2016/08/29 のログ
■ボリス > 時間間隔の狂う地下室。
異端審問官と思しき者たちが去って暫く経ち、今が夕か夜かも解らぬようになりかけた頃合に、階段を下ってくる硬質の足音が響いた。
その音室は、審問官たちの重々しいそれとは違い軽い足取りを想起させる。
そして現れたのは、柔和な笑みを浮かべた長身の男。
身なりは悪くないが、表情にはどこか捕食者めいた狡猾さが滲む。
およそ宗教者という風貌ではなかった。
「初めまして、『聖女』アナスタシア様」
涼やかとすら言える声で男は名を呼び、完璧な一礼を送ってみせる。
「失礼をいたしました…一度お会いしたかったのですが、少々強引な手段を取らせて頂きまして」
審問官たちとは違う穏やかな言葉が向けられる。
「私はボリスと申します。彼等とは…知り合いの知り合い、といったところでしょうか?」
■アナスタシア > 少しずつ、然し確実に、此方へ近づいて来る靴音が聞こえる。
重い法衣を纏う者特有の、引き摺るような足取りでは無い。
どちらかと云えば若々しい、武人の―――何れにせよ、現れた男に見覚えは無い。
己を『聖女』と呼ばわる男に、己が向けるのは冷やかな、愛想の欠片も無い一瞥。
「―――ボリス様、と仰るの。わたくしの、名は…
いえ。改めて、名乗る必要は御座いませんわね」
相手は少なくとも、己を全く知らぬ訳では無いらしい。
どころか、己が此処へ拘束されるに至る、首謀者とすら思わせる物云いに、
紫水晶の瞳はますますもって冷たく、男の顔貌を真っ直ぐに見据えて。
「失礼だという自覚がおありなら、先ず、この枷を外して下さらないかしら。
会いたいと思う相手を、力ずくで引き摺ってきて拘束するのが、
貴方の『作法』だとでも仰るの?」
椅子の背凭れを後ろ手に抱えるよう、枷で繋がれた両手首が鈍く痛む。
其処に嵌まる金属を態と打ち鳴らすように身動いで、とにかく先ずは拘束を解け、と。
■ボリス > 「ええ、是非覚えおきください。『聖女』様」
一見簡素だが値の張るであろう眼鏡の奥の瞳は未だ柔和に細められ。
「見ての通りの野蛮人でしてね」
凍て付くような視線も、男は柳に風と受け流し悪びれもせず答えてみせた。
「幾つかお聞きしたいことがありまして。
野蛮人の私としては、貴女が本当に『安全』かわかりかねますのでね――。
さて、早速ですが本題に入りましょう。
実は、私は以前、貴女の『聖域』の傍を訪れたことがあるのですよ。
何せ、有名な『聖女』様の御所です。さぞや清浄な気に溢れているだろうと思ったのですが」
長広舌を垂れていた男の言葉が一度止まる。
「どうにも…何とも言えない、よくない『甘さ』を感じまして。
単刀直入に言えば、『魔』を思わせるものです。
それで、こうしてお越し頂いたというわけです。興味がありましてね。
何か、心当たりはありませんか」
正対し、見下ろしながら滔々と語られた内容は、気安く『聖女』の看板を辱めるものだった。
■アナスタシア > 男の表情も眼差しも、礼節を弁えた紳士のもの、と呼べなくも無い。
けれど拘束を解く心算が無いのなら、己の態度もまた、変えようとはせず。
「憶えておきますとも。
このような辱めを受けて、直ぐに忘れてしまうには、
未だ、修練が出来ておりませんの」
綺麗に弧を描きはしたが、あたたかさとは無縁の微笑を添えて。
此の後、相手が何を云おうと、どう態度を変えようと、決して許すまい、と、
―――然し。
―――甘い、魔のものを思わせる、香り、もしくは気配。
其れ、を指摘する言葉を突きつけられると、ほんの一瞬、ごく僅かに。
己の表情が、修道衣に包まれた身体が、緊張を孕んでしまった。
辛うじて眼差しを揺らすことはせずに堪えたけれど―――
