2019/10/06 のログ
フローディア > (ここは王都以上に悪徳と性に塗れた街。嫌でも感じるのは、目に入るのは奴隷達が虐げられ、犯される姿と匂い。
ふとした瞬間にそれが目に入る時があって、その姿に きゅん と体の奥が熱を持つことがある。

あんな風に激しく求められて、気持ちよさそう。
あんな風に多くの男から愛されて羨ましい。

なんて、妙な想いを抱くことがあって、時折頭にこびりつく妄想をぶんぶん、と頭を振って振り払う。
あんな、あんな姿を 立場を羨むなんて、憧れる事なんてあってはならない。そう自分に言い聞かせつつ、店を見て回る。
けれども、身体に熱が持つ事実は払い切れない。ほんのり赤みを帯びたその肌は妙な色香を纏うだろうか。

いや、そんな妙な欲望よりも目的の品が大事。・・・そういうコトがしたくなったのなら王都に戻ってから良い男でも引っ掛ければ良い。ぶつぶつとそう自分を抑制しつつ、ふらふらと読めない商品一覧とにらめっこしつつ、少女はバフートを練り歩き)

ご案内:「奴隷市場都市バフート」にヴィルアさんが現れました。
ヴィルア > ここ、奴隷市場都市には、仕事でもプライベートでも良く来る。
奴隷の買い付けもあるし、自身に侍らせる奴隷を探したり、様々な薬品や道具を買い求めたりするのだ。
今日はどちらかといえば仕事だ。
護衛を目立たないところにつけ、便利な薬や、奴隷を探していたところ。

こんな場所に一人居るにはあまり似つかわしくない、少女を見つける。
護衛に、もしものことがあればすぐ出てくるように、と手ぶりで合図してから…ゆっくり、品物とにらめっこしている少女に近づき、声をかけよう

「やあ。何か探しているのかな。…そんな風に熱心に見つめていると、実験台に使われてしまうかもしれないよ。
気を付けた方がいい。」

少女が丁度見ていたのは、女を狂わせる媚薬。
反抗的な奴隷に主に使用し、少量ならばじっくりと、多量ならば急速にその体を疼かせる品物だ。

忠告、という面もあるが…既に少女の周りからは下卑た視線が向けられ始めており。
ミレーだということは、様相は服装で隠れているものの…女であるということは既に周囲もわかっているのだろう。
いつ、そういった輩に声をかけられてもおかしくないため、先手を打って…あわよくば、彼自身の欲望も満たそうという狙い。

フローディア > (声をかけられたのならばそちらへ振り向こう。
男を射抜くのは意志の強い真紅の目。きっ、と睨むように男を見据えるその目からは強い警戒心が伺えるだろう。
こんな街である。向こうから声をかけてくるような、男、にロクな奴なんていないだろう。それに加えて仮面。仮面だ。顔を出せない輩、なんて怪我をしているのでもなければロクな相手ではないだろう。)

ご忠告どうも。けれどお生憎様。そこらの暴漢に遅れを取るような私ではないわ。

(その言動からは自分に対する自信が伺えるだろう。
自分の力に対する誇りと自負。傭兵や戦士によく見られる眼差しを見せていた。

――なお、本人にその自覚はないが、世間知らずである為割と騙されやすいのはご愛嬌である。)

・・・それで、私に何か用?まさか、お優しい忠告だけをしにきた訳ではないのでしょう?

ヴィルア > 振り向いた眼を見れば、少し仮面の下で微笑む。
虚勢を張っているのか、本当なのか…その目は自信に満ちていて。
丁度、この間雇った傭兵がそんな目をしていた。
自分が強いと、信じているような眼を。

「ああ。その通り、忠告だけではないね。
私はここに仕事で来ているのだが…、とその前に」

す、と仮面を外し、顔を見せる。
今から行うのは交渉だ。不信感はできるだけ取り除いておいた方がいい。
顔を見られても、貴族などあの王都には大勢いる。
もし奴隷売買にかかわっていることをこの相手から漏れた情報で追及されても、何ら問題はない。
適当にもみ消せばいいだけだ。

