2017/02/18 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にシャーロットさんが現れました。
シャーロット >  
ガラガラと荷馬車の車輪がまわる
俄に賑やかになる奴隷市場、今日はちょっとした競りが行われる

奴隷を買い付けに来る貴族達が荷馬車から連れ出される奴隷たちへと視線を集める

「──臭い」

早くも値踏みが始まる中、シャーロットは僅かに不機嫌であった
手元の扇を苛立たしげに仰ぐ様子に、従者達も近寄りがたいのか互いに目を合わせては肩を落としている

シャーロット >  
本来ならばこの悪趣味な品評会にはマリアベルを連れてくる予定だった
あれの目利きは確かであるからだ

それが、自分が命じた"仕事"からの帰還が妙に遅く、連れてくることが出来なかった

自分の思い通りにならない、
シャーロットが苛立っている理由はただそれだけである

「──はやく始めなさいよ。ミレー臭くて堪らないわ」

シャーロットの声がかかると、慌てたように主宰の貴族の男が競りの準備を急がせる

シャーロット >  
順番に売られる奴隷達が並べられてゆく
幼い少女から、使い古された奴隷女まで幅は広い

冷ややかな目でそれを眺める
──どうも今日は手垢つきが多く見える
売りに出す前にある程度"仕込む"のはポピュラーである、が…
今日は出品者の品が余りよくないようだった

「…質が悪いわね。
 しかも女奴隷ばかり、今日の出品者の名前は記録しておきなさい」

背後に控える従者に淡々とそう言葉を投げる

シャーロットが求める奴隷は、新鮮なモノだ
傷物を買う趣味はない

「(稀に、傷物になってから輝く奴隷もいるのだけど)」

それは文字通り稀有である

シャーロット >  
「まぁいいわ、そっちの子と、それ。あと後ろの赤髪の」

扇で指し示し競りを進めてゆく
周囲にいる貴族達の表情が固い
…競売対象が被らないよう、緊張しているのだろう


───

競売は日が落ちるまで続き、最後の"商品"が売れると主宰が閉会を宣言
貴族達は各々の戦利品を手にその場を後にする

シャーロットの前には買付行けた女奴隷が3人並べられる

シャーロットはその場で"品定め"がはじめる
その場で全員を丸裸にさせ、状態を確かめてゆく

確かめる点はいくつかある、身体の傷の有無
純潔が残っているか否か
口が聞けるかどうかすらも含めて

「ふーん……」

……シャーロットの視線が冷たいものに変わる

今宵の戦利品は、眼鏡にかなわなかったようだ

シャーロット >  
奴隷として"らしさ"が少なければ少ないほど、シャーロットにとっては良い奴隷である
貴族達の中には調教や教育の行き届いた、使いやすいものが良いという者もいるが

彼女にとって奴隷の価値とは、壊す部分が多ければ多いほど良い、
単なる遊び道具でしかない

脚を開かせ、性器への乱暴の痕が見えると即座に手にしたロッドを幼いミレーの頭に向けて振り抜く

…一瞬の悲鳴と、固い卵の殻が割れるような音がその場に響いた

ぎょっとした様子でこちらへ視線を向ける貴族達も、
その音の発信源がシャーロットであることを知ると慌ててその視線を逸してゆく

「……あは♡ 見て見て頭が割れたのにまだ動いてる、おもしろーい♪」

ご案内:「奴隷市場都市バフート」にスーさんが現れました。
スー > 奴隷という、商品はスーにとってもいい”道具”の一つだ。
当然、商人という立場。よりよい”仕入れ”が基本となる。
同時に、自分の網。ネットワークに何かしら不備がないかどうかの確認をするのも
こういった競売に参加する一つの目的ではあった。

