2015/11/29 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート とある修道院の裏庭」にツァリエルさんが現れました。
ツァリエル > フラ=ニスの街から一時的に帰還が許されたのち
ヤルダバオートに戻ってきたツァリエルたちは
それぞれの修道院にて体の疲れを癒していた。

疲れもそこそこにとれたある日の午後、
落ち葉が随分と溜まっていたので箒片手に裏庭の掃除を始める。
これも立派な修道士としてのお勤めだ。

表の日がよくさす中庭と違って裏庭は建物の影になる場所が多く
今の季節だと少々肌寒く湿っている。
そんな場所へ来る人もなかなかいないだろう。
一人でせっせと落ち葉をかき集めていく。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート とある修道院の裏庭」にヴァイルさんが現れました。
ヴァイル > 「よう、ツァリエル。遊びにきてやったぞ」

その裏庭にひとりの人影が現れる。
気易い調子で声をかけたそいつは、暗色のトゥニカと頭巾を纏っていた。
典型的な修道服だ。

知らないものが見れば誰もが単なる修道女と思うだろうが、
頭巾からのぞく焦げ茶の三つ編みと、陰気で尊大な笑い方は
ツァリエルにそうではないと教えるだろう。
とても神聖なる由来のある場所に訪れるべき人物ではなかった。

ツァリエル > 声を掛けられたことに驚いて振り向くとそこには
修道服に身を包んだ見慣れぬ誰かが立っていた。
遊びに来たというその声と、焦げ茶色の三つ編みに
あっと声を上げて

「あ、遊びに来たって……どうしてここが?
 いえ、そんなことより……」

思わず箒を両手で握りしめ戸惑いと緊張に体が強張る。
ヴァイルと名乗るこの人間ではない少年には
初対面でひどい辱めを受けたのだ。
人を呼んで追い返してもよいのだが、また魔術か何かで
恐ろしいことをされてはたまったものではない。
相手の出方を伺うように見る。

「あ、あいにくですが僕は今掃除をしていて手が空いておりません。
 他をあたってください……」

ヴァイル > 名前と容姿、そしてヤルダバオートに在住していることさえわかっていれば
人一人を探すことはヴァイルにとってそう難しい話ではない。

「そう緊張しなくてもいいだろう。
 おれは話をしにきただけさ。
 
 この間も訪ねてみたんだが、生憎とおまえが見当たらなくてな。無駄足だったよ。
 奉仕活動にでも出向いていたか?」

ツァリエルの示す控えめな拒絶の態度に、構う気配もなく歩み寄る。
両手にはどこからか取り出したのかツァリエルと同じような箒とちり取りを構えている。
どうやら掃除を手伝うつもりらしい。

「さっさと終わらせればおまえも手が空くだろ?」

いけしゃあしゃあと言い放つ。

ツァリエル > 「この間……少し慰問隊としてフラ=ニスへ訪れていました。
 せっかくお越しいただいたときに申し訳ありませんでしたが」

すこしつっけんどんに言い放つことで言葉ほどには申し訳なくは
感じていないことを伝える。
ただ掃除を手伝うと言われれば驚いたようにその手の塵取りと箒を見て

「……そういっていただけるなら助かりますけど……
 いいんですか?それじゃあ……おねがいします」

少し気まずそうに、もじもじと掃除の続きを始める。
心なしかヴァイルから距離をとって。

ヴァイル > つっけんどんな声にも、取られた距離にも
何一つ感じるところのないように手にした用具で掃除を始める。
端から見れば、修道士と修道女が一緒に掃除をしている平和な光景でしかないだろう。

「フラ=ニス。戦地じゃないか。慰問ね……
 確かに欲求不満になっている兵士どもは多そうだが。
 ……おっと、おまえが慰問というからには、普通の慰問か、失敬。
 あそこはひどい場所だったろう?」

