかかっている。
死体漁りでもしないと生計が成り立たないのだ。
こうして傭兵フォークの一日は終わる。

ご案内:「ハテグの主戦場」からフォークさんが去りました。