2018/11/07 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 前々から、行こう行こうとは思っていた。
とはいえ、それはどちらかというと義務感の様な物で。要するに、バフート、ダイラス、王都まで制覇したのだから、この都市も歩かなければ座りが悪いと、その程度のもの。
そして、その程度の意欲で、この街に来たのが、間違いであった。
「なんっっっっっっっっもないね、この街」
表通りをぶらぶらしてみるが、そこにあるのは神社、寺院、そして神殿。
最初の内は知的好奇心を擽られて中を見学したりもしたが、流石にこうも宗教施設ばかりだと、飽き飽きもする。
「ごはん処巡りでもしようかと思ったけど、下手な店に入ってぼったくられてもなあ……」
綺麗な賛美歌とか芸術には目を見張る物があるし、雰囲気を楽しむ街としては悪くないけどさあ、と、それでも何か無いか歩きながら探す。
もしかしたらこの街は外れかと思いつつ。
■クレス・ローベルク > 「もしかして、この街はアレか。案内人が必要な感じの街か……?」
王都周辺ではあまり聞かないが、そういう街もあるという。
表は普通の街でも、裏で街ぐるみで麻薬を製造しているとか。
或いは、そこでしか手に入らないご禁制のマジックアイテムがあるとか。
もっと露骨に、普通では手に入らない"特殊な"奴隷が手に入るとか。
そういう裏の顔を覗くには、その街の事を知り尽くしている案内人が必要という、そういう街の噂ぐらいは、聞いたことがある。
「確か、この街修道女を"売り"に出してるって噂もあるんだっけ……」
自分は貴族の生まれだが、その辺については詳しく知らされてはいない。教育に悪いと言うより、ローベルク家の仕事の範疇から、この街はすっぽり抜けていたからだ。
「まあ、だからって奴隷として飼おうとも思わないけど、そういう裏娼館みたいなのはあっても良さそうではあるよなあ……」
だったら、案内人の一人でも探すべきだったかも知れない、と後悔しつつ。
「まあ、でも。折角だし、お祈りぐらいはして帰るかな。見た目派手派手なとこだとご利益なさそうだから、何か適度に質素なとこに……」
ときょろきょろと良さげな宗教施設を探す。
とても信心ある人間の行いではないが、しかし観光客らしいと言えば、観光客らしいかも知れない。