くつくつ、と肩を揺らして笑う。
喋りながらも箒やちり取りでゴミを集めていく。
それらの取り扱いに慣れている様子が、ひょっとすれば意外に映るかもしれない。

ツァリエル > ヴァイルの不躾なからかいに眉をひそめるも
そこに何か言い返すことはしない。

「慰問に普通も何もないでしょう……。
 ……ひどい場所でした。あんなにたくさんの死傷者や兵隊を見たのは初めてでしたし……」

それにあんなヒトをモノのように扱われたことも初めてだった。
思い返せば表情も暗くなり始める。

思ったよりもヴァイルが掃除慣れしていることに意外に思って
少しだけ後ろからその様子をのぞき見る。

「……掃除、お上手なんですね。
 それにしても僕にわざわざお話ってなにかご用件でもあったんですか……?」

ヴァイル > 「大方普通ではない慰問もさせられたかと思ったが。
 ともあれ、おまえの無事は喜ばしいよ。
 ……対ティルヒア戦線に限らず、殺伐とした世の中だ。
 おれとおまえが、明日には永遠に会えなくなっていてもおかしくはない。
 人の救世主はいつ訪れるのだろうな」

魔族には似つかわしくない乱れた世を憂うような台詞だが、どこか空空しさが伴う。
あらかたの落ち葉や埃を一箇所にまとめきる。
掃除は一段落といったところだろうか。

後ろから覗き込んでいたツァリエルの手を唐突にぐいと引いて、その身に抱きつく。
見かけ以上に強い力の抱きつきを、振りほどくのは少し難しいかもしれない。
どこか人懐っこい、犬を思わせるしぐさだ。

「だろう。昔やらされていたんだ。もっと褒めてくれたっていいのだぞ。
 ……愚問だな。おまえの不景気な顔を拝みにくるのに、特別な理由など必要ないよ」

顔が吐息のかかりそうなほどに近い。
ぐいぐいと身体を押し付けながら、小柄なツァリエルの金髪をわしゃわしゃと撫で付ける。

ツァリエル > 自分の無事を喜んでくれること、世の中を憂うような言葉に
意外だと素直に驚いた。おおよそこのヴァイルという人物からは
出にくそうな言葉だったからだ。

「……いつかきっとこの世をお救いくださる方は現れます。
 それは人だけでなくどの種族も等しく助けてくださるお方でしょう」

そうだといいのにと半分希望のような思いをのせて応える。
ヴァイルのあまりの手際の良さにかなりかかるかと思った掃除が
半分以下の時間で終わってしまった。
これには感心して素直にお礼を述べようとしたところで
ヴァイルにぐいと抱きつかれてしまった。

「わ、ちょっと!離してください……!
 不景気な顔って、僕そんな顔していませんよ!」

もがいてみるも離してくれそうにはない相手に
親しげに触れられると、なんだか居心地がそう悪くはないことに気づく。
顔と顔が近づけばなぜか気まずくなってそっと視線を逸らした。
相手の幽鬼のような冷たい体温に逆に自分は血が上って温かくなっていく。

ヴァイル > 「すべての種族、か。人も、ミレーも、……魔族も?
 はは、そりゃめでたい話だ!」

さもおかしそうに笑い声を上げる。

「ふうん? おれと話しているとすぐ顰め面になるじゃないか。
 ……あまりおれ以外の相手には見せないほうがいいぞ。
 心証が悪くなるからな!」

温かなツァリエルの肌を楽しむように、ますます身を擦り付ける。
襟元に指を伸ばし、強引に引っ張る。
そうして露わになったツァリエルの首筋に顔を寄せ――牙を立てる。
溢れる血。そしてかわりに流れ込む収め難い熱。

「――そんな救世主など、いくら待っても訪れないよ。
 この地に、神などとうにいないのだから」

一段低い、囁くような言葉。

ツァリエル > 「そうです、人も、ミレーも魔族さえも。
 すべてが救われたのならそもそも人々が争うこともないでしょう?」

笑わないでくださいとむすっとして反論する。

「あ、あなたが不躾だし何かと意地悪なことを言うから!
 別に他の人にはこんな顔見せません!
 ちょっと……離して……」

あ、と油断したちょっとの隙にヴァイルの冷たい指が襟元に伸び
服の襟口をくつろげる。
拒否するまもなく首筋に突き立てられる牙、痛みは一瞬、
すぐにそれは甘美な疼きとなる。

