2016/01/04 のログ
ファルケ > 濡れた手が肌を擦る。
部屋の中にくちゅくちゅと響くその音を、わざと聞かせるように大きく立てる。

「趣味が悪い術師だな。それとも君の可憐さに目が眩んだか?
 誰あろう『君』を弄ったことが悪党どもに知れれば、首を取られかねんと言うに」

愉しげに喉奥で笑いながら、空いた左手がツァリエルの頬を、首を、胸を、滑ってゆく。
女の胸を探るように、手のひらが乳頭を柔らかく捏ねた。

「………………、」

半眼が、魔物の気配を察する。

「そら、いいところにばかり潜んでいるな。
 切り開いて取り出してやろうか。それとも掻爬してやろうか」

間近にあるツァリエルの額に、人差し指をとんと置く。
真っ直ぐに放たれる魔力が、脳の奥底に潜む魔物ただ一匹だけを灼かんとするように。

「……一匹はサービスだ。冷えた頭で、残りの魔物を飼うがいい。
 今日の芋虫らを見るに、急ぐ必要もなさそうだ」

ツァリエル > あぁ、と褐色の細い喉元を見せる様に上向いて喘ぐ。
どこを触れても悩ましげに声をあげるが、特に胸をいじればいやいやと首を振ってそのわりに嬉しそうに体を擦り付ける。
その胸から男ならばあり得ない乳白色の液体がぽたぽたと零れ落ち、感じていることをファルケに悟らせる。

「……んぅ……?」

額に指が当てられれば不思議な顔をしてみるが、やがて熱が引いて冷える様に理性を取り戻し自分の乱れようを自覚してああ、と悲鳴を上げて腕で体を隠そうとする。

「そ、んな……なに、なんでっ……。魔物って……」

他の部分に巣食ったそれはいまだに残ったまましつこく快感をツァリエルに伝え続けているおかげで、
未だ完全には熱がさめきらないようだ。

ファルケ > 「――ふ、は。魔物が居ることさえ判らぬか。
 知らぬうちに、根っから巣食わされたか?難儀なものだな」

小さく笑って、不愛想なほどあっさりとその手を陰茎から離す。

「名を――ツァリエル、と言うそうだな。
 わたしはファルケ。ただのファルケだ」

熱の冷めやらぬツァリエルの身体を抱いて、身を翻す。

「少し付き合え」

その一瞬ののち――いくらかの芋虫と、それらの死骸を残して、あとは無人。
余韻さえも残さずに。

ご案内:「ヤルダバオート内にある地下街の一室」からファルケさんが去りました。
ご案内:「ヤルダバオート内にある地下街の一室」からツァリエルさんが去りました。