2022/09/14 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にクレイさんが現れました。
クレイ >  
 そんな鉄格子越し、やってきた男がこの奴隷小屋の主人と一緒にやってくる。その雰囲気はまさしく村を襲った連中と同じ。つまりは戦争を生業としている者の所作だ。
 常に周囲を警戒しながらもどこか達観したそんな目をしている。
 あいつか? なんて主人に聞けば黒いの、こっち来いと呼ばれるだろうが。

「ああ、いいよ別に」

 喧嘩を売りに来たわけでもないし、そういう暴力的な意味での奴隷を求めているわけでもない。
 主人をシッシッと追い払えば。
 鉄格子を開いて近くに膝をつく。

「よう、少し交渉をしに来たんだが。興味ないか?」

 だがその声はいつも来るような客とは少し違う。
 1夜だけの相手を買いにくるような。所謂レンタルとは少し違う様子の声。
 どこか優し気にも感じるような声だった。

アキラ > 「…………」

(誰か来たのは気づいているが、自分からは顔を挙げない。会話は聞こえているが、都会の人間の会話は時折わからないしどうせ自分が知っても関係ないのだからと聞き流していれば。)

「………」

(ゆるりと顔だけ上げ、睨みつけている、怒りというより警戒心。けれど怯えも見えない、真紅の瞳はそんな鋭い視線を向け)

「……コホッ……ん゛…んん……コーショー?交渉か……それは、そこのテンシュとすればいいだろう?」

(久しぶりに声を出したので声が出づらく咳払い一つ。何を言っているんだこの人間は?とでも言いたげで。それに、自分たちの村を滅ぼした人間の軍に居た連中と雰囲気が似ている。気に入らない)

クレイ >  
「まぁそりゃもっともだ。でもそれは交渉とは言わない売買って言うんだ」

 奴隷なのだからこちらが買うといえば店主は売る。それじゃ意味がない。
 肩をすくめて見せて。

「こっちとしてもやる気が無かったり適当にされると迷惑だからな。お前にその気があれば。という前提で店主に買うって伝えてんだ」

 つまり交渉という名の採用面接みたいなもんだよと。
 というと、鍵を見せて。

「とりあえず手かせと足かせを外す。歩きながら話そうぜ。こんな場所で縮こまってても話しなんてしにくいだろうし」

 といえば手かせ足かせを簡単に外してしまう。襲われるとか逃げられるとか心配しそうな物だが、それをしないというのはそれだけ実力に自信があるからで。
 同時に売却前の奴隷の鍵を渡すというのはそれだけ店主に信頼されている人物。もしくは知り合いという事の証明でもあるわけだが。
 そうすれば立ち上がってこっちだと鉄格子の外へと呼んで。
 警戒されている。というよりどこか嫌われているのは感じていたが、気にしない。そんな感情は慣れっこだ。

アキラ > 「………なんらかの……仕事ということか?」

(相手の眼を見据えながら黙って聞いたあとにつぶやく。年齢の割には硬い喋り、本来のものというよりは長の娘としての、今は一族の生き残りなのだから自分が長といえなくもない。そんな代表としての口調で)

「話せと言われれば話すが……気に入らなければ戻って良いんだな?」

(手枷と足かせを外すならそれは素直に受け入れる。どうせ魔力封じの首輪が外されなければ、見かけより多少運動能力の高い子供でしかない自分には。おそらく戦う職業である男に大した抵抗はできないだろうと。立ち上がれば、尾を振って身体のホコリを払うようにし。軽く伸びをする。そのまま言われるままに付いていき)

クレイ >  
「ああ、勿論だ」

 周りのやっかみが出るといけないというのもあっての連れ出し。とはいえ、あまり良い治安でもないので散歩というほどでもない景色だろうが。
 店から少し離れれば。

「交渉ってのは、簡単に言えば仕事の手伝いをしてほしいって話だ」

 と話を切り出す。

「俺は傭兵と兼業で教師をしていてな。ぶっちゃけて言うと手が足りてねぇ。書類整理して、依頼回収して、戦場で暴れて子供に戦闘術叩き込んで。無茶だ」

 おかげで最近色々と問題が出ていてなと肩をすくめて見せる。
 実際全部を両立させるなど不可能にも等しい。学校の方は他の教員にヘルプに入ってもらう等で対応するのがやっとだった。

「で、書類整理と依頼回収ができる奴隷を探して知り合いに聞いたらお前に行き当たったわけだ」

 安い奴隷ではそれこそ教育を受けていないのもゴロゴロいる。教育を受けていると今度はかなり高額になってしまう。
 丁度都合がついたのが彼女だった。そんな訳だ。

「ま、いきなり今日の今日に答え出せとはいわねぇよ。もし乗る気になったら店主に伝えろって言ってあるしな。それまでは今まで通りだ」

 他の奴に買われたら諦めるさと少し残念そうにして。露店で肉の串焼きを2本買う。
 1本食うか? とそちらに差し出して。

 

