2022/02/21 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 時期は冬 雪が積もっていなかっただけに奴隷市場という大きな商いを中心に
このバフートは今も息をしている
例え降り積もっても活動場所が馬車の中 家屋の中に代わるだけであり
地獄は地獄のままだろう

この時、夜は低く身を構えた白ではなくやや赤みがかる月が顔を出す頃合いだった。


「……。」

メイラは、珍しくバフートに身を立てていた。
姿はいつもと変わらない黒い生地で全身を覆う姿
唯一違うのは、ロングスカートスタイルの、欠片だけでも令嬢という気質を残していたそれは
ホットパンツタイルへと変わることで、コートを身に着けていようと 外していようと
娼婦か身を少し高くさせた剣持ち程度にしか見えないこと。
七分袖に折り捲っている手首から二の腕の露出部位は、黒線画の婀娜比べが顔を覗かせている。

何処から見ても貴族には見えないだろう姿なれど
ギザ歯や赤い瞳 大小ニ刀を腰に差した姿でバフートを徘徊するメイラは
休日の出かけのように身を緩めている処か、全身から抜き身の刃のようにギラついたものを出している

こういった輩は、探し物をしている物騒な者 というのがこの世界の常だろう
それが薄暗い天幕の中へ誘う者でも 桃色を通り越した吐き気のするような身売り街中だろうと
声をかける者は少ないのは、かぎ分けるものを忘れていないから。

メイラは、心を自制させているかのように、時折腰の柄頭を撫でていたり
もしくはその鍔を ヂンッ ヂンッ とまるで気軽にペンの背をノックしているかのような行動で
気を紛らわせていた。

その剣をいじる仕草が 身なりが好かろうと 垢の臭いをさせていない身綺麗さを感じさせていようと
腰のものが珍しかろうと 身を乗り出す奴は現れない。