2019/03/28 のログ
■カナン > 「可愛くたっていいじゃないですか」
ネリー。ネリーと仮初の名前を呼んで、つかずはなれず啄ばむような口付けを繰り返して。
「私の先輩は……私に恋を教えてくれた方は、世界中の誰よりもカッコよくて素敵な人でした」
「それがたまたま、女の人だっただけです」
「今ごろどこほっつき歩いてるんでしょうね。元気にしているといいのですけど」
着衣の下の肉づきのいい身体をまさぐろうとして、お互いひどい状態だったことを思いだす。
苦笑して、照れ笑いして、そっと離れた。
「続きは戻ってからにしましょうか。綺麗な方がいいに決まっていますし……」
「あとでたくさん可愛がってあげますから、もう少しだけお付き合い頂けますか?」
そのまま時間の許すかぎり書庫の調査をして過ごし、想像もつかないほどの収穫を持ち帰ることができた。
決死の覚悟を固めて挑んだ帰り道は拍子抜けするほど簡単で、あっけなく地上に出られたのだった。
奴隷市場都市バフートでの仕事は、かくして一つの区切りを迎えることになる―――。
■ネイト >
「僕と抱き合いながら先輩の話をするの、何度目だい?」
「確かに、美人は元気が一番だ……」
目を瞑ると、相手が離れたことに気付いてまたすぐに目を開く。
「そうだな、今はお互い擦り傷だの汚れだのでひっどい」
「わかったよ、僕もここで待ってる」
そう言ってバフートの暗部で彼女の後姿を見ていた。
ここから彼女が何を持ち帰って、何を報告するのかは知らない。
ただ、今日みたいな日もたまにはあっていいのかもな、と思った。
……別にデストラップを死ぬ気で掻い潜りたいわけじゃないけどな。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からカナンさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からネイトさんが去りました。