2018/04/16 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にサロメさんが現れました。
■サロメ >
「………」
蒼い魔力光が暗い書庫を薄暗く灯す
サロメは多大な書物の並ぶ書庫の中にいた
手元には古びた文献が広げられている
「(……これも、か…)」
落胆したように肩を小さく落とし、書物を棚へと戻す
■サロメ >
数日前、自らの所属する第七師団の将軍がタナールへと出兵した
指揮預かりをしている自分に全くの無断で
アレの頭の中がどうなっているのか叩き割ってやろうかとも思ったが、
彼はそこで一つの気になる情報を得て帰ってきた
「──…ダメだな、どの文献にも王国全土に及ぶ結界の話などない」
もう数時間は書物を漁っただろうか…さすがに疲れてきた
■サロメ >
主神、ヤルダバオートの信仰を遡ったところで、よく作られた神話が出てくるだけだった
魔の力を弱める──となれば神の力かとヤマを張り、
わざわざ書面まで用意してこの大書庫の出入り許可を貰ったのだが
「(──…ヤマはヤマだ、外れる時もある、か)」
■サロメ >
「しかし、古い文献を期待してやってきてみたが、
どの書物も古く記されてようやく200年前といったところか。
ノーシス主教の起こりを考えれば当然だが」
古い椅子に腰掛ければギッと耳障りな音が鳴る
新たに適当な書物を手にとって、ページを捲ってゆく
──激動の時代だったのだろう、その年代については特に記載が多い
■サロメ >
“黒の王”ナルラート・カルネテル王
彼の時代から、魔族との戦いがはじまっている
それ以前の魔族の襲撃を記したものは、此処には一つとして収まっていない
「どの文献を遡ってもそれ以前は神話のようなものばかり…たかだか200年でそれほど風化するものか…?」
浮かんだ疑問は思わず口に出る
慌ててその口を閉じた
──国と宗の起こり、そこに疑問を呈するような真似をすれば一瞬で異端者だ
特にこんな場所では
「(魔を弱める力が在るという記述はない。だが確かに存在し、むしろ200年前から魔族が現れるようになった……)」
疑問は疑問へと繋がってゆく
何か、頭の奥でピースが僅かに繋がるような感覚を覚えた
「………弱まったのか?」
■サロメ >
魔を弱める力を、仮に主神による加護であると考えよう
弱まった理由は、何だろうか
信仰の薄れを理由とするならばそれはむしろ発足当時よりは強まっていなければならない
と、いうことは
「………」
文献を棚へと戻し、崩れそうになった身体を支えるように棚に手をつく
嫌な動機を感じ、僅かに冷や汗が滲み出ていた
「(やつが持ち返った、この情報…)」
"その考え"に至った瞬間、全身にぞくりと寒気が走った
この国に生まれ育った人間としての何かが警鐘を鳴らした
──これはおそらく、おいそれと吹聴して良い類のものではない
■サロメ >
「……いいや、あいつは平気で口を滑らせかねん──」
200年以上前の"史実"を記した文献が此処に無い以上、もはや用はない
いち早く戻れ、早馬を飛ばせ
あの男の口を縫い付けてでも、その話が広まるのを防ぐ必要がある
王国全土に広がる魔を弱める力
それ自体はなんら広まることに不都合のある話ではない
その起源を探ろうとしたものがその不自然に気づき、
紐解こうとさえしなければ
■サロメ >
──大書庫から出たサロメをノーシスの司祭が出迎える
彼らはサロメの顔色が悪いことを心配したが、調べ物の内容を問うたり疑念の目を向ける者はいなかった
彼らもおそらく、疑うことすら知らないのだろう
ノーシス主教、その関係者すべてがそうだとは思えないが───
王都へと戻ったなら、ヤツに指揮権を戻そう
調べ物をするのならば、フットワークが軽くなるに越したことはない
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からサロメさんが去りました。