「―――良く、云われますわ。
デュ・ボワの娘は、悪魔と契約を結び、家族の血と引き換えに、
得体の知れない力を手に入れたのだ、と。
……確かにわたくし、家族の中でひとりだけ生き残りましたけれど。
血塗られた契約を交わした『心当たり』をお尋ねなら、
否、と云うよりほか御座いませんわ」
震えたりはすまい。声も、身体も。
但し微笑だけが、先刻までよりも幾分硬く。
■ボリス > 腹の底を探りあうような微笑同士の交錯。
鋭い皮肉にも男は表情を変えることはない。
だが――。
糸目の奥の魔人の瞳はその変化を確かに見据えた。
常人ならば感じ取れぬほどの緊張。
筋肉のこわばり。発汗の増量。そらされねど震えた瞳孔。
「なるほど」
それを押し隠し、平然としか取れぬよう紡がれた声に。
「では、他の『心当たり』なら、おありだと」
男の声は、射抜くような鋭さと残忍さに満ちていた。
その体が近付く。少女の頬に掌を添えた。
「表情がお硬いですよ、『聖女』様」
表情筋を指が叩く。見透かすように。
「お教え頂きたい。貴女の、魔の香気の由来を…」
■アナスタシア > 男が部屋へ入ってきてから、急速に、部屋の空気が凝縮されてゆくような、
目に見えぬ圧が己の身を音も無く苛むような、そんな気配を感じていた。
或いは其の為に、己の動揺はより明らかに、相手の目を引いたかも知れない。
―――其れでも。
「―――――、……」
空気の質が、また、変わる。
男の纏う気配が、眼差しのいろが、恐らくは男の本性を透かすように。
触れられた瞬間には微かに震え、粟立ち、けれど男を見据える瞳の色は、
硬く冷たい紫を保って。
「……気安く、触れないで頂けますでしょうか?」
頭を振って逃れようとも、厭うように顔を歪めるでもなく。
「一生を神に仕えて生きる、と決めた者のからだに、
このように気軽に触れては、神への冒涜にあたります。
…其れ以外で貴方にお教えすることなど、なにも、御座いませんわ」
言葉は飽くまでも、静かに、揺るぎなく。
けれど男が『其れ』を感知すると云うのなら、甘い香りは練られたように深く、
室内に漂い広がり始めている。
曇りひとつ無かった紫水晶の奥に、薄ら、紅い焔が滲み出して。
■ボリス > 物腰こそ柔和だが不気味な威圧感を放ち始めた男。
対する少女の物腰は、毅然、凛然という言葉すら似合うものであったかも知れない。
触れられたまま紡がれる冷たい言葉。
しかし――
「いいや。あるはずですよ」
男もまた、揺るがない。
「たった今、私の目の前で。
貴女の瞳の奥に揺らめく焔は。
今まさに広がるこの香気は。
いったい、何だというのでしょうね?」
鼻がつくほどの距離にある男の顔。
覗き込む瞳。
男の瞳の中の光もまた、魔の気配を宿し――何かを引き出すかのように揺らめく。
■アナスタシア > ―――不意に、違う、と感じた。
目の前の男は、違う。
優しくも、穏やかでもなく、況してや―――
「――― 云いがかり、ですわ。
何もかも、…わたくしのなかに、在るのは…、」
紅く、揺らぐ炎。
己が心を波立たせるたびに、紫水晶を曇らせる紅のいろ。
あの火事に遭う前には無かった筈の『いろ』を、然し己は説明する言葉を持たない。
其れに、―――此の、男は。
「貴方――――…
いったい、何、ですの……?」
もしかしたら。
此の暗い石造りの部屋で、真に繋がれるべきは己よりも。
そんな疑念を露わに、笑みを消した眼差しで男を見詰める間にも、
男の纏う昏い気配に呼応するよう、己の香気はますます甘く、濃厚に。
■ボリス > 穏やかな表情…いや、穏やかさを装った完璧な仮面。
それは崩れることはない。仮面であるのだから…。
「貴女も気付いているのでしょう?
