2021/05/30 のログ
■ソラム > 「(ここも、ひどい有り様になったなぁ....)」
疲れ果てているのか壁に座り込んだ人達を見回しながら荒れ果てた裏路地を歩き、今と昔との変わりようにそう思っているのは、小柄な体格の少女。背丈的に見れば14歳ぐらいだろうか。
体には黒のコンバットスーツの上から、群青色のロングコートを羽織っている。コートで見えないものの、右腰には漆黒のホルスターに収められた純白のハンドガン、反対側の腰にはハンドガンと同色の細長い筒のようなモノが吊られている。
全身の詳細は分かるが、ロングコートに付いているフードで頭が覆われており、顔を確認することは出来ないだろうか。そのフードの中から、白銀の毛先がチラッと見えるだろう。
「(.....腐ってるのかな....色んな意味で)....全く、だね」
此処の政府が腐っているのか何なのかは知らないものの、大方そんなものだろうと予想した少女は、ふぅとフードの中でため息を漏らしつつ、歩みを進める。
■ビデラ・フォーランハルト > 「ふむ…?」
施しを与えながら進んでいくと
前方から小さな姿が歩いてくる
ただ、この地区に居るにしてはそれほど貧困しているようには見えない
衣服も良い物であり、何より立って活発に歩いていることがその証拠だと思える
少し手を上げて制止し、声をかけてみる
どういった目的があるかはわからないが、迷子などであればこれもまた信心を得るための出会いだろう
「ここでどうしたのかな?、もし迷子なら、私が家まで送り届けよう
それとも君も…食べるものに困っているのかな」
男は鎧を着てはいるものの、それを払しょくするように優しい笑顔で話しかけてみる
懐の革袋からパンを取り出して尋ね、様子を伺う
■ソラム > 「ぇ...?」
声をかけられ、地面に向けていた視線をふと上げると、そこには、鎧を着た男の人が。
「迷子でもないし、食べ物も十分あるよ。でも....」
尋ねてくる男にそう答えて言葉を切ると、改めて辺りを見回す。
ボロボロになった壁に今にも力尽きそうな人達。
「.....昔より、荒れちゃってるなって、思ってただけ」
見回していた視線を男に戻し、少女は言葉を続けるだろうか。
彼女は昔、此処を訪れてた経緯があるが、その時は今よりももっと綺麗で、幻想的な町並みだったのが、今も思い出せるらしい。
______尤も、その時代に生きていた人は、殆ど残っていないだろうが。
「.....貴方は教会の人、だよね?」
鎧を一瞥した彼女は、再び口を開く。
教会は何度か見たこともあるし、そこを巡回する人達と同じ鎧を着ているところを見ると間違いないだろう、そう彼女は判断した。
「(.....実際は私、教会大嫌いなんだけどね。種族的に)」
______龍は魔物達を統べる王なる存在。魔王とは別の自然の化身。
その事は図書館等の資料からすでに彼女は把握しており、教会からしてみれば絶対悪のような存在。
心の中で苦い顔をしつつ、男の反応を待つだろうか。
■ビデラ・フォーランハルト > 「昔…?……。」
不思議そうな声が漏れる
この辺りは男が知る限り以前からこうだ
何とも奇妙な事だが、それは追及しても仕方がないだろう
塩粒の影響が出ているのかもしれず、また与太話である可能性もあるのだから
まずは、少女の言葉に応えよう
「はい。ゾハル聖堂騎士団従士、ビデラ・フォーランハルトです
困ったことがあれば、いつでも聖堂の門は開いていますので、頼ってください」
あくまで優し気な態度は崩さない
男は別に読心術などを収めているわけではない
少女が何を思っていようと知る由もなく
「とはいっても、女性の一人歩きはトラブルも多い
表通りまでお連れしますよ」
あくまで優し気に手を差し伸べる聖堂騎士
だが、この裏路地の状況はマッチポンプでもある
神の塩粒を配っているからこそこういった場所も生まれやすいのだろうから
ただ、狂信者である男にとっては、神の塩粒によってもたらされたこの場所もまた美しい景色である
それを疑いもせず、ただ夜に出歩くのは危ないからという理由で少女を表通りまで案内しようとする
■ソラム > 「うーん、いつの話だったかな.....」
首をかしげて考えていたが、男から表通りまで案内すると誘われると、
「(一旦考えるのは後にしよう。それよりも男と話して内情を掴んでおいた方が良いのかな)」
情報屋としてそう思うと、首をコクリと縦に振り頷くと、お願いしますと頼むだろうか。
「(かなり昔...確か、アイオーンって名前だったかな).....んでも...合ってたと思うけどなぁ....」
男の後ろをついて歩き、脳裏で昔の記憶____記憶の断片を照らし合わせながら思考していると、ふと口から思考の一部が声として漏れてしまうだろう。
