2016/09/22 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 教会」にラスティさんが現れました。
ラスティ > 「神様ねぇ……そんなのがいれば苦労はねぇってのに」

都市の中でも大きく、明らかに金のかかってそうな内装で飾られた教会。
並べられた木製の長椅子、その最後尾に腰かけ、足を組みながら神父の説教を聞く信奉者たちを見ながらつぶやき。

「しかしよくもまぁあんなにぺらぺらと嘘八百述べられるもんだぜ。
 そこは感心するね」

どこか退屈そうにあくびを一つこぼせば、目立たないように椅子の陰で掌に火の玉を浮かべ、それを動かして遊び。

「ま、馬鹿がいなけりゃあいつらも儲からねぇからな。
 そのためなら嘘くらいなんでもないか」

ラスティ > 「なげぇな、早く終われよ、いつまでまたせんだよ、たく」

文字通りの火遊びにも飽きてきたのか退屈そうに背もたれに身体を預けて。
神父の説教が終わる間、いい感じに退屈をしのげる相手はいないかと周囲に視線を走らせ。

「大体、人を呼んでおいて待たせるなんてありえねぇぜ」

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 教会」にティネさんが現れました。
ティネ > 見渡せば、いつのまにか近くの長椅子の背もたれの上にに小さな人形のようなものが座っているのが見えた。
よく観察して見るならそれが蝶羽根を持った人形の大きさの少女だとわかるだろう。

少年同様に説法に退屈したのか、うつらうつらと舟を漕いでいる。
聖職者や信者たちは、この不自然な存在には気づいていないようだった。
小さすぎて目に入っていないのか、そもそも視ることができないのかはわからない。

ラスティ > 「しゃあねぇ、いったん出直す……ん?何だあれ?」

あまりに長い説教に待っていても仕方なかたないと判断して立ち上がる。
その時、近くの長椅子で船を漕ぐ小さな少女の姿が目に留まり。
いままで気づかなかったことに首をかしげながらも興味を持ったのかそっと近づき。
魔法陣を描けば周辺と空間を切り離し、周りに音や姿が見えないようにする。
はたから見れば突然少年と椅子が消えたように見えるだろう。

「これでよしっと、で……なんだこれ」

見た限り人間とは思えないほどのサイズの相手を見れば首根っこをつかんで遠慮なく持ち上げ。

ティネ > 「ん……うひゃあ!」

小動物に対する持ち方そのままに持ち上げられ、ぱちりと目を開いて驚きの声を上げる。
いきなりつまみ上げられた者の当然の反応といえた。
少年と蝶羽根の少女の目が合う。

「ねーえキミ、離してくれない?
 女の子の身体を子猫みたいに持つのって、失礼だと思うけど」

子猫とさほど変わらない体長の少女が、口をとがらせて不平を言う。
置き場所のない両の素足がブラブラと揺れている。

ラスティ > 「ふーん、一応女なんだ。
 よくできてるな、ホムンクルスか何か?それとも魔女の使い魔的なやつ
 かな」

相手の抗議の声をサラッと流し、相手の身体から魔法の力を感じて興味深そうに観察し。
相手の身体に空いている手を滑らせて素材を確かめるようにし。

「それにしてはよくできてるな。
 けどこんなところにいるってことは野良かな?」

そういいながら相手の貫頭衣をめくり。

「おぉ、ここまでちゃんとリアルにできてるな」

ティネ > 「い、一応て。ねえ人の話聞いてる? ちょっと……」

この少女の肉体は人間とは違うが人造でもない。
少なくともスケール以外の見かけはヒトの少女のものに準拠している。
裾をめくってその中身を確認すれば、それは自明だろう。

「まあ野良って言えば野良だけ――ぎゃああ! 何すんのー!?」

顔を真っ赤にして甲高い声でぴぃぴぃと喚き、じたばたと暴れるが所詮はサイズ相応の微力である。

ラスティ > 「やめろよ、頭に響くからあまり叫ぶなよ」

相手の甲高い声を聴いて眉を寄せ。
相手が座っていた長椅子に腰かけると相手をその横にちょこんと座らせる。
本当はもう少し遊んでいたかったが、神父の説教が終われば仕事に掛からなければいけない以上そうもいっていられなかった。