あっ、と以前あったときよりもよほど艶めいた喘ぎ声が零れ
ヴァイルを押しのけようとした腕がだらりと垂れさがった。
ゆっくりと力が抜けていく体に快楽に震える手足。

「そんな……神は、いらっしゃいます……
 地上にいらっしゃらなければ……僕たちの心の中に……っあ」

ヴァイルの囁きに目じりに涙と朱色をのせて反論する。
だが血を吸われるごとにもじもじと身じろぎし、首筋を差し出そうとしてくるのは気のせいか。

ヴァイル > 「ならおれはおまえの不機嫌な顔を独り占めできているということか。
 うれしいことを言ってくれるな。
 離さないよ。……おまえから離れてみてはどうだ?」

もちろんそれを許すほど、ヴァイルの腕の拘束は弱くはない。
脱力するツァリエルの身体をしっかりと支え抱きとめながら、
溢れだす血を舐めとっていく。

「随分と慣れた調子で受け容れるな。
 淫蕩の味を覚えたか?」

差し出される首筋ににぃと笑みを作り、
先ほど穿った牙の痕に舌先をぐりぐりとねじ込む。

「どこまでも教典通りの台詞だな。
 おれはおまえの心からの言葉を知りたいんだよ。
 無意味な殺し合いを続ける人間どもが、お前をかどわかし売ろうとした人間が、
 神の名前を覚えていると思うか。忘れられたものなど、いないも同然だ」

胸の前に回した手、中指に嵌めた硬質な真鍮の指輪で
ツァリエルの胸の先端を探り、ぐにぐにと押し付ける。

「おまえも同じさ。いまこうして、神を忘れようとしている」

ツァリエル > 「……変なこと言わないでください……
 だって、ヴァイルさんがそんなに強く抱いたら、逃げられないじゃないですか……!」

う、と呻きながら多少ヴァイルの腕の中でもがいてみるものの
もちろんそんなことで解放されることも無い。
舌先で首筋をつつかれ、舐め上げられればひゃあと嬌声を上げて背筋をそらす。

「なんで……なんで僕なんかに構うのですか……っ。
 僕なんかただの普通の人なのに……!

 ……例え、それらの人々が神の名前をお忘れになっていても……
 その代り、僕が神の名を覚えて彼らの分まで祈りを捧げます……ふっ……
 我ら罪深きマグメールの子……っその罪を許したまえと……!
 い、今だって、別に……神様のことを忘れているわけじゃあ……!」

ヴァイルの冷たい指輪が胸先に押し付けられ、その冷やかさにぞくぞくと肌が粟立つ。
興奮と刺激によってぷっくりとたちあがったそこをいじられれば
女のように善がって股の間をすり合わせた。
ふーふーと口元を必死に抑えるがすっかり体の快感に、従順になりかけていた。

ヴァイル > 弱すぎる抵抗を楽しむように、時折力を緩めてはまたきつく締め付ける。

「そんなお仕着せの信仰に、何の意味がある。
 おまえたち人の子を羊のように飼いならす常套句を、いつまで信じるつもりだ。
 神の名を用いて人を家畜に仕立てあげるとは、魔族のように邪悪だな!」

ツァリエルというよりは違う何かに向けられた、吐き捨てるような言葉。

「ならばおまえは神の存在を近くに感じながら、
 こうして快楽に咽いでいるというわけだ。
 そのほうがよほど背徳な行いに思えるがね」

抱く手が、太腿、そして尻へと回り、さわさわと撫でまわす。
不意に指先をぐい、と尻の裂け目――後孔を服の上から強く押し付けて突く。
こちらでも感じるのかどうか、反応を伺おうと試みる。

ツァリエル > 吐き捨てられた神への不敬の言葉に、どうやらヴァイルという人は
神様があまりお好きではないのだということを悟る。
どうしてそこまで憤るのかはわからないが……。

「魔族のように邪悪だなんて……なんてことを!
 どうして、どうしてそこまであなたは神を貶めようとするのですかっ……」

身体のいたるところを責められ快楽に思考の邪魔をされながらも
それだけをなんとか振り絞って叫ぶ。
ふいに太ももから尻へ、ヴァイルの冷たい手が這うといやいやと首を振った。
何かを探しているようなそんな手つきがことさらいやらしい気がして
思わず手を払いのけようとしたその時に、後孔をぐいと強く押された。

