2017/10/31 のログ
■ラディエル > 勿論、其の提案が聞き入れられる筈など無いことは先刻承知。
目の前の男が女に姿を変えたとして―――容姿に相当の補正が掛からなければ、
食指の動く男は相当、特殊な性癖の持ち主に限られるだろう。
少なくとも、己が先刻送り届けた女の代わりになるとは思えない。
然し、目の前の男がふと此方を見つめて、何事か呟きかけたものだから。
己は直ぐ様、畳み掛ける様に声を張る。
「仕方無いですね、……其の辺で、新しい女を見繕って来ましょう。
其の代わり、今度は壊さない範囲で楽しんで下さいよ?」
今にも、己に降り掛かりそうだった火の粉を強引に払い落とし、
己は素早く聖堂を出て行く。
既に街をふらつく女の居る時間帯とは思えないから、何処かの修道院へ向かうかと。
兎も角も一人、代わりの女を調達して戻ってくる気で―――。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からラディエルさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にローズマリーさんが現れました。
■ローズマリー > とある修道院の裏手、細く入り組んだ路地へ飛び出してきたのは、
白い尼僧服に身を包んだ一人の娘。
蒼褪め、強張った顔には明らかな恐怖の色、本来は隙無く肌を覆い隠す筈の衣は、
襟元は胸の谷間が覗ける程、裾も大腿部まで露わになってしまいそうな程に、
大きく引き裂かれており。
其れらを両手で掻き合わせつ、必死の形相で逃亡を図るも―――
そもそも、此処は何処なのだろう。
己が昨夜、目を閉じたのは、いつもの自室であった筈。
なのに何故だか、得体の知れない薄暗い部屋のベッドの上で、
見知らぬ男に圧し掛かられ、肌を暴かれそうになりながら、という、
最悪の形で覚醒を迎えてしまったのだ。
必死に暴れ、抗い、辛うじて逃れ出たけれど―――どんどん細く、狭くなる道の果て、
此の儘辿れば袋小路に行き着くのでは、と思えて、気弱な己はますます追い詰められる。
肩を上下させ、息を切らし、ふらつく脚が破れた裾に絡んで躓き―――
「―――――きゃあ、っ!」
とうとう、派手に転んでしまった。
洩らした悲鳴はか細く掠れていたけれど、もしも追っ手が迫っていたならば、
己の位置を知らせてしまったのでは、と。
竦みあがった四肢は思うように動かず、直ぐには起き上がる事も出来ずに。
■ローズマリー > 如何して、如何して。
己の窮状の元凶が、己自身の中に在るとは、終ぞ気づけぬ儘に。
追いついてきた男に引き起こされ、泣き叫ぶ口許を押さえられて、
逃げてきたばかりの建物へと連れ戻される。
其の先に待つものは、女にとっての地獄か。
或いは今度こそ、脆弱な精神を突き崩されて、地獄を地獄と思えなくなってしまうのか。
―――其の顛末は未だ、誰も知らぬ話として。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からローズマリーさんが去りました。