アキラ > 「………お前、その見た目で教師なのか?……」

(相手が話し終わるまでは特に何も言わず、動かしていなかった手足の具合を確かめるように握ったり開いたりしていた。しれじゃら冗談でからかっている風でもなく、真顔で素直な感想を述べる)

「…………………」

(少し、考え込んだ風にしていれば串焼きを差し出され。素直に受け取り、食べる。旨い、久しぶりにある程度新鮮な肉だ。1人だったら顔がほころんでしまっただろう、泣いてしまうかもしれない。けれど今は表情には出さず)

「……ぼくは……この国の読み書きができない……」

(串焼きを食べ終えて名残惜しそうに串を加えながらため息のあとにつぶやく。断るとでも言いたげな言葉から)

「なので、それを理由にあのテンシュに根切り交渉だ。それと君の肉も寄越せ……それで手を打とう」

(それだけ仕事がアレば、それなりの裕福さはあるだろうけれど奴隷というのは安い買い物ではないようだ。少しでも自分の待遇が良くなるように、串焼きを食べながら考えた結論だ。ちなみに、読み書きは完全ではないが割とできる。残りは少し勉強すれば十分だろう、一族でも賢い方だったのだ。)

クレイ >  
「アッハハ! まぁな、戦果上げたらその技術を未来の子供たちにも~ってな」

 スカウト受けたわと笑う。自分もこの風貌で教員とはとても思えない。
 とはいえ、教員の中には何人も殺してるだろこいつみたいな目をした人もいるわけで。

「ま、読み書きは後で構わねぇよ。とりあえず酒場回って俺宛の依頼を回収してくれればそれだけで大助かりだ」

 実際それだけで半日以上がぶっ飛ぶのだから厄介な事この上無い。それをしてくれるだけでも十分すぎるほど十分だ。
 だが、その後の反応を見れば少しだけ意外そうな顔。

「へぇ、てっきり俺みたいな人種は嫌ってると思ったんだが」

 ここにいる異人種など十中八九、人に襲われた類だ。最初の反応で猶更それで確信していた。なので自分みたいに戦場を走ってる奴が嫌いではないか。
 そう思って今日じゃなくていいと言ったのだが。

「ま、とりあえず値切り交渉は乗った。ほら」

 と肉を差し出して。

「じゃあ、値切り文句思いつくまでブラつくか。色々と聞きたい事もあるしな。とりあえず俺はクレイだ。お前は?」

アキラ > 「適当に難癖つけて安く買って気持ちでも僕の待遇を良くしてくれると助かる。」

(もう一本受け取った肉は旨い。満足気に食べながら)

「思うところはあるがな……まず君は強そうだ、それに仕事もくれる、それで住居もくれるのだろう?それは負けたにしては破格の待遇だ……人間には一族を滅ぼされたが君たちではない……そもそも、人と魔族はお互い殺し合ってるんだ……それを恨むのは筋が違うだろう……そもそも、適当な性奴隷でもまともな食事と清潔な寝床さえあれば万々歳くらいに考えてたところに渡りに船だよ……」

「アキラだ……まぁ好きに呼んでくれよ……マスター?ご主人?ごご主人様?旦那さま?どれが好みだ?」

(クレイのことはなんと呼んだものか少し考えてから。結局決まらなかった。あとご主人さまとか言ってる割に喋り方は偉そう)

クレイ > 「オーライ、難癖は得意分野だ任せておけ」

 とんでもない自慢にもならない事を言う。
 実際は逆に難癖をつけて自分を高く売りつけるのが得意なのだが、逆でもそこまで変わらないだろう。
 彼女の言い分を聞けばうなずいて。

「聞いてた以上に頭良いな、そこまで割り切れる奴は少ないぞ」

 頭でわかっていても心が拒む。そいうのが往々にしてある中彼女は相当頭が良さそうだ。
 もっと高値で売ろうと思えば売れるレベルのはずだ。

「まぁ、住居ってほどの物じゃないけどな。そもそも家なんて持っちゃいない。だから月にいくらって給料渡すからそれでやりくりしてくれって感じだ。節約して次に良い思いするもよし、空いた時間で働いてお金を増やすもあり。まぁ最低限の服とかは買うが、おしゃれしたきゃ自分で買ってくれ」

 なので本当に奴隷というよりも仕事に就くという方が表現として近いのかもしれない。
 服を買うにしても制服を支給する店は多くある。
 呼び名を言われれば。

「クレイで構わねぇよ。マスターとかご主人様とか。痒くなる。そもそも学校とかに書類を運んでもらうのにご主人様なんて呼ばせたら色々とよくねぇし。だから奴隷ってよりマジでお手伝いとして雇うって感じだな。傭兵助手だ」

 流石に先生が堂々と子供を奴隷にしてます! とか問題も問題だ。
 

アキラ > 「買い取りならなるべく安く買われたほうが厳重な警備のある金持ちとかに買われるより逃げやすそうだしね……」

(そんな算段、というか想定はいくつもしてあったとばかりに。)