「ひ、ぎぃ……っ!?」

最初に痛みが、続いてびりびりと尾てい骨を震わせるような快楽が
じんじんと響いてくるとついに足から力が抜けてがくりとなった。
何が起こったのかわからないようで、ぐりぐりと押し付けられた部位を戸惑って見ようと振り返る。

「な、ぁ……なんでっ……なにこれぇ……」

触れられたその一瞬で股の間の屹立が萎えるどころがさらにぴんと張り詰めたようだ。

ヴァイル > 「はは。やはり素質があるらしい。
 雌の悦びも知っておいたほうが、人生愉しいぞ」

尻をいじられて明らかに快感を覚えたツァリエルの様子に目を細める。
ツァリエルの身体に腕を絡めたまま、修道院の壁際へと足を運ぶ。
痛みを和らげようとするように、とうに出血の止まった首筋に口づけを落とす。

「おれが貶めたのは神ではない。……神を僭称するものと、
 その教えを盲目的に伝えるものどもだ。
 言ったろう。神はいないと」

そう告げる声には先程まであった苛立ちのようなものはかげを潜めていた。
人差し指を自分の口に含み、唾液で湿らせる。
そうして、今度は下肢を包む服の下に直接指を忍ばせる。
冷たい指が白蛇のように踊り、尻臀のすべすべと柔らかい感触をしばし味わったのちに――
探り当てた後孔へと、ずに、と無慈悲に侵入させた。

「――そら。おまえが、今、どうされているかわかるか?
 おまえが、どのようにして情欲を奮い立たせているか、わかるか……?」

囁くような声で、ゆっくりと、語りかける。
人の身には媚薬として働きもする《夜歩く者》の唾液を、
腸壁にまんべんなくなすりつけるように、内側を指で掻き回しながら。

ツァリエル > 「素質って……やだ……これ以上、変なのやだ……」

自分の身にこれ以上淫らなことを教え込まれて変えられていくことを
畏れる様にヴァイルにおびえた目を向ける。
抗うこともできず、修道院の壁へ両手をつけてヴァイルのほうへ背を向け
下半身を突き出した。その背後から彼の冷たい口づけを受けてぞくりとする。

「か、かみさまはいます……!きっと、こんなことをするあなたにも
 僕にも……っ罰が……きっと罰が……!」

弱弱しい反論も尻へと手を伸ばされれば押し黙るほかない。
少年らしい肉の薄い小さな臀部の間、そのすぼまりへと指を差し入れられれば

「ぎ、い!ふ、ぁ……!やら!やめてっ……そこ、汚いからぁ……!」

指から逃れる様に腰を引こうとするがそれでも逃れられず頭を振って涙を散らす。
排出するだけの穴にこうして無理やり突き入れられていることが信じられない様子でその感触に脂汗を流した。

「わ、かんにゃっ……!も、やだ……たすけてぇ…かみさま……!
 んあぁっ、うごか、さ、っあ!うごかしたらっ……だめぇ!」

だんだんとヴァイルの指を食んでいる肉壁がきつい締め付けから徐々にゆるく
ぬめってくる。唾液による媚薬効果と腸液がにじんできたことによるものか
しばらくかき回してゆけば頑なだったそれが柔らかくなってくるだろう。
見ればツァリエルの顔もいつの間にか苦悶の表情から舌を突き出し
だらしのない蕩けたものに変わっていた。

ヴァイル > 「罰か。
 それならおれと一緒に受けてみようぜ。きっと愉しいぞ」

にち、にち、と指で肉の壁を広げるようにしてほぐす。
とろんとした被虐者の表情、柔らかくほころんだ尻穴の心地に
満足気ににんまりとした笑みを浮かべた。

湿った音を立てて、腸液と唾液の糸を引きながら、
ツァリエルの熱に茹だった指を引き抜く。
お誂え向けに尻を突き出した姿勢のツァリエルの下衣をつかみ、一気に下ろし、露出させる。

