2018/04/22 のログ
カイル > 大きく欠伸をして、息を吐き出せば
人混みの中へと姿を消していって。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からカイルさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にチュチュさんが現れました。
チュチュ > その部屋には、窓もなかった。檻こそ付いていないが、その扉は重厚であり、外から錠が掛けられていた。

「……、……」

壁も天井も床も、石畳の其処。黴と埃の匂いが立ち込めており、環境は劣悪だった。
そんな部屋―――決して寛げる場所ではないが―――の中央で、少女はぺたんと座り込んでいた。怯えている様子も、戸惑う様子もなく。
少女はふらりとこの奴隷都市に現れ、とある女性に声を掛けられた。物腰の柔らかな女性は少女の頭を撫で、優しい言葉を向け誘い込み、この場に引き渡した。
弱者は強者に虐げられるのが必然であるこの場所において、何ら抗う術を持たぬ少女が囚われるのも、また必然。

それでも、自分の状況を理解していないのだろうか、少女は助けを求めるでもなく、ただただぼんやりと前を見つめていた。

チュチュ > ガタ、ガタガタ、と壁越しに音が鳴る。声は聞こえないが、恐らくこの場に囚われた他の者が連れて行かれるか、若しくは調教を始められたのだろう。
その音が届いているのかそうでないのか―――恐らくは届いているだろうに、少女は其方に顔を向けることもない。
普通の少女なら、普通の者ならば、次は自分だと恐怖心を増すだろう。

「気持ちいい……?いいなぁ……」

少女は何処と向けるでもなしに、そう小さく呟くだけだった。