2021/08/31 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にラッツィオさんが現れました。
■ラッツィオ > 「――ッチ。小銭が入ったからって、調子に乗っていい酒を飲みすぎたか」
思わぬ臨時収入があって夜から朝まで独りで飲み明かしていた男は、酒場から出てほぼ半日ぶりに外の空気を吸いこんだ。
元より酒の分解が早い身体である。
多少の酩酊感は残っているものの、足取りは完全に素面に戻っていた。
飯、酒、そして女と遊ぶつもりだったが、酒を飲みすぎたせいで懐はかなり寂しくなっていた。
この都市の裏通りは、真昼だろうとどこか薄暗い。
獰猛な相貌と、お世辞にも金を持っていそうに見えない服装のせいで、暗がりにいる娼婦たちは遠巻きにこちらを眺めているだけだ。
凶暴そうな鱗のついた尾が珍しいというのもあるかもしれない。
店へ入るほどの金は既になく、どうしたものかと、裏通りから大通り、また裏通りへとふらついて。
■ラッツィオ > 男は夕闇のなか、都市の奥へと消えていき――。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からラッツィオさんが去りました。