2017/08/20 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート 中央広場」にルクレツィアさんが現れました。
ルクレツィア > 従順な使用人を御求めなら、いっそバフートは如何でしょう―――

そんな助言をくれた何処ぞの貴婦人も、其の言葉に流された己自身も、
全く愚かしい、と吐いた溜め息は、既に幾度目か知れない。

円形の舞台を囲む形に並べられた長椅子のひとつ、最も外周に近い位置へ腰掛けた己だが、
周りの椅子を締めているのは、明らかに己とは目的の異なる男たちだった。
そして、舞台へ次々と引き上げられては買われて行くのは、美しく可憐な娘たちばかり。
―――今日は如何やら、そうした目的の奴隷が売りに出される日のようで。

「……もう、諦めて帰った方が良いかしら」

そう呟きながら、背後に護衛役を兼ねて控えている筈の執事を振り返ったが、
如何やら彼にとって、此の催しはとても興味深いもののよう。
隣に立つ見知らぬ男と、舞台に上がっている娘の品評などしていて、
此方に注意を向ける様子は無い。
―――先刻よりも深い嘆息が、呆れた、と言わんばかりに零れ落ちる。

ルクレツィア > 本心を言わせて貰うなら、もう、一人でも構わないから帰りたい。
商品の値を吊り上げる為とは言え、付随する見世物は余りにも強烈過ぎて、
何か、変な気持ちになってしまいそうだった。

然し、執事は相変わらず他所の男との会話に熱中しているようだし、
此の街が女一人で歩ける場所では無いことも、知識としては知っている。

もう少しだけ、此の侭待っていようか。
舞台上の娘を競り落とそうとする男たちの声を聞きながら、
溜め息交じりにもう少し、腰を据えることを決め―――。

ご案内:「奴隷市場都市バフート 中央広場」からルクレツィアさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート/広場」にリュシーさんが現れました。
リュシー > ……こういうの、なんて言うんだろ。えっと……一種の、遺伝性疾患?

(たわわに実った乳房、きゅっと締まった細い腰、そして、胸と同様に豊かなお尻。
ある意味、男性に愛でられるために存在しているような妙齢の美女が、
広場の中央に設えられた舞台の上で、屈強な男に後背位で犯されている。
彼女の泣き喘ぐ声をBGMに、舞台を囲む観客席の最後方で佇む己は、
胸の前で腕を組み、深く眉根を寄せていた。
己の視線の先に居るのは、責め苛まれる女性、ではなく、彼女の「あるじ」である壮年の男。
―――なにを隠そう、己の、リュシオンの父親である。)

なんっか、さぁ……こう、……前はさんざんぼくのこと、
変態だのなんだの、言ってくれた気がするんだけど……。

(変態、を否定するほど厚顔ではないが、己が変態だとするなら、
それは明らかにあの父から受け継いだ血だ、と主張したい。
興味の対象こそ違えど、こんなところで自分の「女」を見知らぬ男に犯させて、
平気で笑っていられる男に、変態呼ばわりはされたくない気がしていた。

真面目に話をしたい一心で、こんなところまでついて来たけれど、
―――やはりこのまま、行方不明になってしまったほうが、
お互いのためになるのでは、などと、ぼんやり考えはじめていた)

リュシー > (彼女がもっともっとみじめに泣き叫ぶ姿が見たくてたまらないのだろう、
観客席は先刻からずっと、異様な熱気に包まれている。
「あるじ」が止めに入らないのだから、いずれは彼女の上の口も下の口も、
もしかしたら後ろの孔だって、めちゃくちゃにされてしまうかもしれない。
―――きっと、この広場のなかで、いちばん頭が冷めているのは己だろう。
そうでなくても、少しばかり悪目立ちしている気が、しなくも、なく―――)

そもそもこれ、話しかけるきっかけが掴めないし……
今のあの人に声なんかかけたら、奴隷の売り込みかと思われそうだもんなぁ。

(三十数年生きてきて、あんなに爛々と目を輝かせている父親など、
たぶん、一度も見たことはない。
というより、できれば一生、見ずに済ませておきたかった、という気もする。
己の性嗜好と並んで、母親の浪費癖にも、よく叱責を寄越していた父だが、
―――うううん、と低く唸れば、ますます眉間の影が深くなり)

………ま、結局、あの人もダメな貴族の典型、ってことなのかな。