「改めて、はじめまして。…実は、私はここの商売にも少し関わっている者でね。
さっきも言った通りここは危ないから…君が何か探しているのなら、手伝おうと思ってね?」

爽やかに風貌に笑みを浮かべながら、少し嘘を混ぜた提案をする。
此処の商売になど今は関わっておらず。多少、市場内の商品を把握している程度だ。

男の身体はいかにも細く、力づくで少女をどうにかしようなどできそうもない。
少女が字をあまり読めないことはまだわからないが、手伝いを申し出た後の、相手の反応を伺ってみる。

フローディア > ・・・。

(仮面を外したとしても少女の警戒心は然程薄れることはないだろう。
そも、仮面をしていた、というのが何かしら隠しておきたいコトがある、という示唆である。
・・・そもそもという話、この街で人間の男・・・特に身なりの良い男は信用ならない。そういう男がわざわざ直接この街に乗り込んでくるような理由なんて、大体奴隷関係だろう。 
それが当たりかハズレかはしらないけれど、少女はそう思っていた)

ネネカの店で売ってた・・・桃色の良い匂いのする薬。あれを探しているの。

(名前は・・・あるんだろうけれどよく知らない。だから、なんか見覚えのある文字列を探していたし、同じような見た目と匂いのする薬を探していた。

――・・・正式名称は淫魔の愛液。淫魔の愛液を採取し、特別な処置を施した魔物寄せの薬の材料になるもの。

少女が探しているのはそれである。けれど、こんな曖昧な情報で彼の情報網に引っかかるかどうか。)

ヴィルア > 少女の予想は当たっていた。
相手が警戒していることも知っていたが、今はそのままにしておいて。
薬の名前を聞けば、顎に手をあててふむ、と頷く。

「桃色のいい匂い、淫魔の愛液…。魔物よせ、か…」

一応案内するとは言ったが。
彼にはまともに案内する気はない。
適当に考えているふりをしているが…実際は別のことを考えていた。
やがて、またうん、と声を上げて。

「確か、以前に淫魔を捕らえてそれを作っていた店があるな。
今は売っているかわからないが、案内しようか」

こっちだと先に歩き出す。
少女の背後を取らないことによって、しっかり道を知っていること、後ろから襲う気など無いことをアピール。
そのまま、案内するのは…どんどん奥まった方、路地裏に近い方へと。
護衛は、男と少女の後ろを気配を気取られぬよう付いてきており。

もし地理に詳しいなら、危うい方へと進んでいることに気づけるが…気づかなければそのまま、人通りすらまばらな場所へと向かっていくだろう。

フローディア > そう、確かネネカはそんなコトを言ってたわ。

(魔物寄せに使う材料。名前は・・・よく知らなかったけれど。
ネネカに初めて会った時に魔物寄せに使える道具が欲しい、と言った時に、これなんかおすすめっす!と言って渡された道具であったから。
彼女の言い分だと、王都には流通数が少ないらしいのでここまで来ないとなかなか手に入らなかった。

そして、彼が案内しよう、というならば少し考えた後)

・・・お願いするわ。

(と、彼を信じることに決めた。彼の後ろを数歩遅れて続き、時折きょろきょろと辺りを見渡しながら、彼の案内に従っていこう。

・・・あいにくと、少女はこの辺りの地形に疎い。そも、王都であったとしても少々怪しいのだ。こんなたまにしか来ないような街であるなら余計に地理には疎い。彼が人通りの少ない方へ案内していることなんて気づかずにその後ろをひょこひょこと付いていっていて。)

ヴィルア > 「ああ、任された。まだ開いているといいのだけれど…」

案内する彼の歩幅は特に急いでいるわけでもなく、自然なもの。
ただし、向かうのは…奴隷市場の中でも…特に何にも使われず放置されている路地だ。
稀に露店が立つこともあるが、大通りからは外れているため、すぐに諦めて去っていくほどの、この街の端とも言うべき細い道が交差する路地裏。

