2023/06/08 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/」にヴァンさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/」からヴァンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/草原地帯」にヴァンさんが現れました。
■ヴァン > マグメール自然地帯、草原エリア。
銀髪の男は荒い息を吐いていた。
男の目の前には全長8m程度の赤いワイバーンが大地に横たわっている。微かに痙攣しており、長くはないだろう。
ワイバーンは飛竜種の筆頭で、空を飛ぶ翼が特徴的だ。急降下攻撃を受ければひとたまりもない。
地上に墜とすのが王道だが、それを為すのがまず一苦労だ。
その後も一筋縄ではいかない。正面はブレスこそ吐かないものの鋭い牙、側面に回っても爪で広範囲を攻撃してくる。
なんとか背面に回り、後脚周辺を攻める、攻める、攻める。
数分の戦闘の後、男はなんとか立っていた。今にも地面に腰を下ろしたくなるのを耐え、膝に手をあてている。
「このあたりは安全だと思ったんだがな……騎士団は何をしているんだ」
街道からはやや離れている。ワイバーンが餌とするような存在はこの草原地帯にはいない筈だ。
縄張り争いに負けて流れてきた個体か、あるいはここが『餌場』へと変わったか。
逆に考えれば、ワイバーンを害する存在はここにはいないということになる。少なくとも、今の所は。
空を飛ぶワイバーンの姿を見て誰か来るかもしれないな、と男はぼんやりと思う。
魔物はワイバーンを恐れ、しばらくは近づいてこないだろう。来るのは野次馬や命知らずの人間や亜人だ。彼等が友好的とは限らない。
普段の男であれば早々に退散すべき局面であったが、足が言う事を聞かなかった。
■ヴァン > スキットルの蓋を開け、一口呷る。
意識が冴え、五感が研ぎ澄まされる。周囲に生物の気配はない。
「どうしたもんか……」
ワイバーンは食材としては厳しいが武器・防具などの素材として価値がある。
この場所に放置すれば野生動物や魔物の餌となり、それらは人々に害為す存在となるだろう。
しかし、男に飛竜種を解体できる知識や技術はない。地面に穴を掘って埋めるには大きすぎる。
近くの村から人を呼んで手伝ってもらうのが妥当な選択肢だろうか……。
ようやっと息が収まってきた。懐から紙を取り出して、抜き身の刀身についた血を拭う。
刀身は夜を切り取ってきたかのように黒い。打刀を鞘に収め、紙はジャケットのポケットに突っ込んだ。
■ヴァン > 村はどこが一番近いだろうか。頭の中で地図を描きつつ、男は周囲を眺め――。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/草原地帯」からヴァンさんが去りました。