2018/11/13 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にデメトリアさんが現れました。
■デメトリア > 兄の手が伸びてきて、頬に触れる。くちびるに触れる。
優しく確かめるような手つきで、やがて片手が胸を包むと、もう片手が手を握ってくれて、安心させてくれる。
そこでハッと目が覚めた。
見覚えのない天井に質素なベッドの感触。
夕方仕事でヤルダバオートを訪れ、任務が終わったのが王都に戻るには遅い時間だったために一泊することになった。
「……変な夢見ちゃった。自分のベッドじゃないからかな。」
よりにもよって神を祀る都市での背徳的な目覚めに反省しつつ、目が冴えてしまったので服を着替えて宿の部屋を出る。
夜のお散歩、もしくは観光気分で王都とはちがった趣の夜道をぶらぶらと。
すれ違う修道女の雰囲気は心なしか日中とは変わり、慎ましい雰囲気というものが足りない気がする。
自分が男であったなら、どこぞで運営されるという修道女による娼館の噂を確かめるべく歩いたかもしれないが
生憎とそういった嗜好もなく、目覚めの熱を冷ますだけの当てのないそぞろ歩き。
思った以上に夜風が冷たくて、あまり長くはいられなさそうだったが。
「この雰囲気、スキかも。」
などと、ぼんやり呟きながら地方都市の空気を楽しむ。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にルシアンさんが現れました。
■ルシアン > 「……さて、参ったな……」
夜風が身に染みる。そんな季節になったことを肌身で感じつつ、見慣れない街の道をとぼとぼ歩く青年が一人。
ぼやきつつ辺りをきょろきょろと見渡しながら、という姿はどう見ても余所者――もっと有体に言えば「お上りさん」、とも。
「…あっちがあの店だよね?だから、こっちが……いや、でもさっきはこんな建物は…」
眉をハの字にしてしまいつつ、目に映る目立つ建物を見渡しながらの歩み。
目立つ建物――大きくて、高い建物。自然、見る目線は上に。周りに注意を払う事は、どうしても疎かに。
そんな状態で街の角を曲がれば…は、と気が付けば。ぼんやり呟きながら、地方都市の空気を楽しんでいるような娘さんに…
衝突しそうになってしまう事も、あるやもしれず。娘さんの側が気を付けているなら、避ける事も出来るだろうけれど――?
■デメトリア > 土地勘がないのは同じくで、時間も遅いために宿からあまり離れる気はない。
そろそろ戻ろうかと思った矢先、誰かにぶつかられてよろめいた。
「きゃっ……!」
曲がりなりにも相手は成人男性の骨格なので、それなりの衝撃があるものの
勢いがあるわけではないから倒れ込んだりはしなかったが。
この場合、避けられなかった自分も前方不注意なのだろう。
「すみません。」
一度お辞儀して詫びの言葉を添える。