2022/09/05 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 獣鬼の森」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 久方ぶりの王都 その周辺に連なる場所の土に足を踏み入れている狂人がそこにいた。
タナールやハテグにすら現れず、アスピダにすらいなかった存在。
戦にしか傾倒できず王にしか頭を垂れない“イカれ”

それが、久しぶりに王都に現れたかと思えば私服姿。
騎士の鎧姿すら解けているいつもの姿で、どこの店でも構わないというかのよう。
迷わず入った候補の一つの店 身綺麗な姿でまずは、焼いた肉を貪った 赤い酒を呷った。
皿が5枚以上重なり、ボトルが3本空になったところで、メイラはゴルドを支払いその場を後に。

その後が苛烈だった。
近頃物騒になりはじめてきた獣の鬼 毛深い または獣性が濃い半鬼の住処へと
鎧を身に着けずに、黒い衣の一張羅で乗り込んでいく。
つまり、仕事や義務 使命ではなく 私情 私案 に寄ったものだということになる。

其処に乗り込み、既に半日が過ぎようとしている。
まだ夏の日は続いているせいか、夕暮れすら訪れていない。
しかし森の中故にかそこは薄暗く、鳥も獣も騒がしい
空へ木々に留まっていた鳥が離れ、獣らは遠巻きに一定の場所から離れている。


          「■■■■■■―――ッッッ!!!」


ギザ歯を開け、赤い瞳は理性ではなく猛りに満ちたもの。
ハイライトや黒い瞳すら掠れているかのようにすら思えるそれで
声とは言えない声 怒声でも罵声でもない 叫び。
その声と共に、毛深い二足歩行と何度も対峙し、両手で握りしめる大剣擬きを振るっている。

棍棒や石斧 手槍に石槌
手製と思われる民族武器に近いそれらと、大剣擬きの鋼の塊がぶつかり合うたびに
罅か、砕くか 破砕の音と共に両腕を斬り飛ばす
脚を地面で逆に回転させ、腰が連動するなら、後ろから胴体の半分をえぐり、赤と臓物が弾け飛ぶという惨事。

それらが続くたびに、焼け跡や白い骨が増えていく。
そう、行動は鍛えるという行為に基づく戦闘と、摂取
この二つに基づき、体の血肉を強化させようとするケダモノのような行為に及んでいた。

メイラ・ダンタリオ >



 「ゼッ  ゼッ  ゼェッ   ゼッェッ…、…。」


息切れすらするほどの運動量
体の疲労 それに対し、表情と力みだけが矛盾している。
獰猛且つ、強靭を示すように、大剣擬きを片手で握り、切っ先を浮かせている胆力
それと共に、まだ摂取をやめていない。

皮と脂肪を除く肉という肉を、何度も火を焚き、周りが炭になるまで焼き
ギザ歯で噛み砕き、食いちぎるという行為。

バリッ ミヂィッ ザクッ という音
それがギザ歯と顎がもたらす咀嚼音。

疲れるたびに腹が減り、狩るたびに摂取する。
体に混ぜ込まれた魔の血だけでは足りないというかのように
メイラは今だ解決できていないアスピダに対する思念が
アンデット 死霊術師 盗賊 らを刈り取るだけでは体が、五体が納得していない。
解決しないかぎり、王はお喜びになられない。

その持て余す感情と体を、戦と戦の間の時間でも、戦に費やしている。
領地や廷でくつろぐ時間など、どれほどでしかなかったのだろうかと思わせる


―――体が熱い
―――納得していない 終わらないからこそ、体が終わっていない。
―――わたくしのイカれが、さらにイカれている。

まるで性欲を持て余す騎士見習いが、訓練で発散するそれと変わらないではないかと
手に持つ灼けた肉塊の中にあった、軟骨を ペッ と吐き出すことで思うメイラ。
しかし本当にそれと似ている。 限りなく殺し摂取するか、限りなく女を抱くかでしか
この熱で灼けている体を解決させる方法がないほどに、今はもどかしい。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 獣鬼の森」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。