2023/07/02 のログ
シスター・パッサー >  
 夕方前から強い雨が降り注ぐヤルダバオト
 弱くなることもある しかし止まず、雨のままの空
 こういう日は敬虔な者は室内で祈りの時間や書物を読み、綴る文章が増えるはず
 だが実際には 抱くはずだった修道女 拝むはずだったストリッパーのケツ
 神父見習いの青い下半身 など 皆が一様に寄付金と一部の賄賂で成り立つ金の一部を使う。
 その予定が潰えそうなことを残念がるだけだ。

 酷い世界だ 神などはこの世に存在しない。
 眺めているだけなら いないのと同じだ。

 シスター・パッサーの構築する世界観をより強く保てる雨の光景
 酒場ではやや雨に降られながらも、外からの者や呑んだくれる神父
 修道女から娼婦に転身して酒に身を濯ぐしかないなどが見受けられる。
 修道服姿のまま堂々と訪れるのは、ある意味で営業妨害だろう。
 しかし宗派でいえば、この修道女がいても咎められる気持ちになりはしない。


   「冷えているせいか盛況ですね店主様 いい事です。」


 利益の見込める雨の夕暮れ ニコリとシスターは暑くも蒸れもしない
 雨でさっぱりとしないやや冷えた天気 増える酒の量から見込める売り上げを話のネタにする。
 そのままカウンターに腰を下ろすのなら頭巾をずらし、頭部の全身を露わにして長髪をバサリと放るだろう。


   「キラー・ビーを。」


 注文するのは酒のみ 琥珀酒に蜂蜜を落とした酒
 懐から黒い葉紙巻を取り出し、咥えた先でキンッと蓋を開く金無垢のジッポライターに火を灯す。
 擦れる火石と歯車の火花 燃える綿軸の燃料 ジリジリと焦がす先端
 フ ゥ 、と甘ったるい、色がやや濃い紫煙が辺りに漂うのなら
 シスターの勤務時間に終わりを告げた実感をもたらすだろう。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 酒場」からシスター・パッサーさんが去りました。