貴族とのパイプを作りつつ、商品を売れ込み。
今回もよい仕入れができたと思った矢先――

その音は、響いた。

ぐしゃっという音。
それが何の音か、商人はよく知っている。
そこに立つ貴族を、商人は知っている。

王国創立時より王族に連なる上流貴族。
大富豪フェルザ家の令嬢――名は確か、シャーロット。

本来であればかかわりを避けるであろうそれを……

「……いかがなさいました。商品に何か不備でもございました?」

壊れた鈴のような声がする老婆が後ろから声をかけた

シャーロット >  
死に向かう奴隷の様子を見てはしゃぐ少女
貴族達はそちらを見ないように、少女の機嫌を損ねないようにその場を去る

横に並ぶ奴隷女二人の顔色が変わる
一人は逃げ出そうとしたが、シャーロットに髪を掴まれその場に倒れ込んだ

「んー?だめでしょ、商品が勝手に逃げ出したら…。
 ───コレの脚、斬っちゃって♪」

くすくすくす
悪意の笑みが隠すことなく漏れ出してゆく
従者達は指令が降りればすぐにその行動を開始する
まわりの視線なども一切気にせず、主の命令のみで動く人形のように、
無感情に仕事を遂行する───

「……?」

かけられるしゃがれた声に、するりと振り向く
すぐにその表情は"汚い者"を見る侮蔑の表情へと変わる
シャーロットの玉虫色の瞳に映るのは、汚らしい老婆、それ以外の何物でもなかった

「ええ、疵物を掴まされちゃったの。
 外側だけじゃあわからないから困っちゃうわね、で───
 ……私に軽々しく話しかけるアンタ、なぁに?」

スー >  
――あぁ、あれはだめだ。

溜息一つ。奴隷の教育ができている、できていないという話ではない。
”求められている商品”を提供できていないことに他ならない。

「失敬いたしました。私の名前はスー。しがない商人でございます」

耳障りな鈴の音は、不快に空気に振動し耳朶に響く。
目の前で行われている奇行には一瞬目を移した後
”興味なさそうに”溜息をついた。

「名高い、あのフェリザ家。そこに商品を捌いたと、”商売敵”からタレコミがあったものでして――」

でも、その後様子では満足できなかった様子、なんて前置きして。

「よければ、私の商品もみていた抱ければと思いまして」

なんて――

そういえば、さきほどの競りにこの女はいなかったと、シャーロットは覚えているかどうか。

シャーロット >  
「商人?アンタみたいなみすぼらしい老婆が?」

怪訝な、見下した目線を向ける

名前など覚える気もない、が、続いた言葉には僅かに興味をもったようで

「平民が私を拘束するのだから、当然相応の品を見せてもらわないと困るけれど。
 大丈夫かしら?お前に、私の時間を使わせて?」

見下した視線のままに、血のついたロッドを撫でる
そもそもこの少女は競りに出ていた人間の顔など覚えてすらいない
他人の顔自体、まるで興味の外なのである

スー >  
興味を持った、テーブルに着いた。
それだけで商人にとっては一つの勝ちを得たものだ。
だが、そこで終わらないのが商売というもの。
ようやくこれでスタートに建てたというものだ。

「ええ、なにか変でしょうか? 老人ゆえに、経験はそれなりに。味のあるものを揃えているというところです」

ロッドをなでているのを見れば。

「はい、要望の品物を申し付けてくだされば、今できる限りの”商品”をそろえましょう」

仰々しくお辞儀をするが、年老いた戯言にも聞こえる。

「少しばかりご協力だけいただくことになるとは思いますが、お時間いただけますでしょうか」

シャーロット >  
「ふぅん?
 まぁ商人の言葉なんて話半分にしか聞けないけれど」

商いを生業にする人間の言葉などそれ自体が商品、商法のようなもの
この老婆が商人を自称するのであれば扱いも同じで構わないだろう

お付きの従者が懐中時計を手にシャーロットへと近寄る
それを眺め…

「──日が完全に落ちるまでに終わらせなさい?
 それと、お前が商人だと言うなら私の欲しがるものをを当ててみるといいわ。
 もちろん、無駄な時間を使わせたならその時は相応の仕置を覚悟なさいね」

くすくすと悪趣味な笑みを浮かべる
退屈が紛れるちょうどよい玩具になるだろうか

スー > 特別拒否をされなかったということは耳を傾けたということだろう。
余興ぐらいのつもりだろうか――
それに。貴族のプライド、それがさんさんと照り輝く。
この市場で、扇を鼻に充てるそぶりは何度か見た。
彼女は、”潔癖症”だ。
なにか気に入らない属性が付与していれば、きっと彼女は顔をしかめるのだろう。

