2021/08/11 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にエリカさんが現れました。
エリカ > 父に命じられ、母に諭され、乳母に連れられて訪れた修道院。
いわく、『お前の罪を告白していらっしゃい』とのことだったが、
何のことなのか、当然のように、娘は理解していなかった。
言われるままに王都を出て、促されるままにこの部屋へ入り、
中央に丈夫そうな肘掛け椅子がある以外、四方の壁を緋色のカーテンに覆われ、
家具調度の類が見えないようにされている部屋の中で、
先刻からぼんやり、椅子に座って待たされているけれど―――、

「…つみ、って、なんのことなのかしら。
 お父さまも、お母さまも、とっても怖いお顔してらしたわ」

くりりと大きな瞳を彷徨わせる、娘はもう覚えていないけれど。
先日、寝床でもぞもぞと、己の下腹へ手をやっていたことを、
両親も、そして乳母も重くみているのだ。
それは到底、年端も行かない令嬢のすべきことではない、と。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にヴィルアさんが現れました。
ヴィルア > とある伯爵から、自身が所有する修道院にて
娘の告解をさせて欲しいと依頼があった
立場が上の相手であり、断りづらい

そして、やるからにはしっかりと。
更に…たまにはこういったことも面白そうだと思ったからか彼自身が娘に告解を迫る役割である
修道院に連れてこられた理由も彼は聞いている

が…ならば、いいように手籠めにしてやろうと彼は画策していて
立場が上の相手だからこそ、その子供を篭絡すれば
勢力争いにも優位だろうと

そして、部屋の中で待機している少女に声がかけられる

「どうして、ここに連れてこられたかわかっていない顔だね
君は、貴族に…令嬢にあるまじきいやらしいことをしてしまったから、連れてこられているんだ」

まずは簡潔に声をかけ
どういった反応を見せるか。どういった人物かを掴もうと

一方の緋色のカーテンの裏から、透視の魔法が込められたモノクルを付けながら観察する
残りの三方には、彼が雇用している男…調教師たちが待機して居り、号令があれば少女に襲い掛かる役目を持っている

エリカ > びくん、と華奢な肩を震わせ、娘は声の聞こえた方を振り仰いだ。
怯えた様子はない、どちらかというと、単にどこからともなく聞こえた声に、
びっくりした、どういう仕掛けなのかしら、と思っているような顔。
恐怖より好奇心が勝ったような、年齢以上に子供っぽい表情。
―――もちろん、罪の意識とは無縁だった。

「わからないわ、……いやらしいこと、って、なぁに?
 エリカ、なんにも……悪いことなんて、してない、と、思うの」

思うのだけど、ただ一人、こんな場所に連れて来られて、
それなりに不安がってもいる様子。
膝の上で両手をきちんと揃え、お行儀良く座ってはいるが、
きょろきょろと、視線に落ち着きはなく。

「ねぇ、……ばあやは、どこ?
 エリカ、もう、帰りたいわ……ばあやを、呼んでちょうだい」

子供のわがまま、と受け取られるか、あるいは。
罪を犯して反省の色もない、高慢な小娘だと思われるか―――
娘自身は、知る由もないことだった。

ヴィルア > なるほど、と男は呟く
この少女の両親からの話通り、いやらしいことをしたと自覚はしていないようだ
なら、『依頼通り』告解させるには罪を自覚させる必要がある

「いいや、キミの両親から…君がいやらしいことをしていたと聞いているんだ
当然ながら、キミの自覚よりもご両親の報告の方が信頼できるね」

少女の両親を話題に上げ、悪いことをしている、と上から告げていき

「わるいこと、罪は償わなければならない
けれど、わるいことだとわからないなら…わかるように、しないとね
それが君のお父さんとお母さんからの依頼なんだ」

高慢だとも、我儘だとも思わない
自覚が無いならそれを芽生えさせ…告解を得ていやらしいことを叱ることが依頼だ

「残念ながら、ばあやは来ないよ。
君がわるいことをしていたと反省するまで、ね」

少女にとっては理不尽なことを言いながら
三方のカーテンが開かれる。そこに居るのは、明らかに修道院に居る人ではない、下卑た目をした者たちで――

エリカ > 「―――――― でも……」

両親の説明不足、という責任は否めない。
が、しかし、説明されたところで、娘が思い出し、理解したかどうか。
それならばそうした手順を省いて、しかるべき人物に娘の矯正を委ねた、
その判断を責めるべきでもないのだろう。

―――ただ、この国では。
たとえ修道院にでも、悪意が入り込む隙はある。

きょとんとした顔で、眉尻をそっと下げて、
言葉に詰まったように唇を軽く噛む、そんな娘の主張は置き去りに、
ばさりと三方のカーテンが同時に開かれ、そこから男たちが姿を現す。
貴族の令嬢たる娘が、今まで見たことのない種類の男たちだ。
彼らの視線もまた、娘には馴染みのないもので―――

「な、に………?
 ばあや、……ばあや、どこ……?」

ようやく、娘の顔に怯えが滲む。
微かに震えを孕んだ声に、けれど、乳母が答えることはなく―――。

ヴィルア > 【お部屋移動】
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からヴィルアさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からエリカさんが去りました。