2021/09/18 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にラッツィオさんが現れました。
■ラッツィオ > オークション会場は、多数の客でごった返していた。
本日のオークションで取り扱われるのは、ただの奴隷ばかりではない。
世にも珍しい――それの何が珍しいかは分からなかったが――奴隷や、奴隷の使役や調教に使える歴史ある逸品の数々、それに奴隷を積極的に交わるように躾られた獣や魔物など……資産を持て余して世に膿んだ好事家たちが、生きている「実感」を得るために使う品々だった。
オークションにかけられる品々が並ぶ巨大なステージを取り囲んでいるのは、無数のボックス席である。
それぞれのボックスはプライバシーが保たれるように、かつステージは見えるように、巧みに仕切られている。
このような場であるからして、当然のようにいかがわしいサービスも付属していた。
仕切られたボックス席のなかでは雇われた給仕が、あるいは富豪が連れてきた愛人や付き人が、主人に奉仕をしているのだろう。
楽団による演奏が響いているホールではあったが、ボリュームの大きい嬌声は時折漏れ聞こえ、男は独り腰掛けているボックス席の大きなソファで、うんざりした顔をしていた。
「こんな場所で待ち合わせなんざ、正気の沙汰じゃねえぞ、全く――」
入場さえクリアすれば、話を他人に聞かれる心配がほぼないという環境は、内密な話に最適ではあった。
酒も頼めば上等なものがいくらでも飲める。
しかし目の前で繰り広げられている悪趣味なオークションと、飛び交う桁外れの金額には、少々の頭痛を覚えていて。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からラッツィオさんが去りました。