その瞳の中の焔に」
男は愉快げに言葉を紡ぐが、その声に温かみは一切無い。
「…私は、ただの冒険者ですよ。正義感の強い――。
なんて、ねえ」
くつくつと喉から笑みが漏れる。ただの笑みだというのに呪詛めいて反響するそれ。
「少しだけお教えしましょう。
恐らくは、あなたのその『焔』と、『香気』と。
由来を共にする者ですよ」
男が、目を見開いた。
瞬間、密室のはずの地下に、びゅうと風が吹いた。
魔族の纏う瘴気の風。
男が真の力の一端を垣間見せていた。
少女の中の『ナニカ』を呼び覚ますように。
■アナスタシア > ―――そう、整い過ぎているのだ。
揺らぎも崩れもしないから、本物ではないと感じてしまう。
此の男は―――違う、ちがう、チガウ。
頭の中で鳴り響く警鐘、瞳のいろばかりでは無く、己の認識する視界、
其の物が紅く霞みかかってゆく。
「存、じ、ません……わたくし、
違うのは、…ちがう、のは、貴方、――――あな た、」
言葉が途切れ、呼吸が、不自然に堰き止められる。
窓のひとつも無い地下の一室を襲う、一陣の風に―――ざわり、背筋が粟立って。
どくり、一際大きな拍動めいて、視界が揺らぎ、凍りついた。
紅い、あかいあかい――――炎の、幻影のなかで。
「――――… い、… いや…っ……、
やめ、て、―――――― あ、あああ、 あ、 あ……!!」
ごう、と音を立てて、己が身の裡から爆ぜるように広がる真紅の炎。
其の焔が己が身を焼くことも、誰を、何を損なうことも無いけれど。
悲痛に擦り切れた声を放ち、椅子に括りつけられた格好の身体を大きく撓らせ―――
見開いた瞳は今度こそ、はっきりと異質な、紅。
眦から零れ落ちる涙ばかりが透明に、―――甘く濃厚な蜜の芳香は、
今や暴力的なまでに、男を煽り立てる媚毒を孕んで室内に満ち―――。
■ボリス > 明らかな異変を見せる少女の姿。
男は笑う。嗤う。だがそれも仮面に過ぎない。
「私は私が何者かよく知っていますよ」
少女が苦しげに紡ぐ言葉にも、孕む笑みの色は変わらない。
「それを知らぬのは…知らぬ振りをしているのは」
「『違う』のは、貴女でしょう」
悲鳴が響き、破壊なき焔が湧き上がる。
そして広がる、余りにも濃密な、魔香――。
「ほう!」
身を撓ませ涙を流す女の前で、男は今度こそ、笑った。
「これは、私もお目にかかったことが無いほどの媚毒。
この私に干渉できるとは。
その媚毒にて男を喰うのか…それとも貴女を贄とするのか。
確かめる必要がありますね」
初めて男の声に熱が篭った。
永い時を生きる魔人にすら影響を及ぼすその魔は、尋常ではありえず。
男は獣欲と喜びとに従い、ズボンの前を開く。
たちまち屹立した逸物は、一見柔和な容貌に反し凶悪なまでに巨大。
獣のものかと見紛うほどのそれからは、獣臭が沸き立つ。
「仮に私が食らわれるようであれば、私もそれまでであったということ。
ならば、試させていただきましょう」
近付いた男は、掌を少女に向ける。
魔力が迸り、少女の両脚を、ぴんと伸びたV字へと大股を開かせていく。
「偽りの『聖女』の深奥、貫かせて頂きますよ」
もう一方の手の指を縦一閃に振れば、下着に『入れてください』とでも言うような縦一筋のスリットが刻まれた。
