2017/01/29 のログ
チューベローズ > 「どうせなら、もっと前に行こうかしら。」
少女の狂った一夜はまだまだ続いていく。
今日新たな、素敵な出会いがなくても、明日あることを祈りながら。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からチューベローズさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にチューベローズさんが現れました。
チューベローズ > ぽくぽくと響く靴音。
その靴音の主はこの物騒な街から浮きすぎるお姫様のような服に身を包んだ少女。
彼女が無事でいるのは背後に従う屈強な護衛二人。
「今日こそはいい出会いがあるといいのだけど。」
甘い声でそんな事を呟く少女。それはまるで舞踏会に胸を膨らませるような期待に目をキラキラと輝かせている。
少女の歩く道の両側には、並べられた檻、その中で絶望した目で道を眺める奴隷達。
そして、それ以外にも少女にこちらを見る目はある。
既に少女がバフートを訪れて一日。耳の速いものでなくとも、バフートにあまりにも不釣り合いな少女の事が噂になっているのか、貴族の娘売り払えばいい金になる。または手込めにしてやりたい等ギラギラと欲望に光る視線がねっとりと絡みつく。
その荒廃した光景の中でも少女はまるで花畑でも歩くかのように軽い足取りで歩みを進め続ける。
「ふふ、今日はずいぶんと視線を感じるわね。
私たちの事、売り物にでもしようと思ってるのかしら」
背後に従う護衛に少女はコロコロと楽しそうに囁きかける。