2020/12/19 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にロイスさんが現れました。
■ロイス > ――正直な話、この街にはあまり来たくはない。
自分が奴隷になる心配をしている訳ではない。
ただ、露天の檻の中から、こちらを見る奴隷たちの視線が、どうにも責めるように纏わりついてくるようで。
「(勿論……言うまでもなく、彼らに出来ることなんて、ない)」
奴隷を買って解放したところで、彼らが生きるための仕事や家がなければ話にならない。
一人二人なら何とか世話もできるだろうが、世話の方法を一歩間違えれば共依存に繋がりかねない。
様々な可能性を考慮すれば、こうしてただ足早に通り過ぎるのが、お互いのためだ。
「(早く、仕事を終わらそう……)」
仕事の内容は、単に王都からこの街の雑貨屋に、道具箱を届けるだけの仕事だ。
あまりここに来ないので、店は探す必要はあるが、それでもそんなに時間がかかる仕事でもない。
大通りを歩きながら、その雑貨屋の看板を探す男。