■アナスタシア > 貴方は、何者―――そう尋ねる言葉の裏で、己はきっと、
同じ問いを己自身にも繰り返していたのだと思う。
己にとって、誰よりも理解の外に在るのは―――間違い無く、己自身。
怖い。
こわい。
たすけて、―――――
声にならない哀願を、けれどいったい誰に向ければ良いのか。
己自身では制御など叶わぬほどの劫火のなかで、焙られ、煽られ、
濃密な、と呼ぶのも控えめに過ぎる雌の芳香を撒き散らして、
言葉も紡げずに涙を流す己の眼前で、男が下肢の中心を露わにする。
―――噎せ返るような獣欲の象徴、鼻腔を衝く雄の香り。
恐ろしいのに、逃げ出したいのに、己の身体は男の思うまま、
其の雄を受け容れる体勢へと操られてしまう。
純白の衣の裾がはしたなく捲れ、今まで誰の目にも触れさせなかった、
清楚な下着に守られた秘部を捧げる体勢を強いられて。
「――― …や、いや、やめ、て、だめ……、
や、め―――― て、いや、いやあああ、っ……!!」
すう、と在らぬところに感じる微風。
薄い生地が縦一文字に切り裂かれ、覆うものの無い無防備な薄桃色が覗く。
年齢の割に幼げな佇まい、蹂躙された痕のみえない、明らかに未通と思しき箇所。
けれど男が其処へ切っ先を宛がえば、柔らかな花弁は甘やかに震え、
吸いつくように淡くほどけて、あたたかい蜜液すら滴らせてしまう筈。
触れられぬ紅の劫火のなか、己は破瓜の恐怖に、顔を引き攣らせて震えているのに。
身体ばかりが、雄の蹂躙を求めて―――熱く、只管に熱く。
■ボリス > 言葉にならずとも、少女の困惑も恐怖も哀願も、男は全て察していた。
その上で、完全に無視する。
昼までは『聖女』として小さな聖域を領していた存在は、
今や秘部を曝け出し、寧ろ捧げるかのような姿勢を強いられ。
そして何より、彼女自身の中に巣食う『ナニカ』が、蹂躙を望んでいた。
宛がわれる亀頭もまた、全体に見合って巨大。
人のモノとは思えぬほどに。未通の孔など壊してしまうのではないかと思うほどに。
いよいよソレが接し。吸い付くように整ってしまった秘所。
「…それほど、やめてほしいのですか?」
業火に焼かれ獣臭に苛まれる中、一筋の涼風のように、男の声が耳朶を打った。
「駄目です」
それに対する返答など聞きもせず、男は少女の肩を押さえ、容赦なく腰を突き出した。
凄まじい質量が、恐怖に震える少女の秘裂を、容赦なく割り裂く。
彼女が見に宿す灼熱にも似た熱量が、雌の孔を抉っっていた。
奥へ、奥へ。ずぶずぶと。ごりごりと。肉の味を思い知らせるように。
■アナスタシア > ――――どうして、こんなことに。
己の信ずる神に、髪の毛一本までも捧げた筈の身体だった。
肉欲からは最も遠いところにある筈の、―――けれど。
脈打つ肉の凶器、としか見えぬモノを突きつけられて、怯えるどころか
歓喜に震え綻び、蜜さえ滴らせてしまう秘部は。
―――間違い無く、未通である筈、なのに。
やめて欲しいのか、と問われれば、もはや声も発せられず、
かくかくとぎこちなく首肯を繰り返し。
短く、鋭く、己を絶望の縁へ叩き落とすひと言が、頭に届くよりも早く―――
「―――― ひ、 ……っい、… あ、…っあ…… 、