背後で、何かするすると衣擦れのような音が立った。
ヴァイルが自分の修道服のスカート部分をたくし上げているのだが、
壁に向かうツァリエルにはわからないだろう。
それが止むと、女のように細い腰を両の腕でしっかりと掴む。

神に助けを乞う声に、ただ静かに聳えるだけの、修道院の壁を一瞥した。

「神はその墓穴の下さ」

刹那、ツァリエルの後ろの蕾に、ずん、と、硬いものが突き入れられる。
指にしては太すぎるし、そもそも指を挿れられる体勢ではない。
なにより、灼けた鉄のように熱すぎた。

ツァリエル > 共に罰を受けることなど真っ平御免だというように弱弱しく首を振る。
指が引き抜かれる時一際強く排泄の快楽を感じて甘ったるく呻く。
もはやヴァイルに何をされようともしばらくの間は疼く情欲に焦がされて
抵抗などできようがない。素直に下衣が下ろされようとその腰がつかまれようと
おとなしくされるがままだった。
ただもう次に何をされるのかが恐ろしく、そして奇妙な待望があった。

「あ、う、ぐぅっ!」

自分の後孔の中に何か強い衝撃が起こって思わず痛みに悲鳴を上げた。
無理やりこじ開け割開かれるような痛みと苦しみ。

「か、はぁっ……やめっ、いた……くるし……!ぁあっ!
 ヴァイルさっ、やめてぇ!これ、ぬいてぇ!!」

何が差し込まれたかなどわからず、ただ熱く固いものを後孔で喰いしめ
感じながら修道院の壁に爪をたて、必死にこらえる。
がくがくと足が震え、その太ももに快楽の先走りが数滴滴り落ちてこぼれた。

ヴァイル > 「抜くものか」

ツァリエルの懇願する言葉を冷たく拒む。
ぴっちりと尻穴に食まれたそれは抜ける気配など当然なく、
最も居心地のいい場所を探すかのように、ツァリエルの肚の中でぐにぐにと蠢く。
きつく締め付けられれば、それに呼応して先端部分が膨張し、さらに痛みは増すだろう。

ツァリエルの背に覆いかぶさるように体勢を変える。
腰から胸へと手を滑らせ、軽く掌で撫でながら、耳元でとろかすような声で甘く囁く。

「ほら、もっと力を抜け。それでは痛いだけだ。
 おれは気持ちいいよ。一緒に気持よくなろう。なあ、ツァリエル……」

肛門に挿入されたそれが一度引かれ、さらに再び奥へと掘削するように打たれる。
ずちゅ、ずちゅ、ぐにゅ、と肉の内側をかき混ぜる淫靡な音。
ぱん、ぱん、と汗ばんだ素肌に素肌が叩きつけられる音。

「ツァリエル! 声を上げてみろ。ツァリエルっ、ツァリエル……!」

ヴァイルの息が乱れる。
彼の屍人のような肌は、いつしかツァリエルと同じ温度となっていた。
少年の名前を呼ぶ声は高圧的だが、どこか愛おしげでもあった。
それを汲み取る余裕が、ツァリエルにあるかどうかはわからない。

ツァリエル > 「ふ、ぐぅ……っやだぁ、も、うごかさな、でぇ……っあ、う……」

抜くのが駄目ならせめて動かないでもらいたいが
そんなのお構いなしにヴァイルはぴったりと体をよせ
尻に埋まった何かをぐにぐにと蠢かす。
さらにそれが固く大きく膨れ上がるような感覚が中から伝わってきて
ひ、と喉をそらして青ざめた。

「ち、ちから、ぬけって……わ、かんなぃひぎっぃ!
 こわいよぉ……ゆるして……も、やだぁ……」

ついにべそべそとみっともなく泣きだし、甘く囁くヴァイルの声にも
首を振ったが胸や腰を撫でられれば過剰に体をくねらす。
そしていつしか始まった自分の中をえぐりかき回すような動きに
上半身を壁へ押し付けられながら必死に爪先立ってそれを受け入れる。
せめて痛くない様にと自分からなんとか位置を動かすが
そうしているうちに動きの激しさから吐息と喘ぎ声がひっきりなしにこぼれ始めた。

