2019/05/06 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にミラさんが現れました。
■ミラ > 奴隷市場と隣接し、路上で奴隷の公開調教が行われているような怪しげな通り。
その妖しい雰囲気のままに、通りに並ぶ屋台や露店にはこの街ならではの夜の生活を充実させるような土産物から、出所不明の怪しいアイテムまで幅広く売られていて猥雑な活気を醸し出している。
その通りの一角で、魔王様はしれっと自分も屋台を出していた。
「……暇だ」
屋台に並べてる品は、高位魔族にだって効くと効能書きしてある媚薬だったり調教グッズだったりとこの街らしいのから、奴隷商から流れてきた奴隷落ちした冒険者や騎士の所持品だと説明書きしてある各種装備やアイテム。
こういう怪しい場所で手にした品がいわくつきで、それがひとつの大冒険の序章であった――などというのは、それなりに見る展開。そういう演出がしたくて伏線をまくお仕事をしてみたものの。
そういうのが滅多にないから物語なのであって、現実としてはそんなに売れない。つまり、無為に時間が流れて暇。
森の中の魔女パターンや荒野の賢者パターンも、考慮に入れてネタを仕込むかねと頬杖をつきながら暇そうに脳内で構想を練る。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にアルクロゥさんが現れました。
■アルクロゥ > 奴隷市場の一角の雑然とした場所に紛れて売られている品々、これから「いわく付き」のレッテルを貼られるべく並べられているのだが、それが壮大な物語を紡ぎ出すこともあれば余計なものを招くこともある。
その夜にたまたま通りかかった男は店主である彼女にとってはハズレという事になるかもしれない。
そろそろ夜の肌寒さも遠い季節になっているのにごてごてと幾重にも衣装を着込み、町人としては羽振りが良さそうな風体ではあるが冒険や荒事には程遠く向いていないような、一言で言えばおっさんと呼ばれるような人種である。
何気なくその屋台の前を通りかかり、そのまま通り過ぎようとした所でハっと気づいて足を止めてすぐに引き返してきた。
「……!? こ、これは……なかなか、これだけの代物をこんな所で揃えているのか……」
多少は腕に覚えがある錬金術師としてそこに並べられた品々にただならぬものを感じて驚きの声をあげた。
手にとって確かめようとするが、迂闊に触るとマズイ物もあるかもしれないと警戒してその手を寸前で止めながら、店主の少女を訝しんでジロリと視線を向ける。
「おい、この店の主人……は他にいないようだがこれを全部お前みたいな娘が一人で売っているのか?」
世に響くような冒険譚の中では名も無いモブ程度の男は、当然超越した相手の正体をすぐ見破れるわけもなく、小娘がどこからか盗んできたのかと怪しんでいるらしい。