無意識に声が出てしまったが、彼女は思考にどっぷりと浸かってしまっているため、気づいていないだろうか。
■ビデラ・フォーランハルト > 裏路地から表通りへ
一時、施しが中断されることになってしまうが仕方がない
民を導くこともまた教会の務めの一つであるから
「どうしましたか?ああ、不安がることはありませんよ
我ら信徒の道はいつもヤルダバオートに、そして聖女に祝福されています。
どうか前を向いて歩いていきましょう」
考え込んでいる様子を、何か不安な事があるのだろうかと思い
聖句を唱えつつも進んでいく
特に障害も起きないなら、そのまま表通りが近づいてくるだろう。
「さあ、もうすぐ表通りですね。帰るところが無いなら、聖堂に簡単な寝床でも作りますが…?」
相手の事を少しは知らなければならない
難民では無さそうだが、となるとどういった相手なのか
貴族の令嬢などなら、家まできちんと送り届けなければならないだろうと
視線を合わせようと屈んで話しかける
■ソラム > 「寝床、かぁ.....」
そんなことを聞かれると、顔を上に向け考える。
この街から自身の家を構える山脈まではかなりの距離がある。龍化してしまえば造作でもないが、その策が使えるのはあくまでも人工的な建物がない場所、広い平原や遺跡などだ。今は使えない。
「.....今日じゃ帰れなさそう、だね」
家が家だし、と小さく呟くように言葉を付け足しつつ、お願いするだろうか。
デメリットは勿論あるが、メリットもある。
実際、教会に近づくことなどないため、情報を得るには好都合。且つどんな構造、広さなのかを正確に把握することが出来るからである。
「(ま、バレたら終了だけど)」
心の中で一言そう呟きつつ、屈んで此方を見る男から目や角が見えないようにフードを手で引っ張り下ろすだろうか。
■ビデラ・フォーランハルト > 「ふむ…?火傷などあるのでしょうか
良い薬もあります。帰れないのならば、聖堂を貸しましょう」
フードを引っ張り下ろす姿を見て、何か理由があるのだと
以前にあった騒乱の影響か、そういった怪我をする者は多い
女子であれば猶更だろうと思い…特に、不穏な動きをすることもないため聖堂へと案内するだろう
「ああ、ですが…祈りは忘れないよう。繰り返しますが我らは庇護の下で生きているのですから
しっかりと、感謝を祈ってくださいね」
そう言いつつ聖堂へと
普段は客室として使っている一角を貸し出し、簡素な寝床としよう
「申し訳ないが、一応の規則で見張りを立てないといけない
昼夜問わず廊下に見張りが立っているが、安眠を邪魔するものではないから、安心してください」
そんな部屋へと案内する道すがら、確かに聖堂の中をある程度見ることはできるだろう
けれどそこはやはり部外者、行動は制限されている
「何かあればその鈴を鳴らしてください。今夜は施しも切り上げ、私が見張りにつきますので
ああ、祈るための像は簡易ですがそちらにあります。ノーシスの祈りは知っていますか?」
ベッドとテーブル、椅子が置かれた部屋には一つ、小さくはあるが主の像がおいてある
それに対する祈り方を知っているか聞いてみよう
■ソラム > 「(傷じゃない上にバレたら大変なことになるからなぁ).....傷ではなくて、フードは私の、趣味。気にしないで」
フードを被っている理由を適当に誤魔化しつつ、聖堂の中へと入る。
入るとやはり豪華。この一言では収まり切らないだろう。だが同時に、魔物が教会を嫌う理由も改めて分かる。
複雑な心境のまま、客室としての一室へと案内してくれるだろうか。
「....いや、遠くから見たことはあるけど、やったことは、ない」
事実を理由として述べ、詳しいことはわからないと肩を竦めてそう答えるだろうか。
■ビデラ・フォーランハルト > 人がよりどころとなる教会は、襤褸でも華美すぎてもいけない
程よく装飾が施されたそこは、しん、と静まり返っている
「誰しも、言いたくないことはあるでしょう。しかたありません
ああ、それは勿体ない。…では、教えましょう。こうして…」
分派によって若干違うのだが
ゾハルでの祈りの作法を教えよう
「これであなたも、信徒の道を歩むことができます
祈りを捧げれば…主がきっと、あなたの行く末を導いてくれるでしょう」
くすりと笑う声
何も、主の事を疑っていない表情で
祈りを捧げ、特に何もないのなら
少女は一泊の宿を得ることができるだろう――
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からビデラ・フォーランハルトさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からソラムさんが去りました。