2018/10/25 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にユールさんが現れました。
■ユール > (この都市の地下には、表沙汰にならない場所が有ると。
それでも、政に携わる多くの者にとっては、公然の秘密でしかないと。
まことしやかに噂される、その秘密とは、信心とは真逆の頽廃に満ちた代物だと。
…そんな、噂の全てが、真実なのだという事を。目の前に見せ付けられている。)
「 …………っ…… …… 」
(一緒にやってきた、他家の娘が、たちまち奥に連れ込まれたかと思えば。程無く、悲鳴だけが返ってくる。
彼女はきっと、まだ良い方で。付き従っていた侍女など、今この場で、男達に弄ばれている。
男も、女も、まだ大勢。神聖である筈の、この都市の地下に眠る施設の中。
追い掛け、逃げ惑い。捕まえ、藻掻き。…犯し、犯され。
行儀見習の名目で、王都から送られてきた自分達が、本当は何の為の物だったのか。
噂の真偽と共に、まざまざと思い知らされて。……じりじり。一歩、二歩。狂乱の場から下がろうとする、けれど)
■ユール > (正直、逃げ場が無いという事は、痛い程、解りきっている。
そもそも初めて連れられてきた街だから、案内無しでは帰路などとても分からない上。
この街の勝手など、何一つ知らないし、まして此処は町中ですらもなく。
秘密裏の地下施設が、何処にどういう形で繋がっていて、どの位の広さに、どれだけの人手を内包しているか。
噂通りの売春窟なのか、信徒達への供物なのか、そういった一切の情報もない。
今解っているのは。此処に居る男達が、獲物を待ち構えていたという事と。彼等は未だ、大勢居るという事と。
だから、逃げたい。せめて、ほんの少しの間でも。極僅かな可能性でも。
もう一歩。また一歩。たったそれだけで、もう……)
「 …い や。 いや です 、わたし… 」
■ユール > (下がって。下がって。
きっともう少し。この部屋から外に出られる。
後数歩。それで、扉に辿り着く筈で……どしん。)
「 ………! 」
(背中が何かにぶつかった。壁や扉ではない、それでも、硬く大きな…それは。
見上げる程大きな、人の身体。前から迫る者達と同じ、男達。
ひゅ。息を飲んだ喉が、微かに音を立てる。
悲鳴などあげる暇も。その為に、先ず息を吸う事すらも、出来なかった。
回された手が、口元を押さえ。
更に幾本も、幾本も。手が、手が、手が。
腕を掴まれ、抱き押さえられ、引っ張られる絹地が悲鳴を上げて引き千切れ…
その侭。少女もまた、他の者達と同じく。男達の中に。彼等の欲望に。
神聖とは真逆の、この都市の裏側に。飲み込まれて………)
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からユールさんが去りました。