2021/09/09 のログ
■ロイス > 「(そういえば、この街にも冒険者ギルドってあるのかな)」
考えてみれば、あっておかしくない。
行動範囲が王都と、精々ダイラスぐらいのものだったからあまり考慮してなかったが。
しかし、冒険者という職業自体はどの街にも存在するはずの職業だ。
特に、"祭事"が多いであろうこの街では、人流整理や警備といった雑務が発生しやすい。
それらに、冒険者の手を借りたい事もある筈だ。
「(冒険者ギルドを探してみようか……。
それが無かったら、何か仕事を紹介してもらえる方法を考えるのも好さそう)」
すっかり、仕事モードになった男。
取り敢えず、冒険者ギルドがあるかどうかを、通行人に聞いてみようかと。
■ロイス > それから暫くして解った事は、端的に言って「冒険者ギルドはあるが、王都程ではない」との事だった。
確かに、警備や人流整理の仕事はある。
だが、それらは王都やダイラスの冒険者ギルドから呼べば済む話であるし、大きな所は僧兵などを抱えている場合もある。
そもそも、この街の住民はモラルが高い。
故に、最も一般的な冒険者層である『食い詰めて肉体労働をしなければならないが、一攫千金の夢も追いたい』という様な山師的な発想を持つ人間が少ないのである。
人材はいない、需要もそこまでない。
となれば、冒険者ギルドも最低限のものしか置かれてないのは寧ろ当然だろう。
「……との事なんだけど、つまりまた暇になったってことだね」
一気に気が抜けてしまい、何時の間にか来ていた広場のベンチに座る。
此処も、噴水の中央には聖人の像があったり観光スポットとしては面白そうな場所なのだが。
空回りしていた事が解った後では、それよりも気分の落ち込みの方が強かった。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からロイスさんが去りました。