そんなところに案内していけば…護衛も身を隠すことは難しくなるものの
上手く角を利用して、ゆっくりと、付かず離れずついてくる。

位置関係としては、先頭が男、真ん中に少女、後ろに護衛…という風になっていき。
その折、ふと男が立ち止まり、振り返る。

「さて、もうすぐだが、少し注意が必要でね。
以前私も見に行ったのだが…店主が少し気難しいんだ。君、交渉は得意かな。
店主はどちらかというと女性に甘い傾向があるから…少しくらい媚びるような動作をした方がいいと思う
例えばこうして――…」

この会話は、ただの時間稼ぎだ。
少し大げさに身振りをし、少女の目を引き付けるための。
ひざを折り、女性がすれば大変可愛らしいであろう下からの上目遣いを教えていこうと。
男性が行うと少々気持ちが悪いが、目と興味を奪えるなら何でもいい。

彼としても、彼女が自分を疑っているのと同じように。
彼も、彼女の正体を疑っていた。
女性一人で来ていること、強い警戒心、そして帽子や、丈の長い民族衣装。
それらから、推測を立てることはできるが…それが事実かどうかはわからず。
いきなりそれらを脱げ、と言っても脱ぐはずもない。
だからこそ、少々強引な手段を取ろうとしていて。

彼が少女に話しかけ始めた時。そろりと…できるだけ音を立てずに近寄ってきた彼の護衛が、後ろから少女に近づいてくる。
数は二人。どちらも、金で雇った傭兵の男だ。
十分に近寄れば…彼が少女の後ろに視線をやり。

その瞬間、それを合図に、二人の男が少女にとびかかり、手を伸ばして身体を捕らえ、地面に押し倒そうとしてくる。
彼の目配せに気づけば、反撃か、あるいは回避も選択肢に入るだろうが…。

フローディア > ・・・交渉はあまり得意じゃないわ。でもね・・・

(そうして彼の合図と共に飛びかかってくる男たち。向こうは反撃なんてとても考えていないのだろう。前のめりの姿勢でこちらを押し倒そうと手を伸ばしてくる。

・・・けれど、こちらも黙って倒される程優しい性格はしていない。相手が飛びかかってくるならば、とんっ、と軽いステップで右に避けて、着地と同時に回し蹴りを先に飛びかかってきた男の横っ腹に蹴り当てて、そのまま上手い具合に二人目の男を巻き込む形で吹き飛ばすようにしてみようか。

力でねじ伏せるのは難しいけれど、不意の一撃ならば、それなりに効くだろう。)

それからね、私・・・媚びるのは趣味じゃないわ。

(少女が忠誠を近い、媚を売るような相手は自分より強い、と認めた猛者だけである。それ以外の相手に媚を売るようなコトは・・・ない、とは言わないけれど、滅多にしていない、つもりだ。例え自分の利益になるとはいえど、見ず知らずの相手に 女 を使うつもりはなかった。

――男の作戦は確かに成功していた。それでもなお、失敗した理由は唯一つ。音を立てずに近寄ってきたとしてもその匂いと気配は消せない。それに少女が感づいてしまったコトである。少女は戦士であり、狩人。その手の気配には敏感な方であるし、種族的な特性で鼻や耳はいい方であった。
あと一歩。あと一歩の所で男の作戦は頓挫し、狙いの少女はひらり、と手を振ってその場から跳び上がり、その細い道の壁をとん、とん、とんっ、と軽く蹴り上がり、家の屋根へと上り、そのまま何処かへ走り去っていってしまったという。
その様はまるで猫のようであっただろう。

夜闇の中、白い狼は消え去ってしまって。)

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からフローディアさんが去りました。
ヴィルア > 男の狙いは失敗と同時に、成功もしていた。
軽い身のこなし、音を立てずに近づいていたはずの護衛が感づかれていたこと…更に。
勢いをつけていたため、護衛は体勢を崩すが、そこはコケることなどせず。
けれど回し蹴りを受けて吹き飛ばされる。
その膂力で、ほぼ確信を得る。

「と…やはり、そうだったか」

くすり、と護衛を叱ることも心配することもせず、夜闇に消えていく姿を見送る。
相手がわかったのなら、対策もある。
次こそは、その衣を剥がしてやろうと、少し対抗心を煽られつつ。

男もまた、護衛が起きるまで待って、その路地裏を去っていった。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からヴィルアさんが去りました。