2022/07/14 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 苔生す森」にメアリー・ドゥさんが現れました。
メアリー・ドゥ > 苔生したその森は不快感よりも清浄が濃く映る。
余計な虫よりも小人や精霊などが住まい、卑劣な蛇が枝に巻き付くような
遠くの木々の間では、見ない貌を観察するように角鹿の類が数匹顔を向けている。

普段は人を寄せ付けないような聖域に見える場所にて、メアリーは学院の休日を利用して一人
自然と触れ合うというか、体の鈍りを通るように活動していた。

小さな組み立てを用いて火処を作り、ぱちぱちと燃える焚火。
敷物の上で腰を下ろして余計な水気に当たらないようにし、ここまでやってきた足として
学院で飼育している赤鹿が見える範囲で苔葉をついばんでいる。

目のまえには魚が住まわない水辺が水を湛えている。
魚が住まわないということは栄養はないこと
しかし逆に言えば清潔性があるのか、生のままでも飲むことができた。


「ここは落ち着くな。」


木を削り上げたカップと小さな釜鍋
松葉と木の実の抽出茶を片手に、好き勝手しなければ、向こうはなにもしてこない森
それを眺めながら、肺の中のはきれいになっていく感覚に身を任せている。
あの学び舎は、ここに比べればそれだけ淀んでいるのだろう。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 苔生す森」からメアリー・ドゥさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にピーターさんが現れました。
ピーター > 「くっそがぁ……どこだここは……」

薄暗い雑木林の中。少年がひとり、悪態を吐きながら歩いている。
いかにも初心者然とした軽装はところどころ傷つき汚れており、少年の顔も複数の擦過傷が出来て血が滲んていた。

「他の奴らはちゃんと逃げ切ったんだろうな……?
 これで無事じゃなかったら只じゃおかねえ……」

事の始まりは半日前に遡る。
初心者向けの軽い依頼を、初級冒険者数人と即席のパーティを組んで受け自然地帯へと訪れた。
依頼内容は薬草と鉱石の採収。本当に変哲も無い初心者向け依頼―――の筈だった。

運悪く魔物の群れと鉢合わせてしまい、散り散りに逃げ出したのが数時間前。
どうにか魔物は撒けたものの、こうして雑木林に迷い込み現在地も同行した他の冒険者の安否も何もかもが不明という状況だった。

「牽制に魔術も使って魔力もほぼ空だし……飛べりゃ大体の場所も帰り道も分かるんだけどよ……くそが」

下草を手で払いながら悪態を溢す。
どうにかしてひと気のある場所まで辿り着けないか。はたまた運よく他の依頼を受けた冒険者と鉢合わせしないか。
そんな淡い期待を胸に、今はただ歩を進めるのみで。

ピーター > 「日が暮れる前にはおおよその街の方角に見当をつけたいとこだが……」

こりゃ樹上泊だなあ、と薄暗く太陽の光も届きにくい雑木林の中、独り言ちる。
夜通し歩くという選択は無い。ただでさえ腕力は見た目通りの子供レベルだし、先の通り魔力はからっけつ。
夜間に魔物に襲われたら打つ手立てが無いのだ。
せめて魔力を補充出来る何かがあれば、と思わなくも無いが採集した薬草も魔物から逃げる途中で紛失したという有様。
踏んだり蹴ったりとはこのことで、生きて帰れた暁には確りとギルドに文句を言おうと決意している。

「そうと決まれば今日のとこは闇雲に歩くのは止めて、何か食えるものとどこか登れそうな木でも探すかな……」

食べられる木の実が成っている気があれば良し、無ければ……最悪空腹を我慢して夜を越すことになるだろう。

ピーター > 「せめて木を越える高さまで浮かび上がるだけの魔力を得られりゃあな……」

愚痴っても仕方ねえと、諦めて食料を探し始めるピーター。
幸い食べられる実の生る木を見つけ、飢えることもなく一夜を過ごすことに成功する。

結局、王都に帰れたのは翌日の日暮れ間際になってからのことだった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からピーターさんが去りました。