2018/12/17 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 奴隷市場は、何も奴隷を買うためだけの場所ではない。
奴隷を買えるだけの身分の者達が集まれば、必然的に後ろ暗い商談や密談が交わされ、その合間に情欲を満たす。

奴隷市場の一角に構えられた高級娼館。豪奢なラウンジも備えたこの市場を訪れたのは、大口の取引相手でもある貴族や商人達との懇談の為。
酒が注がれたグラスを掲げ、見え透いた世辞が飛び交い、時折思い出したかの様に商談が進む。

「……それでは、私はこれにて。今宵は、上質な夜伽を準備しましたので後はごゆるりとお楽しみ下さい。……まさか。これはサービスですよ。料金には上乗せ致しません」

笑顔で懇談していた男達に頭を下げ、席から立ちあがると同時に、露出の高い服装を纏った女達が彼等にしなだれかかる。
鼻の下を長くする男達を一瞥し、ラウンジから離れて娼館のロビーへと足を進める。

娼館に似合わぬ年齢の己を怪訝そうに見つめる客や娼婦達を一顧だにせず、壁際に置かれたソファに腰かけた。

「…やれやれ。後は女達が上手く機嫌を取ってくれれば良いのだが」

ギュンター・ホーレルヴァッハ > ホールに視線を向ければ、様々な客が娼婦や男娼を引き連れて店の奥へと吸い込まれていく。
何人か見知った顔が居たのは、ご愛敬というものだろう。

「…折角ここまで足を伸ばしたのだし、奴隷の一人でも見繕っても良いのだがな…」

護衛を務める屈強な奴隷や、経理を行える知性の高い奴隷が居れば良いのだが、と思考を彷徨わせる。
その様子を見ていた娼婦や店員達は、あれは果たして客なのだろうかと首を傾げていることだろう。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > それでも、己の身なりを見て声をかけてくる娼婦などまだ可愛げがある。
男娼と間違えて下卑た声をかけてきた男には、流石に拳を振り上げそうになってしまった。

「…いや、確かにこんな場所で一人考え込んでいるのも悪いのやも知れぬが…」

疲れた様に溜息を吐き出し、ソファに深くその身を預けて天井を見上げる。
けばけばしい装飾の施されたシャンデリアが、無性に眩しく見えた。