2015/10/27 のログ
ご案内:「ハテグの主戦場」にルーフェンさんが現れました。
ルーフェン > 戦場には幾つもの死体がそのまま残されている
かつては貴族であった者も、平民であった者も等しく地に伏し肉塊と成り果てた
散々たる戦場に今は戦士たちの影もなく、空からはぽつり、ぽつりと死者たちが啜り泣いているかの如く雨が降りだす
次第に強まる雨は雷雲を呼び、強風が吹き荒れた
一筋の雷光が雲の上に巨体の影を映し出せば、巨体が雨雲を割って地面へと舞い降りる

(―――懲りぬ連中だ…これでは何れか、土地が死ぬ)

舞い降りた巨体―――ドラゴンは周囲を一瞥してから、嘆息する。
彼らを知らねば、と遥か北より人の気配を辿って訪れたのが戦場であったから酷い落胆を覚えた
―――土地は変われども、人の営みは変わらぬのだな。と

そんな落胆を覚えつつも、人の姿へと変じれば、ぐーっと伸びをして

「さて…着れそうなものでも探すかい…」

と、周囲にあった死体の山に歩き出す

ルーフェン > 無造作に死体に手をかければ衣服の選別を始める
流石に死んでいるだけのことはあり、どれもこれも、血液が付着していたり、穴が開いていたりとまともな物はなく、
また戦場であるためか鎧や鎖帷子と言った武張ったものがおおい

それでも、頓着がないのか或いは常識にかけているのか、自分と体格のそう違わない男の鎧や中着をひん剥けば、
全裸になった男の死体を死体の折り重なった山の方へ投げ戻して

「これで良いか?血の匂いが鼻をつくが良いだろう」

中着と鎖帷子、ブーツに手袋、一般兵の装備一式を身につければうんうん、と納得したように頷く

「いきなり、兵隊に囲まれるようなことはないだろ」

過去、全裸で街中に降り立ち衛兵に囲まれた経験を活かしている、と本人は思っているらしかった

ルーフェン > 「あとはこの髪をなんとかせねばな」
長く無造作に伸びた青みがかった黒髪を鬱陶しく思い、手近にあった短刀を手にすれば、髪に刃を当てぶちぶち、と適当な長さに切っていく
短く髪を切れば、手に持った短刀を落としてかしかし、と髪を整えるようにして
いつしか、雨が止み、そこにできた水たまりに写った自分の姿を確認すればふんふん、と頷き

「誇り高き姿からは一枚落ちるが…悪くはないな」

きりり、と表情を作ったりし、一通り確認を終える
武具の類も持ったほうが良いかな?と思えば将校の死体から長剣をベルトごと奪い取り、鞘から引き抜き刀身を眺め

「………玩具のようだが、装飾は美しいな。というか、人は手先が器用だな…我らにはない特性だ」

ふむ、と手に持った長剣を一瞬、自分の宝物に加えようかと思ったが
何を思ったか、鞘に戻して服を奪った遺体の傍に投げてやり

「あの世でも財貨が必要だろう。服の礼じゃぬしにやる」

大昔、この世とあの世の隔たりには大きな川があり、そこでは渡し賃が必要である、ということを聞いていたから。
川を渡れずこの世に漂っては難儀をするだろう、と服の礼に長剣を渡して、満足気に鼻を鳴らす

ルーフェン > 「ま、こんなもんであろう…」
衣服を新調…?し、人に紛れる準備が整った…と少なくとも本人は思っている
この戦場を抜けて、より多くの人が集まる場所を目指し歩き出す

―――この後、暫くの間、敗残兵狩りに襲われたりするのだが、せっかく手に入れた衣服を慮り、彼が竜の姿にならなかったのは僥倖と言えたであろう

ご案内:「ハテグの主戦場」からルーフェンさんが去りました。