2017/10/11 のログ
ラシュフェル > 少女の言葉に、不思議そうに首を傾げる

「うん?妻が魔王――どうして、妻には何も?心配をさせたくないとかそういう理由かな? 魔王の呪いなら魔王ならば解くこともできそうだが…まあ戻ってないと言うことはそういうことなのだろうね」

一人で悩んでいたのか――なるほど、あのような極端な思考に陥るほどに自分で自分を追い込んでいたわけだ。と、魔王は悲しそうな表情をする。その表情のまま、少女の話に耳を傾けながら頷く
ヒトと魔族の婚約…言葉では簡単だが現実には超えるべき壁も多い
つまりは――そうだ

「妻の為に、争いのない世界がほしいんだね、キミは
その癖――恋人もいる。ふむふむ、浮気性と言うべきか懐が深いと言うべきか」


自分も、愛する存在がたくさんいる。だからこそ少女の言葉を真摯にうけとめつつ、頷く

「人間と魔族が仲良くか――私の理想と一緒ではある。道のりは違うかもしれないけどね」

そして、少女に向き直って

「言ったろう?協力者を探してると。暴力や威圧に屈するのは協力者とは言わない。勿論快楽を与える時はあるけど、愛の無いセックスをするつもりはないんだ
私は本気で、キミをほしいと思ってる。 だからこそ、今は抱かない。
こんな形で行きずりの愛をはぐくむなんてもったいないだろう」

そんなことを言いながら、服を着直す少女を見つめながら。楽しそうに笑う

「自由を、幸せを護るために戦う、命を奪うのは悪ではないよ
私だって、武力を用いるときだってある。理想と現実は、天界と魔界よりかけ離れてるからね」

魔王は少女を否定しない。全てを受け入れる、そして、考える。
それは自分に必要なことだ

「じゃあ、私の考えはどう思うかな?空想?危険な思想?ただの支配欲にまみれた戯言かな?」

セイン=ディバン > 「だーっ!! あえて言葉にしないでよっ! 恥ずかしい!
 ……それは、そうなんだけど。こ、こっちにも色々と事情があるの!」

いわゆる、男のプライド、とかいうやつである。
実際、妻にだって呆れられてはいるのだけれども。
それでも、妻に縋るのは最後の切り札にしたいわけで。

「まぁ、そういうこと。魔王を倒せるような英雄なんてそうそういないでしょうけど。
 ……バカにしてない? しゃーないでしょ。惚れちゃったんだから」

それでも。その可能性を排除しておきたい。妻の安全を確保したい。
それこそが少女の行動の理由、根幹である。
なお、後半の指摘に関しては開き直りである。仕方ない。可愛い女の子とか……最近は、男の子もだけど。大好きなのだから。

「そうね。過程は違うけど。目指すところは一緒って言ってもいいでしょうね」

少なくとも。この相手は、むやみやたらな支配を目指していない。
そこは信じてもよさそうであった。

「なるほどね。……ふ~ん?
 そうかしらね。時には、愛の無いセックス、良いものよ?
 行きずりの行為も、ね。何より、気を使わなくていいんだもの」

紳士で真摯な相手の言葉には、逆に少女はあっけらかん、であった。
結局のところ、セックスは大好きなので。その辺は頓着はしないらしく。
まぁ、愛があればなおさら気持ちいいのも認めてはいるが。

「……ん~。ずいぶんと、なんというか。
 理解あるというか。達観してるのね、ラシュは」

てっきり戒められるかと思えば、そんなことはなく。逆に少女が驚いてしまう始末。
相手の高みの言葉に感心しつつ、相手を実に気軽に呼ぶ少女。
魔王への恐れなど無いらしい。

「……。難しいわねぇ。今のところ、私にはラシュの目標が実現可能とは思えない。
 だって、アナタが統治してるその平和な場所を広げれば広げるほど、余所との争いは生じるんじゃない?
 よほど上手くやらなきゃ、防衛戦力が回らないと思うし。
 あぁでも。気持ちの面を言わせて貰えば。平和な支配、ってのは実現してみせて欲しいわ」

ラシュフェル > 「まあ、その事情とやらは今度ゆっくりと聞こうじゃないか」

からかうネタが出来そうだね?と冗談か本気かわからない口調で
魔王同士とは言え、下手に自分が手助けをすべき問題ではないだろうと判断、まあ勿論、女性でいてくれたほうが都合がいい、と言う部分もある

「いや、その不安は至極真っ当だ、魔王を倒せる程の力を持つ存在ならば、普通の人間では護ることもできないだろう。愛する妻を護りたいという気持ちと、キミの愛情ははっきりと分かる」

故に――あのような過激な考えに至ったのだろう。それならば納得する。愛というのはヒトを強くし、また狂わせるのだ。
愛する人を護ろうとする小さな少女は、魔王にとっては好ましい存在だ