「十分すぎる待遇だな……こちらも話の分かる合理的な人間で良かった。人間はすぐにシュキョーやらケッコンやらなにやらで訳の分からない感情論を並べ立てるからな、昔捕虜にした人間も繁殖用として生かしてやるし家族として扱うというのにすぐ「クッ殺せ」とか言ってくるしわけらからん……」

(どうやら根本的に高い文明の社会とは価値観が違う環境で生きてきたようだ。)

「ではクレイ……今日のところは風呂と食事と寝床は君のおごりということでいいのだろう?」


クレイ > 「ハハハ! 堂々と逃げやすそうとか言い出す奴隷は初めてみたぞ。ま、待遇自体は十分すぎる位には良いつもりだが……食費だけは多めの方がいいかもしれないな」

 
 さっき肉の串焼きを持って行ったのを見ても食事はそれなりに好きと見て、そんなことを言う。
 合理的と言われれば肩をすくめる。

「当然。傭兵が合理的になれなかったら終わりだぜ……って、お前らもやる事やってんなぁ」

 なるほど割り切ったのはそういう事かと。
 同胞の人間が飼われていたと聞いても別に反応を返さない辺りこちらもこちらで色々と問題かもしれないが。

「ま、宗教も結婚も別に好きにすればいいってスタイルだからな俺は。最低限仕事だけしてくれりゃそれ以外は必要ねぇよ」

 性奴隷として買うのならそういう店に行く。だからわざわざ奴隷を雇ってするようなことでもない。
 結婚など息苦しい。宗教なんてやりだしたら間違いなく悪に振り切れた生活だ。
 だからその辺は心配ないと。
 奢りと言われれば。苦笑い。

「目ざといなぁ。その内交渉も任せていいかもな。ああ、その通りだ。今日は俺の奢り。明日ここを発つ時に給料を渡す……ああ、後」

 とポケットから古ぼけた鉄の指輪を見せる。
 剣の模様が刻まれた代物だ。

「こいつはまぁ、俺の関係者って証だ。俺の依頼回収をするなら必須になるから渡しておく。ペンダントみたいに首からぶら下げておけばいい」

 ついでにクレイの関係者としれれば貧民地区を歩く時も傭兵や衛兵に襲われる事はなくなるだろう。
 まぁ、最低限の自衛は出来そうだが。
 とりあえずそれを差し出して。

「で、どうするよ。もう少しブラついて適当にお互いの情報交換をするか、もしくは戻って値切り交渉して宿に行くか」

アキラ > 「奴隷になったぐらいで絶望するほうがどこか頭がおかしいんだ。僕らの村では人間は全員が独自の麻薬中毒なんじゃないかって話まで出てたぞ?……なるほど、君たちみたいなのを傭兵というのか……そのへんは勉強だな……」

(そういえば人間の軍にも統率がとれたのや好き勝手やるのもいたなとか、喋りながら人間社会を学習していく)

「ふむ……人間は婚姻の証に指輪を送ると聞いたことがあるな……そういうのとは違うのか?……」

(話の流れからいきなりケッコンの申込みもないだろうと思うけど。とか言いながら受け取った指輪、とりあえず指にはめてみるがブカブカだ。何度か試してとりあえず親指にはめた)

「ここまで言っておいてなんだがこの辺は絶望の匂いが辛気臭くて叶わないよ……僕はさっさと風呂と宿をお願いしたいね。」

クレイ > 「まぁどうしてもそういうイメージはあるからなぁ。というか良い相手に買われないと絶望だぞ。俺もガキの時に戦場でとちって魔族に飼われてた時期あったが……色々と地獄だった」

 まぁ今となってはお陰で性技に詳しくなったので問題がないのだが。
 婚姻の証と言われればブハッと噴き出して。

「そういうのはもっと綺麗で宝石の付いた指輪だ。婚姻でそんなきったねぇの渡したら相手に殺されるっての」

 そもそも俺も師匠からもらったやつだしと少し笑った後に。
 ふむと頷いた。

「了解、じゃあ一旦店に戻って値切り交渉だ……ああ、店主の前じゃ少しお前をボロかすに言うけど。その辺は勘弁な?」

 先に謝ったぞと言いながら店へと戻るだろう。
 そうして店に戻れば色々と難癖をつけて安く買い取りそして気持ち程度だが月の給料を上げた事だろう。
 そうして夜には宿に行きゆっくりと休み、この街を発つ。向かう先は王都。

アキラ > 「そういうものか?かっこいいと思うけど。」

(しげしげと指輪を眺める。契約著言うのがなんとなく気に入ったようだ。)

「後で旨い肉でも食べさせてくれれば許してやる」

(油断すればすぐ漬け込んでくる、会ってから初めて不敵に笑みを浮かべた。一応、ジョークのつもりらしい)

「なぁ、ところで人間と魔族が子供作ったらどっちの種族が生まれるんだ?そもそもできるのか?」

(そんな話をいきなり打ち込んだりしながら、店主の前ではしっかり神妙に、ついでにガタガタ震えて怯えたような演技までしていただろう)

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からクレイさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からアキラさんが去りました。