2019/08/21 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にジェドさんが現れました。
ジェド > 「ふう。大丈夫ですか?足元がまだふらついているようですが……ええ。また、悩み、惑うならば。或いは、寂しく、悲しくなったならばいつでもいらっしゃい。ヤルダバオート神には程遠い我が身なれど、教えに殉じる一信徒として、教え導く司祭として何時でも門を叩く子羊を快く迎える心算です。さあ、気をつけてお帰り。」
ぎぃ、と蝶番を軋ませ扉が開かれる。真昼の聖堂、その懺悔室から一人のまだ年若いが兵の夫を持ちながらも山賊に襲われ命を落とし未亡人となった女が、入る前は青白かった頬を逆に血色良く赤らめてぼうとした様子で出てきた。
今日は集会ではないこともあり一般の信徒は用向きがある者ぐらいしかいないこともあり目撃されることはないであろうが、もし見かけたならば懺悔室の反対側に通じる本来は違う扉から出てくるべき司祭が女性と一緒の扉から出てくる違和感を覚えたかもしれない。
肩を優しく抱かれ、びくりと肩を竦めるも特殊な香を嗅ぎ酩酊状態にあり、懺悔室の中での出来事の記憶が曖昧でこの状況の奇妙さにも気づいていない女性がしかし懺悔室にて亡き夫を裏切る形で若く欲を持て余した体を蹂躙された事を体は覚えているのか背徳に溺れた証拠に子宮にこの善人面をして優しく語りかける司祭の精を注がれた事を思い返すように落ち着かない様子で。
懺悔室にて相談に乗ると称して凌辱の限りを尽くす司祭にあるまじき振舞いをした事など微塵も思わせない好々爺とした笑顔でふらつく女性を支えながら聖堂外の階段下まで司祭自ら見送るという立場を気にしない一般層と距離が近く傲慢さもない人格者然とした態度に身体の熱に困惑しながらも疑う事ができぬままもしかしたら夫以外の仔を孕んだかもしれないという悍ましい事実にも気づけず立ち去る女性をにこやかに見送り。
それから後ろ手に手を組み階段を登り再び聖堂内へ戻り。信頼を利用し、裏切っておきながら全く良心の呵責など無い聖職者の暗部を象徴する司祭はまだ性欲が収まらないのか、自分の息のかかった手駒たる僧兵に他に対応すべき信徒や旅人、罪人等といった己が救うべき者はいないかと、暗に次に己が玩具にしても構わない都合の良い者はいないかを問い。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にハーティリアさんが現れました。
ハーティリア > コツ…と床を靴が聖堂の中…亜麻色の長い髪を手で緩く梳きながら…美女、と呼んで差し付けない風貌のそれが聖堂に立ち入る。
特になにか用があったわけでも、信心深いわけでもないのだが…まあ、興味本位というもので。

「…ヤルダバオート…なぁ。」

見た目に反して少しばかりぶっきらぼうな口調で呟くその体からは、ふわりと…性欲を擽るような甘い香りが微かに。
ツカツカと…香りを引き連れて聖堂の奥へと進んでいけば…祭壇の前、緩やかにステンドグラスを見上げて。

「…う~む。」

見た目はきれいだ、見た目は…淫魔である自分には、一皮むけば欲望と淫気が渦巻く場にしか見えないのだが…それを口に出さない程度には、今の所空気を呼んでいるつもりで。
軽く纏っただけの薄手のローブは、むっちりと肉感的な肢体を、布越しにうっすら浮かび上がらせている。

ジェド > 「おや?……ようこそ、この大聖堂へ。礼拝は初めてですか?」

何処まで堕落し、腐敗しきっても司祭は聖職者であり、人の清濁を併せて呑んだ結果この地位とヤルダバオートの裏の顔にも深く関わる立ち位置に収まっている。

女性を見送り聖堂へ戻った後に僧兵からそれとなく、ステンドグラスを見上げる美しい見目をした亜麻色の髪を靡かせる者の存在を知らされ案内されては、相手が人間ではない魔性である事は一目で知れた。

魔族とも平然と裏では取引しているという事もあって、この神聖都市内に魔に属する者が入り込む事にもさして驚きはないものの、まだ僧兵や僧侶達が気付いていないあたり堕落し修行を怠っているせいなのか目の前の色欲を何とも掻き立てる色香を漂わせる者の力なのかと髭を愛で苦笑い。