ぃ、あ ―――― っあ、…あ、 あああ、…あ…… !!」
たとえ、しとどに蜜を溢れさせていた、とは云えども。
其処、が男を知らぬ未開の地であることに変わりは無く、
稚い狭窄の支配する肉の隘路は、文字通り抉じ開けられ、切り裂かれ、
あかい鮮血を滲ませながら穿たれ、貫かれることになる。
微かに、けれど確かに抵抗を示した薄い皮膜が、呆気無く引き千切られて―――
弓形に仰け反った身体が、高く、擦り切れた悲鳴を放ちながら硬直する。
激痛、では生温い、息苦しさ、なぞと云う生易しい感覚でも無い。
痛い、苦しい、熱い、―――やめて、たすけて、お願い、もう許して。
そう訴えたくて弱々しく頭を振って泣きじゃくるのに、己の秘肉はどろりと濡れて、
男の肉を貪欲に貪り食らうように絡みつき、揺さぶり、絞り立てにかかる。
膣壁の細かなざらつきが脈動を擦り、舐るように蠢き、―――引き摺り込む先は、
もうひとつの、奥まった聖域への扉。
ぐちり、と吸いつく肉のリングは、尋常ならざる雄の威容に怯むどころか、
もっと、と誘うように先端へ食みついて。
■ボリス > 少女の疑問に答える者はない。
いや、魔の犇くこの国においてはこれこそが神意なのか。
これまでの信仰の道の体現である清き肉を、嘲笑うかのように貫いた剛直。
男は笑う。
「おお――確かに未通でしたか」
苦痛の呻きと共に仰け反った体を、
不可思議な力で上げさせた両脚ごと抱き締めるように抱えて。
破瓜の血が流れる様に、笑みを深く刻む。
更に強く押し入られる肉塊は、粘液を纏いながら脈打ち、奥へ進み。
「そのお顔も、御綺麗とは言えませんが、可愛らしいですよ。『聖女』様」
男の長くざらついた力強い舌が、のけぞった首筋をざらりと舐め上げる。
魔の力を解放した男の体液は、その全てが――少女の放つソレには敵わなくとも――媚毒となり。
彼女自身の媚毒と共に、責め苛んでいく。
「ですが…苦しげなお顔も結構ですが。
こちらは、悦びに溢れておりますね?
これが…貴女の本性、ということでしょうか?」
無論、そうではないことなど解っていながら少女の精神を傷つける。
「ふっ、ぅ…この私を引き摺りこむとは!
貴女の肉孔は、大変な名器ですよ、『聖女』様!」
男もまた歓喜の声を上げながら、最奥の入り口に、ぐりぐりと先端を押し付けた。
――それを、誘惑に抗うように。ずぐッ、と引き戻す。
張り出したエラが、脈打つ肉の凹凸が、蜜に溢れた肉孔を強引にかき混ぜ――。
間髪いれず、再び奥まで捻りこむ。
喰らいつく最奥の肉輪に、更に深く、食らわせるように突き込んだ。
■アナスタシア > 己の身体など、所詮は玩具に過ぎないのだろう。
あるいは凌辱に傷つき、咽び泣くこころさえ、目の前の男にとっては。
己の身体を流れるあらゆる体液には、ひとを癒し、或いは高揚させる力がある。
詰まり、男が己の濡れた肉鞘を鋭く穿つだけで、纏いつく蜜液は男を満たし、
更なる獣欲を煽り―――結果として己はますます酷く傷つけられ、
愛液を、血を流すことになる。
痛いのに、苦しいのに、こんなこと、嫌で堪らないのに―――
「…… も、… いや…っ……、
やめ …て、……ぃあ、っやああ、っ……!
