2017/11/24 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にチュチュさんが現れました。
■チュチュ > 昼夜を問わず賑わいを見せる―――決してそれは健全な喧噪ではないが―――奴隷都市。特に「性奴隷」の売り買いが行われる区域には、性を問わず色めき立ち、欲望を隠さぬ者たちが行きかっていた。
そこかしこで「調教ショー」や、より高く奴隷を売るために見世物のようにされた奴隷たちが悲鳴や嬌声を上げている。
「無法のようで、法はある」―――暗黙の了解とでもいうべきか、けれどその場所は決して諍いばかりが起きているわけではなかった。
そんな―――表では若々しい奴隷が薬物を打たれ、蕩け切った眼差しを前を通る者に向け自分を買ってほしいと懇願する―――奴隷屋の脇。裏通りに続く階段に、「その姿」はあった。
普通の神経をしている者が見れば、余りに相応しくない存在に、驚きを見せるかもしれない。階段の上に小さくちょこんと座るのは、明らかに年端の行かぬ幼い娘だったから。
「……、……、……」
少女はそんな「欲に塗れた場所」をただただ黙ったまま見つめていて。
■チュチュ > 今のところ―――少女に話しかける者はいない。
傍から見れば「格好の獲物」であるはずだろうに
この場に相応しくない少女が一人いる、その状況が逆に声を掛けづらくしていた。
この場にそんな者がいれば「既に誰かのモノ」であるのが当たり前、と思われるから。
勿論、チラチラと機会を窺うものはいたし、存在に気付いた奴隷商―――調教師も―――が如何にして手に入れようかと思案してもいたが。
そんな状況を知る由もないとばかりに、少女が姿勢を変えず、ぼんやりと、光景を眺め続けていた。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > バフート内でも、ある意味一番繁盛しているエリアを、一人の少女が歩いている。
手に持った紙袋には、少し妖しげな薬やら、道具やらが入っていて。
「ん~。大量大量」
ホクホク顔で笑う少女。手にした道具などは、趣味のためのもの。
というか、家での妻とかメイドとかとのエッチ用、ってやつで。
奴隷市場となると、奴隷のみならず。奴隷の調教用として、さまざまな道具が売っていたりする。
少女の狙いは、格安の媚薬とか、ディルドとかだった、というわけだ。
「……ん?」
さぁ帰宅しようかな。そう思った少女がとある奴隷屋を通り過ぎ。
裏路地に入ろうとすると。
そこに、幼い女の子がいた。少女はいぶかしみつつも。
その子が裸足だったので。声をかけることにした。
「ハァイ、お嬢ちゃん。こんな所にいると危ないわよ」
場に似合わない幼子。護衛もいなければ、家族も見当たらない感じ。
こりゃ保護しないとマズイんじゃないの? そう思った少女は、会談を上りつつ声をかける。
できるだけ明るく。スマイルで。
■チュチュ > 人々は行き交い、そろそろちらほらと「商談」も成立し始めている。
そんな様子を、少女は好奇心を向けるでも、かといって目を背けるでもなく、ただただ見つめていた。
「……、……」
通りの向こうから、一つの姿が此方に向かってくる。
紙袋を持ち、上機嫌そうに。
だからこそか、相手は少女の気づいたのかもしれない。
裏路地に差し掛かろうとした階段に腰掛ける、この場に相応しくない存在に。
「……危なく……ないよ?だって、気持ちよさそう……だから」
問いかけ―――というよりは忠告、子供を窘めるような言葉への返事としては似つかわしくないだろうそれ。
会話が成立しているのかも怪しいが、少なくとも声は聞こえているようで。
少女は余り表情を変えぬまま、コク、と首を傾げそう言葉を向けた。
■セイン=ディバン > 正直、少女自身。そういった用途の奴隷が欲しくない訳でもない。
商品として扱われている奴隷を、可哀想と思わないこともない。
でも、現実として、少女一人で奴隷全員を救えるわけではないのだ。
家には既に奴隷身分として購入したメイドも二人いる。
冒険者なんて職業は、安定とは程遠い。故に。少女は奴隷へと意識を向けない。
「……アッハハ。気持ちよさそう、ね。
あーいうことはまだお嬢ちゃんには早いわよ~」
通りや、店先。建物内で行われている行為に対して言ったのだろうか。
相手の声に、少女は乾いた笑いを浮かべながら近づいていく。
この街では当然の風景も、幼子への教育、という面から見れば。
まぁ、不適当不適切と評するのが正しいであろう。
「そういうこと言ってると。お嬢ちゃんもあーいうことされちゃうわよ~?
お嬢ちゃんみたいに可愛い子がこんな街にいると、狼さんに食べられちゃうんだから」
手を伸ばせば届くほどの距離に近づいたところで。再度、窘めるように言いつつ。少女は、両手を上げて、『がおー』などと吠える真似をしてみせる。
そこで、少女は考える。この子は、どこか違和感がある。
そもそも、なんで一人なのか。なぜ裸足なのか。
商品ならばこの子を取り扱う商人がいてもいいのに。
そう考えるも、どうにも。周りには本当に人もいない。
これは本当に、ちょっと保護しないとまずいかも、と考える少女。
両手を振り上げたまま固まっているので、ちょっとマヌケな絵面。
■チュチュ > 白い肌の少女もまた、特に「目的」を持って此処に居るわけではない。―――否、目的があるとすればそれは―――
「早い?どうして……?気持ちいいこと、イキ狂うこと……当たり前……」
恥じらう様子も、かと言ってからかう気持ちもなく、純粋な疑問をぶつけるように、首を傾げながら。
奴隷市場にはこの少女のような「商品」も珍しくはない。
尤も少女は「商品」らしさはないのだが。首輪をつけているでも、その先に繋がれた鎖を持つ者もいない。
興味を抱いたのか、それとも保護欲か、近づく相手を高く見上げる形になった。
「ああいうこと……気持ちいいこと?気持ちいいこと、したい。気持ちいいこと……好き……」
両手を上げおどけるような仕草を見せる相手に、笑うでも怒るでもなく。相手の動きが止まったのは果たして少女の向けた言葉が「異常」だからか、それとも思案していたからか。
少女はそのまま言葉を続けた。
「お姉ちゃんは……気持ちいい、好き……?チュチュは、イキ狂うの、好き」
おままごとが好き、おやつが好き。そんな気分の高まりも見せず、淡々と。