2023/03/31 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にオデットさんが現れました。
オデット > (――夜。街道を少し逸れた森を我武者羅に駆ける。走り辛い靴はとうに脱ぎ捨て、土に汚れた足で獣道を蹴りあげてゆく。ドレスの裾を託しあげ、豪奢な黄金色の髪を雑に揺らして荒く呼吸を繰り返した。―――ハッ、ハッ、ハァッ。彼方此方擦り切れた肌、汚れた衣服、刃物を掠めたような切創から血を流す腕。女の瞳が焦燥と逼迫に濡れていた。) ……ッ、ッ…あ゛ ッ、(――――ズザザザ。素足の足が盛り上がった木の根につまずき土の上に転倒する。走っていた加速度を付けていたせいか二度三度転げ、打ち付けた衝撃に顔を歪めた。女を追う足音は二つ。薬草を摘む道すがらに出くわせた、人さらいのゴロツキだ。立ち上がろうとするも足に力が入らない。――草むらを掻き分ける音が少しずつ近づくのを、爆ぜる鼓動を抱えながら見据え。)
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にトランプさんが現れました。
トランプ > 久方ぶりの自然地帯での薬草探しに訪れた男。
夜に採取する事でしか効果を発揮しないそれを目当てに街道を外れ森の深い場所に入り込んでいる。
人の目より遥かに夜目の効く男の特別な目。
そして鋭い五感が森には不釣り合いな騒音ともいえる足音が三つ。
その内の一つは逃げているのか乱れた足音と、躓き転倒したと思える重い音。
風に混じる僅かな血の匂い。

それに興味を惹かれた男、採取した薬草をしまった籠を物陰に隠してから夜陰に紛れ足音も気配も無く近づけば、草むらに隠れる様に伏せる女の姿と離れた場所でガサガサ木々や足元の草を乱暴に掻き分けながら近づいてくる二つの足音。

其れを感じれば男は言葉を風に載せ相手にだけ聞こえる様に、「助けは必要か─?」と囁きかけるのであった。

オデット > (――――緊迫の空白は異様に長く感じた。人攫い達の気配が通り過ぎたのを悟ると、弾かれたように体を起こし逆の方角へと駆け出していく。女が”その声”を聴いたのは直後の事である。人攫いに襲われる心配がなくなるまで走り抜け、胸を撫で下ろせる場所まで逃げおおせた所で ―――闇夜にまぎれた風の声を思って一度だけ振り返り、森を抜ける街道を目指すだろう。)
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からオデットさんが去りました。
トランプ > 声を届けはしたが女は弾かれたように駆けだし、人攫いたちから逃げ、再び深い森の闇の中へと消えていく。
残されたのはぽつんと一人残る男と、離れたところでいまだに逃げた女を探す人攫い達。
その後人攫いがどうなったかは残された者達しか知らぬこととなった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からトランプさんが去りました。