それこそ、自分の道具ということであれば。

親がかってきた中古品は、誰のものなのよ! とヒステリックになく子供のようなものを連想させる。

――わりと、根が深いものと推察する。

当てて見せろと言われれば頭が割れた奴隷を見て。

「一つだけ、お客様。求めているのは人間でしょうか、魔族でしょうか。どちらかだけ教えていただけますか?」

それだけ、質問をした

シャーロット >  
魔族、という言葉にぴくりと反応する
愉しげに口元に笑みを浮かべて

「生粋の魔族ということなら、珍しくて良いですわね?
 半人半魔はうちにもいるけれど、魔族となるとなかなか手に入れる機会がなくって。
 …お前、魔族に伝手でもあるのかしらぁ?」

ゆらゆら、手元のロッドを揺らしてそう尋ねる

スー >  
「――商売の秘訣ですので、申し上げられません」

しぃっと、ひとさし指を鼻にあて。しーっとジェスチャー。
美女が行ったしぐさなら、それは満足だろうが。
老婆がやれば、孫などに言い聞かせているようにも見える――……

「珍しくてということは求めてはいなかったということでしょうか。大体、理解しました。では、こちらへ」

ゆっくりと歩き始める。
そこは、”彼女の競売スペース”

「今からご準備いたします。二つ、並べますが。選べるのは片方――と制限を設けてもよろしいでしょうか」

カーテンが二つ。
一つは白のカーテン、もう一つは黒のカーテンだ。

そこに準備するのが彼女の売り方のようで

シャーロット >  
従者を引き連れて老婆についてゆく
さて競売スペースについてみれば……

凝った趣向を用意されていたようだが、
このシャーロットという少女には果たして

「お前、私を嘗めているのかしら?
 商売人の流儀に付き合うなんてまっぴらだわ、さっさと品物を並べなさい」

強い口調で、そう言葉を投げる
欲しいものであれば全て手中に収める、どちらか、などまるで興が乗らないようだった

スー >  
「……それでは、またお相手してもらえないではございませんか」

一回きりで、このパイプを切るのは惜しいと
商人らしい貪欲さを見せる。
まぁ、ならばそれらを準備し続けるというものも見せればいいというものだが。

これもパフォーマンスの一興である。
少しのイラつきは、この後の発見の快楽につながればいいというもの。
仕込みは厳重に。だ。

「舐めているなどと滅相もない。これでお付き合いを切られたくはないだけですよ」

そうもう一度繰り返せば――
まずは白のカーテンが空いた。

そこにいたのは”少女”だった。
無垢な表情を見せる、少女。服装は、白いワンピースドレス。
ここがどこなのかまるで分っていない、きょとんっとした表情を見せる。
傷など一つもない、天使のような絹肌。
綺麗な白い髪と色白な肌は、神秘さをそそる一方でケガしてみたいとすら思わせる。
そして、なによりの特徴は――”純粋無垢”

穢れを知らない”童女”であること。
軽くスーと話した程度ではあるが、知識がない。
知恵がない。まさしく誰からも手が付けられていないとわかる――

どうとでも、そめられて、どうとでも壊せる完全な”処女”であった。

「――名前はありません。当然未開通です。一つ目で、ございます。いかがでしょう?」

ご質問があればお答えしますと、告げた

シャーロット >  
「アンタ勘違いしてるんじゃないの?
 商人も吐いて捨てる程いるのよ。使い捨ての奴隷と変わんないの、わかってる?」

胸の下で腕を組み、不遜に言い放つ
自分以外の全てを見下した、狂気にも似た色を宿す瞳

白いカーテンが開けば向こうには幼い少女
一目で伝わってくるのはその純心性
──なるほど、それなりにモノは良い
少なくともさっき行われた競売よりは

「保留ね、最後まで見てから決めてあげる。次を出しなさい?」

スー >  
「ええ。ですから、使い捨てられる時まで愛用でいさせていただく努力をしているのではありませんか」

その瞳を受けてなお、老婆のしぐさは変わらなかった。
あくまでこれが自分の売り方なのだと告げて――

「かしこまりました。では次は――」

黒いカーテンが空く。

そこにいたのは、傷だらけの”女性”だった。
目には眼帯、体はぼろぼろのやぶれた服。
きっと手入れをされていればきれいな金髪であろうが。
今ではくすんでいる。吊り上がった紫の瞳があたりを一瞥する。