「あっ、あっ、んっ、ふ、うっ……ヴァイルさっ……あっ、あ、あ、あつい……っ」

いつの間にかぐちゅぐちゅとかき回され叩きつけられたものに自分の内側の
何かを触られると蕩けるような気持ち良さが沸き立ってきた。
無意識にそこにつきこまれるように腰を動かして誘導すれば
一際大きな快感が背骨を伝って脳を焼く。

「きもちひぃっ!らめっ、そこ、だめっあ、あ、きもちいいよぉ……!」

もはや普段のおとなしい気性などなかったかのように頬を紅潮させ
自ら熱く昂ぶったそれをむさぼるように腰を振り、
舌を突き出して女のように鳴いて喘いだ。
ヴァイルの声に呼応するようにあんあんと喘ぎ、先ほどまで遠ざけていた
相手に蕩けた視線を横目で送る。
ヴァイルの息が上がっているのが、自分の名前を呼ばれるたびに
ツァリエルの内側が大きくうねりきゅっと締め上げた。

ヴァイル > 「そうか。気持ち良いか……
 おれのが熱いか。
 ふふ、おまえのも、熱いよ……中で、融けてしまいそうなぐらいに」

満足気につぶやき、頷く。

指図してもいないのにツァリエルが自ら腰を振りくねらせれば、
ヴァイルは唇を噛んで声が漏れるのを堪えた。
ふぅっ、と強く息を吐く。
窘めるように、胸に伸ばした手で、胸の突端をきつく抓りあげる。

「は……っ。
 どれだけいやらしい顔を見せているのか、わかっているのか。
 鏡で見せてやろうか」

ツァリエルの情欲に潤んだ目と、ヴァイルの紅く揺らめく目が合う。
《夜歩く者》の相貌は、あくまで石膏のような白さを保っていた。
二人の呼気と体熱が、修道院の影の下で混ざり合う。
抽送はいよいよもってペースを増していく。
肉壁を削り取らんとするばかりに激しく。
否応なしに、決壊の近いことを予感させる。

「ツァリエルっ! 出すぞ、受け止めろ……!」

どくん、とツァリエルの中で大きく脈動する。
挿入されたそれが小刻みに律動するとともに、本来排出にしか使われない肉の筒に
熱くどろどろとしたものが流し込まれていく――

ツァリエル > 胸の突起をその冷たい指で抓り上げられればびりびりとした
痛みと刺激に背をそらせて喘ぐ。
激しい快楽になおさら無意識に腰を振り、いれられたものをもっと奥へと
引き入れようとしてすぼまった。

「わかんない……もぅ、わかんにゃいよぉ……ぃぐ、っあ
 ごめんなさいかみさまっ……ごめんなさいぃ……んぁ……っ」

いやらしいと言われた顔を腕で覆うようにして壁の影に隠そうと俯く。
ちらりと盗み見たヴァイルの目、その赤さと肌の白さがいやに際立って
頭の中でちかちかとまたたくような気がした。
あまりに激しい抽送にもはや壁にへばりつくように身を寄せ
その衝撃を必死に震える体で受け止める。

「ひぁ、出っ、でるって、なにっあっ?!やだ、くる、きちゃうっ……!!」

自分の中で貫いていたものがふいに大きく膨らみ脈動を感じると
ぎゅうと無意識にそれを締め付け衝撃に備えようとぐっと銜え込んだ。
中がはじけたと思った。張り詰めたなにかが飛び出る様に自分の中へと注ぎこまれ
どろどろと腹の奥を、内部へと染み込んでゆく……。

「っ!あ、あっうぁ……~~~~っ!」

あまりのその熱さに腹が、体がぶるりと震え、ツァリエルの視界が真っ白にはじけた。
目を見開き、涙と涎を零して快感に打ち震えるといつの間にか股の間から
ぽたぽたとツァリエル自身の精液が零れ落ち、壁と地面を汚していた。
立ってはいられないほど消耗した体をなんとか壁にすがって快感の波をやり過ごす。