ひ、っう、……ぅ……、ぁう、――――っあああ、…あ、あ……!!」
身も世も無く泣きじゃくる顔なぞ、きっと見られたものでは無い筈。
ほぼ二つ折りに等しい格好で抱き竦められ、逃れる術も無く深々と身を抉られて、
痛い、と泣き叫ぶ乙女らしい感情すら、舐られた肌から染み渡る媚毒に奪われる。
残された僅かな『己』の部分が頑強に否定し、拒絶を繰り返すけれど、
最奥を捏ね回されればじわりと撓んでひらく気配を示し、
抜き出そうとする動きを察知すれば、きつく絡みついて押し留めようとし、
容赦無く掻き毟られた肉襞は、しとどに蜜液を溢れさせて、艶めかしい痙攣を繰り返し―――
「あ、―――― あ、だめ、だめ、っ……、
も、ぅ、やめて……、お、願い、
し、きゅう、ひらい、ちゃ――――…!」
其れは、本能で感じた危惧だった。
暴かれてはならないところまで、暴かれてしまう予感。
汚されてはならない深みまで、汚されてしまいそうな―――恐怖。
濡れた肉鞘はますます熱く熟れて、男を最奥へと導いてしまうばかり、ではあるけれども。
■ボリス > 恋人を抱き締めるが如く、剛直を締め付け、絡み付き放すまいとする肉壷。
その味を堪能する男の顔は、端正さを失っていないにも関わらず、悪鬼の如き悪意と獣欲に満ちていた。
「これは…素晴らしい…!
『聖女』様、貴女の体は…雄に犯されるためにあるのですね!」
耳元で、鋭く叫ぶように叩きつけられる惨めな「自己定義」。
泣きじゃくる少女を更に責め苛み…つまりは玩弄するための言葉。
「はは――貴女が『そうでない』のなら――
『そこ』が開くわけがないでしょう?」
尋常の場ならば確かに真実であるその言葉を、
互いの異常性が支配する場にて容赦なく叩きつけた。
「くぅっ…これほどの、肉は…私の生においても…出会ったことがないほどです…!」
男は焦らすように、前後運動を繰り返す。
食いついてくるかのような最奥の扉をノックしては身を翻し。
傍から見れば、既に二つ折りで痙攣しながら、愛液を噴き出すように垂れ流しで犯される、
『性具』の如き様を呈する少女の奥を、何度も叩き、路を何度も抉り、そして――
「この私が…誘いに耐えられぬとは!
いいでしょう…壊れないでくださいね――いえ、壊れてしまっても構いません!」
歓喜の声と共に――ひときわ深く、その剛直をみぢみぢっ、と押し込んだ。
ついにその肉輪の中へ、信じられないほど巨大な亀頭が入り込み始める。
魔人の力強い肉体が少女の体をがっちりと固定し、衝撃からも進入からも何一つ逃れられず。
寧ろ、肉塊へ肉体を押し込んでいくかのように引き寄せる。
異貌の肉塊は、決してそんな所へ入り込んではいけない場所を、曝け出し、暴きだし、押し開き――
入り込んでゆく。
■アナスタシア > 淡い恋も知らず、想い想われる愛も知らぬうち、
身体だけを深く繋ぐ性の悦びを、無理矢理刻みつけられる。
もはやどちらが煽り立てているのか、煽られているのか、
貪っているのか、貪られているのか―――何もかも、曖昧なほどに。
―――違う、と叫びたかった。
犯されたくなどない、汚されたくなどなかった、そう、泣き喚いてやりたいのに。
己の身体は肉欲に蕩け、背徳の喜悦に溺れて、目の前の雄を貪欲に誘い、
最後の聖域すら曝け出して、其の奥までも雄の蹂躙に明け渡したがっている。
ずぷ、ぐちゅ、卑猥な音を立てて抜き出され、また刺し貫かれるごと、
無残に散らされた花弁の連なりは、望まぬ極みのしるしさえ弾けさせて。
「ひ、っあ、ああ、ん、っ……、 あ、やあ、もぅ、や……、
やめ、 ―――――も、う、止めて……、お、ね…がい、…るして、
いや、壊さな、―――― っ、っっっ……!!」
怖い、止めて、助けて、もう、此れ以上は―――。
