2021/08/13 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にビャクランさんが現れました。
ビャクラン > ――――――気が付けば、女は囲まれていた。

神聖都市、という名が示す通り、寺院や宗教施設が建ち並ぶ界隈。
聖職者と思しき人物の往来も多いそんな場所に、履き物も履かず、
実用に適わぬとしても、ひと振りの刀を携えた女の姿は、
其れは、勿論、随分と異質に映ったであろうが。

「――――… なに、 ……何か、用事……?」

呼び止められるでもなく、直接、身体に触れて押し留めるでもなく。
ただ、いつの間にか囲まれて、其の輪を狭められて、
いつしか人通りも途絶えた日暮れ時。
或いは女の異質さから、下手に手出しをせず、力のある者を待つ、
そんな計略が働いているのかも知れないが。
標的にされた女にしてみれば、溜め息を吐くしかない案件。
何しろ、今の己は何も、していない。
刀を抜く気も無い、そもそも抜けもしないのだ。
一定の距離を保持し、取り囲んでいる男たちに対し、
等しく、温度の低い眼差しを巡らせて。

「何か、訊きたいことがあるの、……… 其れとも、捕らえたいの?
 まあ、何方でも良いわ、……… ただ、早く決めて頂戴」

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 【年齢不一致(此方のプロフ確認漏れです)の為、退室致します。失礼致しました】
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。
ビャクラン > ―――――――― たん、っ。

腰から抜き放った刀を、鞘ごと足許の石畳へ叩き付ける。
ほんの一瞬、――――――僅かな、空白。

次の瞬間、女の姿はもう、其処に無かった。
男たちが慌てて探し回り始めたが、恐らく徒労に終わる筈――――。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からビャクランさんが去りました。