気付いて尚平然と何喰わぬ顔をする腹黒狸たる司祭は始めは女性かと思ったが近づけば男性ともとれる中性的な精緻な造形をした相手へと好々爺とした内面の醜さと欲を隠す仮面である笑みを湛えてゆっくり近づきながら声をかけて。

ハーティリア > 「…おや、どうも。…そうだねぇ、初めてというか…まあ似たようなものか。」

声をかけられてゆらりと振り向けば、近づくほどに、甘い匂いが鼻孔を擽る、抜けるほどの白い肌の男女ともつかぬ…どちらかと言うなら女性めいた造作の淫魔が、問いかけられて少し逡巡するように答えて。

好々爺のような笑みを讃えて近づいてきた男を愉しげに微笑み、見返すと…軽く言葉を交わす。

「何か粗相でもしていたら、申し訳ないねぃ…えっと、司祭様?」

あいにく、聖職者について詳しいわけではないので、当てずっぽうで彼を役職で呼び、何か粗相でもしたかと首を傾げて問い返そうか。仕草、視線、香り…この存在を形作るすべての要素が、雄を誘う魅惑で形作られているかのごとく、男の目と意識を惹きつけるようで。

ジェド > 「ほほ、ご明察通り。私はこの聖堂にてノーシス教の教えを説く司祭のジェドと申します。以後、お見知りおきを。……ふぅむ。折角です。差支えなければ私が奥まで案内致しましょうか?本来立入り禁止の場所も多いのですが、私と同伴であれば問題ないでしょう。折角神の庭に足を運び、興味を持ってくれたのに手ぶらで返すのも偲びないので、如何でしょうか?」


近付けば確信を抱く。
魔族とも取引をし、魔物も従えている悪徳司祭であるからこそその分多くの魔を見てきているが、目の前の中性的美貌の淫魔は高位の魔であると。

平常通りでこの色香、誘惑なら一般の人間は勿論身を浄めた者でも意識を引きずり込まれかねない。

人間と異なる倫理や道理、摂理に生きる者に人間の常識や人間的思考等求めてはいないからこそ、別段気紛れであえて普通の魔なら立入らぬ場所へと平然と潜り込んだと言われても納得できるであろう。

己が相手の素性にある程度見当をつけているように、相手もまた己の意図を察しているのか、それとも知らずとも関係なしに誘惑しているのか。

どちらでもいい。色欲をこそ本分とする淫魔を穢し、躾るのも愉しいものだ。

言動の全てが誘惑に繋がる相手へと笑みを絶やす事なく、粗相が何を指すかはあえて問わずに関係者以外は立ち入り禁止である聖堂の奥へ視線を一度移してから相手へ善意を装った提案をしてみる。

この神聖都市の有り方を体現するかの如く、表向きは善意の人でありながら裏は欲望渦巻く下劣漢であるのを見抜いているなら、この提案が即ち相手を邪魔が入らぬ誰も立ち入れぬ奥で犯すという表明に他ならない。

相手が受け入れるかどうかは定かでないが、受け入れるならば相手の適度に肉付きの良い体を味見するように肩や腰に太い腕を回し、後に高位の淫魔と知って尚己が欲、娯楽の為に消費する人間の悪性と傲慢を秘めた司祭は醜い内面を曝け出す事となるであろう。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からジェドさんが去りました。
ハーティリア > 「おや、ご丁寧に…俺はハーティリア、まあしがない医者くずれよ、よろしく?」

涼やかな声色ながら、砕けたぶっきらぼうな口調で言葉を紡ぎ、蕩けんばかりの笑みを浮かべ…司祭と相対する。
内心、大した面の皮だと舌を巻きながら…いや、これもまた面白い…一応、人前だからと抑えた淫気だが、通り過ぎるものがふらりとこちらにひきよせられたりするものもいるが、彼はきっちり自我を保ったまま会話し、その上でうっすらと欲をにじませている。

そして誘うように聖堂へとチラリと視線を巡らせ、己に問いかける…鬼が出るか蛇が出るか…まあ自分は魔なれど、これもまた一興か。

「へぇ…そればまた気前の良い…じゃあ、お言葉に甘えようかね。」

そう嘯いて…するりと己の腰に回る手も気にせず…むっちりと、布越しにでも分かる触れるだけで心地よい肌触りを伝えながら…聖堂の奥へと、二人揃って消えていき…。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からハーティリアさんが去りました。