「見た感じ誰かが作ったってわけじゃなさそうだし。
 あんた何者だよ」

ティネ > 「ごめん……って、誰のせいで叫ぶようなことになったと思ってんのさ」

不満たらたらと言った様子だが、離されれば大人しく横に座る。
“何者”? 哲学的な問にちょっと首を傾げて考え、口を開く。

「名前はティネでーす。世間的には妖精ってことになってます。
 ここに来たのはたまたまで、屋根のある場所で休みたいなーって思って入りました。
 きみもそういう感じの人? あんま敬虔じゃなさそうだし」

彼女なりの無難な回答をして、満足したかとばかりに上目遣いに相手の様子を伺う。

ラスティ > 「妖精ねぇ、まぁ神様よりは信用できる存在だな」

足を組み背もたれに身体を預け、相手を横目に見ながら言い。

「俺はあのおっさんに呼ばれてきたんだよ」

顎で指すは、一段高いところで大声で説教を垂れる腹の突き出た神父。
そろそろ終わりに向かっているような言葉を聞きながら深くため息をついて。

「けど、そろそろ待つのも飽きてきたから帰ろうかと思ってたんだけどな。
ほら、何言ってんのかわけわかんねぇし、糞眠たくなるだろ」

ティネ > 「え、ボクって神様よりも信じられちゃうの? 信仰対象になれる?」

天然なのか意図した取り違えなのか、なぜか機嫌を良くして首筋をかく。

「えー。いいの帰っちゃって。怒られない?
 ま、気持ちはわかるけどねー。ボクも寝ちゃったもんあれ。
 眠くさせるプロのわざだよ、あれは」

見上げるのも飽きたのか、ふわりと浮かび上がって相手の肩の上に着地。
白銀の髪はあまり見たことがないらしく、手てくいくいと掴んでひっぱって遊ぼうとする。
こっちはこっちで退屈しているようだった。

ラスティ > 「いや、そうじゃなくて……まぁいいや」

相手の言葉に何か言おうとするも、途中で面倒になったのか、訂正するのを諦め。

「別に、あいつの仕事なくても困らねぇし。
 むしろ困るのはあいつだろうし。
 つかやめろ、地味に痛い」

髪を引っ張られると先ほどのように相手の首根っこをつかんで持ち上げ。

ティネ > 少年の言葉にへえーと相槌。

「そうなんだ。実はキミってえらいヒト? 教会の影の支配者?
 ねーもっと知りたいなぁー聞かせてよ~」

どうやら興味をくすぐったらしい。
はしゃいだ様子でわちゃわちゃ宣っていたが
また首根っこをつままれるとおとなしくなる。

「ごめんなさぁーい」

素直な謝罪。特に暴れたりはせずなすがままである。

ラスティ > 「いや、ただの魔法使いだから。
 権力なんてまったくないよ」

相手の純粋な興味にも肩をすくめて返し。
思った以上に素直に謝ればそのまま相手を床に立たせ。
そんなことをしているうちに説教は終わったようで、どうやら帰るタイミングを逃したらしい。
本日何度目かわからない深いため息をつけばめんどくさそうに立ち上がり。

「やれやれ。
 仕方ない、仕事してくるか。
 お前もあまり長居してないで帰れよ。
 ここは、空気が悪いからな」

そういって切り離した空間の外に出て先ほどまで説教をしていた神父のもとへ向かっていった。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 教会」からラスティさんが去りました。
ティネ > 「愛想なーい」

思ったことを率直に口に出して、不満そうに頬をふくらませる。
まあしかしこれから仕事に向かおうという少年の邪魔をしないぐらいには分別はあった。

「じゃーまたねえ」

日々の退屈も少しは紛れた。
ふわふわと、低空飛行で教会を抜け出したという。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 教会」からティネさんが去りました。