”見た目”は悪い。
だが、注目すべきはその”態度”だった。
誇り、プライド、自尊心、怒り――
そういったものを感じさせる。
傷だらけの体だからこそわかる。だれもこの女の”心”を汚せていないのだと。
だからこそ、壊したときのエクスタシーは素晴らしきものだろう。
その過程もじっくり楽しむことができるだろう。
商人が売り出しているのは”高潔な精神”

「名前はありません、同じく未開通です。二つ目でございます。いかがでしょう?」

シャーロット >  
「ふぅん…?
 確かに他の奴隷商どもよりも幾分かマシみたいね。
 いいわ、さっきのと、コレも買いましょ。
 他にもあるなら全部見せなさい」

希望ではなく命令だといいたげな口調で、
あくまでも商人としての在り方を見せる老婆に差し向ける

この奴隷二匹だけでも楽しめそうではある
しかし、この老婆の風体でどうやってこの商品を用意しているのか…
多少気になるところではあったが、すぐに興味をなくし捨て置いた

スー >  
「それは奴隷を、ということでございましょうか? お客様のお眼鏡にかなう、要望にそぐう一品はその二つというところでございますが」

――それでも、よろしいので?

ちらりと外を見た。
日が完全に落ちるまで――残り時間はさほどないが――……

シャーロット >  
「?
 …あぁ、お前、奴隷商というわけじゃないの?
 ふーん、まぁいいわ。この二つで収穫ということにしておいてあげる。
 ───先程の競売で買ったのはもういらないわね、首を斬って捨ててしまいなさい」

淡々と紡がれるその命令を従者は一礼で返し、
すぐに踵を返してその作業へと向かう

「言い値は聞かないけれど、これで十分でしょ。はい」

素っ気なく上等な金貨をザラザラと勘定するでもなくテーブルに積み上げる
一般的な奴隷の相場の何倍かはあるだろうか

スー > 「はい、平民地区にて幅広い商品を取り扱う骨董屋を営んでおります」

ぺこりとお辞儀し代金を受け取る。
別段拒否する理由もなければ遠慮する理由もない。
そういった値段を、目の前の貴族はつけたというだけだ。
ならばありがたくいただいておく。
と、本来はするだろうが。

「いえ、お代はその半分で構いません。ただ、よろしければお名前を頂戴してもよろしいでしょうか。また、名乗る栄誉をいただけないでしょうか」

老婆は、そんなふうに持ち掛けた

シャーロット >  
「骨董屋が奴隷も売るだなんて、いわくつきではないでしょうね?」

怪訝な目線を向ける
老婆の姿は骨董屋を名乗るには実に自然、
むしろ奴隷商というほうが不自然である

「一度放った金貨を袖に戻すなんて不格好なことするわけないでしょ?いらないなら半分は捨ててしまいなさい。
 はぁ、それに、商人のくせに私の名前を知らないなんて。
 私の名はシャーロット・アン・エル・フェルザ…貴方の名前なんてどうでも良いけれど、名乗りたければ勝手に名乗ったらぁ?」

従者に命じて帰り支度をはじめていたが、視線だけをそちらに向けて面倒くさそうにそう返した

スー >  
「知らないのですか? ”何でも”売るのが骨董屋です」

鼻に手を当てて、しぃっとした。
そのしぐさが示す意味は――

「いえ、知ってはおりましたが直接教えていただきたかったのです。”影の国”店主、スーと申します。以後お見知りおきを、シャーロット様」

見送るように大きくお辞儀し、きっと見えなくなるまでそうしていることだろう。
強いパイプができたことを、老婆は内心で笑みを浮かべた

シャーロット >  
「うす気味の悪い」

帰路についたシャーロットは馬車の上でそんなことを呟く

「"影の国、"ね。
 平民地区って言ってたわね、マリアベルに店を調べるよう言っておいて。
 …なんだか、普通の匂いがしないのよね、あのババア」

背後に控えた従者に命じると小さな欠伸

日の落ちた街道を豪華な馬車が駆け抜けていった───

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からシャーロットさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からスーさんが去りました。