ヴァイル > 「………………」

肩で息をする。
再びツァリエルの腰に手をあてがい、ん、と小さく声を出しながら
ぬかるんだすぼまりからずるり、と挿れていたものを引き抜く。
栓の役割をしていたそれが外れれば、ヴァイルの放った白く濁る泥濘が
どろりと溢れだして尻を汚す。

壁や地べたにツァリエルの汚濁がこびりついているのを見て、
同時か、ぞくぞくするね、と笑う。

そうして壁にすがってうずくまるツァリエルの姿をしばし眺めていたが。
ふと我に返ったように、自分の衣服を整え、出していたものをしまう。

「……なぜ自分なんかに構うのか、と言ったな。
 ツァリエル、おまえには、王者の相がある。
 名君か暗君か、それはわからぬがな」

言葉にからかいの色はなく。
二度にわたっての吸血、その味。由緒の無い平民や奴隷のものではない。
……そう判断するに至った理由は、それだけではなかったが。

「この世界に神がなく、救世主も訪れないのだとして。
 その無限の虚無の中、われわれはどうするべきだと思う?」

澄み渡る声。
一連の言葉は平静としていて、普段の傲岸さすら伺えない。
意図の掴み難い問いかけの答えを待たず、焦げ茶髪は金髪に背を向ける。

ツァリエル > 支えを失ってツァリエルの体が地べたへと崩れる。
ぺたりと汚された尻と自分で汚したものに座り込み
ぐすぐすと顔を覆って泣いていた。

何が起こったのかわからないまま熱の余韻に震え
その波が引いてしまうまでひとしきり泣くと涙に泣きはらした顔で見上げ

「ヴァ、ヴァイルさんは……ぼくがきらいなんですか……?
 こんな、こんなことばかり、してっ……」

ヴァイルの問いかけよりも先にそう尋ねた。
続く自分に構う理由については眉根を寄せて

「そんな、そんなのウソです……。
 王様なんて、僕、ただの修道士だから……」

相手の声にからかいの色がなくともそんな話安々と信じられるわけがないと首を振った。
きっと浮かれた自分に冷や水を浴びせかけるための前準備だと。
続いて尋ねられた問いかけの難しさにしばし言葉を止めて黙り込むが
ヴァイルが背を向けたところで帰ってしまうのかと慌てて呼び止めた。

「わ、わかんないです!けどっ……けど、神様が信じられなくても
 救い主が現れなくても、僕ら生きていかなくちゃいけないでしょう?
 ……生きていかなくちゃならない者同士で、助け合っていくべきだと、思います……」

自信がなさそうにそう答えるが果たしてヴァイルの耳に届いたかどうか。

ヴァイル > 「……嫌い?
 ふぅむ。おまえには、そう見えるのか。
 興味深い考えだな。……」

ツァリエルの嗚咽混じりの声に、首をかしげる。
どこか他人事のようにそう返すだけで、彼の疑問に答えることはなかった。

「羊が健気に身を寄せあっても、毛を刈り取られるだけさ。
 吊るされ捌かれ火にくべられるための生を望むか、無知蒙昧の人の子よ」

冷たくせせら笑うような声。

「……幼いおまえには難しすぎたな。
 少し話が過ぎたようだ。じゃあな、また遊びに来るよ。まどろむ獅子様」

背を向けたまま、軽薄に手をひらひらと振る。
そうして、ツァリエルをひとり残し、《夜歩く者》は裏庭から姿を消した。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート とある修道院の裏庭」からヴァイルさんが去りました。
ツァリエル > 彼の問いかけに満足のいく答えを返せなかったとわかると
恥ずかしさから頬を赤らめて俯いた。
幼いなどと……そういわれることにも嫌な気持ちを感じたし
難しげな言葉でお前は頭が悪いと言われれば
なんとも傷つく話だった。

すっかり情欲の熱が冷めてしまえばあとは日陰に冷たい風が吹き込むばかりで
寒さに身を震えさせ、くしゃみを一つしてから
よたよたと裏手の井戸へと身を清めに歩きさった。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート とある修道院の裏庭」からツァリエルさんが去りました。