「まあ、キミの妻は、私の支配を望むかどうか、わからないけどね」

肩をすくめながらそんなことを言う。魔王同士がわかり合うのもなかなかに大変なのだ、最悪――魔王同士での戦いもありうる
少女の言い分には軽く手を振りながら

「愛のない行為には興味が無いね。肉欲より愛情や幸せを育みたい。
私はそういうことには古臭い魔族なんだよ」

だからこそ、今は抱かない。迫るような空気でもない
お楽しみは今後ということだ

「魔王としては失格かもしれんね、元々領主や、領土には興味はない
でも――背負ってしまったら、愛してしまったら――しょうがないだろう?」

と、少女にウインクする。愛してしまったら、その存在のために動くのはいっしょだろうと

「ふむ――まあ、武力制圧、武力抗争は最終手段だよ
私の力は、私自身より――寵姫達や領民だ。ボクは彼らを愛する
彼女たちはその愛情に応え、誰かを愛する。理想を広める」

要は宗教的、政治的な支配である
魔王としては異端だが、それが魔王にとって唯一の、そして絶対の力だ

「何百年の事業だからね、摩擦も小さく、緩く。そして相手の氷をとかのすのもゆっくり、だよ」

自信をもって、そう答える。その理想に、彼女が入ることを祈りながら

セイン=ディバン > 「……ぜっっっ、ったい。教えない!!」

穏やかな口調での冗談に、少女はガーッ、と噛みつくように言い、ぷいっ、とそっぽ向く。
無論本気で怒っているわけではないが。

「……ま、ちょっと心配しすぎだとは思うけど。
 ……や~っぱりバカにされてる気がするぅ~……」

決してそんなことは無いだろうが。まっすぐすぎる言葉はどうにも素直に受け取れないらしい。

「多分、望まないと思うわよ。
 ウチの妻の性分は、ぐーたらごろごろだし」

支配を望む望まないではなく。極限の面倒くさがりなのだ。
ボクを巻き込まないで、くらい普通に言いそうである。

「もったいない。たまにはそういうのしてみたらいいのよ。
 そうすれば、その真面目一辺倒な頭も柔らかくなるんじゃない?」

一人の人物としては好ましいけれども。ちょっと堅苦しすぎない? と。
からかうように言いつつ。

「判らなくも無いわね。私だって、別段妻が守れるなら他の事なんてどうでもいいし」

その為に、最適な手段を選ぼうとしているだけなのだ。結果や過程など、どうでもいい。

「……なるほど。思想、主義、策はラシュが担当。
 実行や準備は、その部下たちがする、ってことで。
 人材運用はできてる、ってわけだ」

支配者としての手腕を垣間見た気がして、改めて相手への評価を改める。
これは、なかなか喰えない相手かもしれないぞ、と。

「な~るほど。さすがに、その辺は経験と知識、作戦がある、と。
 ……ま、いいわ。あなたとの出会いは有意義だったわよ、ラシュ。
 また会える日を楽しみにしてるわ」

相手の理想。それがどれだけの時間の後に達成されるかは判らない。
ただ、少女はその理想が達成されることを願った。
あるいは、自身の障害にならなければ、だが。
そうして、少女は閉じた世界を歩いて出る。本当に邪魔などなくて。
ぽん、と。元いた場所に戻ることが出来た。
……なんとも、本当に魔王らしくない魔王だな。それが、少女の抱いた感想だった。

ラシュフェル > 「そんなことを言わずに。もっとキミのことを知りたいだけだよ」

そんな台詞を平気で言ってのける。噛み付くような台詞もどこ吹く風
彼女の怒るところもまた可愛らしい、と思う程度

「ふむ、敵対しないのなら何より、でも――どうせなら一緒に幸せになりたいものだ」

まあ、其れもおせっかいなのかもしれないが
魔王としてはそう思ってしまうのだ
残酷さ、狡猾さをもってはいるが、根は甘い

「自分が気持ちよくなるぐらいなら、相手に幸せになってもらいたいね
私は、相手が悦ぶ事で自分が嬉しくなる方なのでね」

勿論、奉仕はさせる。しかし其れも望む形でさせたいのだ
愛すること、愛でる事を楽しむ魔王にとって、性交渉とは籠絡と幸せと愛情の表現である

「ふむ、ならば、君たちの情報を多少探らせてもらおう
もしかしたら君たちに協力できる事があるかもしれない」

おせっかいではあるが、まずは相手に信用してもらうことが優先だろうと

「私は彼女たちに幸せを届ける。それに彼女たちは答える」

とだけ、言ってみせる。いつか、この少女にもわかるだろうと
背を向ける少女に軽く手を振りながら、またね、と、少女の姿が見えなくなるまで見送って

「クスクス、思ってた以上じゃないか…最高の宝石、見つけた♪」

と嗤う。そのまま、魔王は闇の中へと掻き消えていって

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からセイン=ディバンさんが去りました。
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