壊さないで、と必死に訴える眼差しの真紅が大きく揺らぎ、悲鳴は喉奥で圧し潰される。
繰り返された淫靡なノックに甘く震え、ほつれかけていた扉が、
戦慄く濡れ肉を巻き込んで圧しひらかれ、未だ精の穢れも知らぬ子宮は、
其の最奥に至るまでを、雄の剛直で串刺しにされる。
己の身体の全てが、男の為の淫らな玩具に過ぎない、と―――
意志も感情も理性も、悲鳴も、嬌声も、生殖本能すら無用のものと、
破壊されてしまっても構わないもののように扱われて。
其れでも、猛々しい雄の先端がぐん、と子宮底を押し上げた瞬間、
背筋を駆け上ったのは苛烈なまでの―――快楽。
密着する互いの下肢をはしたなく濡らし、粗相のように溢れ出すあたたかい蜜液、
根元から食い千切らんばかりに、雄の樹液を絞り出そうとするように、
締めあげ、揉み扱く動きで雄肉に絡みつく雌の媚肉。
いま、己を穿つ雄が精を解き放てば、何処まで穢されてしまうのか。
本能的な恐怖すら悦びに変換されて―――
『聖女』の意識は、今度こそ昏く、深く、闇に堕ちる。
あとに残るのは淫らで憐れな、雌とも呼べぬ玩具がひとつ、と―――。
■ボリス > 少女の意志も、我知らぬ願いすら踏み躙るよう。
抉り貪る男は、しかし、己を誘い込まれる感覚をも得ていて。
ひとつ、確かなことは、少女の肉と『ナニカ』そのものが、香気以上に圧倒的な媚毒ということ。
「この私が――今止めろ、と言われても止まれないでしょう…っ
これほどとは…!」
喜悦の色。荒い息が、少女の身身元を犯すように擽る。
「わかって…おりませんね?
最早、私を食らおうとしているのは…貴女なのです!」
強烈な動きで刺し貫く。
最奥が。最も大切な部分が。つぶれるほどに押し上げられた後、中を埋め尽くされる異様な感覚。
しかし更なる衝撃は一拍を置いて。
「この私が!…喰われているのですよ!」
笑みを深く深く刻むと同時に――内部で、凄まじい熱量が渦を巻き。
淫靡の白濁液として、爆発するように放出された。
人間の「射精」と聞いてイメージされるモノよりも、量も、熱も、粘度も、段違いである獣のソレ。
「ふぅっ、うううゥーッ!!」
男の唸りも獣じみ。――長い長い射精を躊躇も遠慮も慈悲も無く、最奥に直接注ぎ込む…いや、ぶちまける。
粘性の放出音が、少女の体内を駆け巡る中――
「まだ搾ろうとは――ッ!」
射精しながら、子宮の中で、円を描くように大きな動きで肉槍を暴れさせた。
暴力的で破滅的な子宮姦淫を刻み込み、『聖女』…いや、希代の『毒婦』を性具として再定義する。
「これほどの力…あの偽聖職者どもがどうなるかも、見てみたいものですが…
暫しは、私に付き合って頂きましょう!!」
更なる陵辱。輪姦すら示唆する言葉と共に、出しながら犯し、犯しながら出す。
狂宴は続いた。
■アナスタシア > ―――深く、深く、刻まれた凌辱の記憶。
迸る灼熱に焼かれ、腹がいびつに膨らむほど注がれて、
其れでも―――未だ、もっと、と強請るように蠢く、雌肉は果ても知らず。
己、という人間其の物の意識が途絶えても、尚、玩具として。
或いは雄を貪り食らう、稀代の毒婦として。
―――解放されるのはいつのことか、そもそも、解放は訪れるのか。
其れすらも分からないままに―――夜は、未だ明ける気配もみせず。
『聖女』は罪の劫火に焼かれ、背徳の喜悦に塗れて―――堕ちてゆく、ばかりに。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート とある聖堂の地下」からアナスタシアさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート とある聖堂の地下」からボリスさんが去りました。