2022/06/11 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にセルウィさんが現れました。
■セルウィ > 森の奥、木々の中を時折、目印を置きながら慎重に少女が進んでいく。
背の低い草木に紛れるだけで姿が隠れそうになるほど小柄な姿。
ふわりとした衣装を纏っているが、彼女は冒険者として今日はこの場に訪れた。
「……ふぅ。
実入りがいいからって討伐依頼を受けたけど、見つからないなぁ。」
その道中で少女は立ち止まり、小さな息を吐く。
彼女は森の中に訪れてそろそろかれこれ数時間、目的の獲物を探して彷徨っていた。
いくら魔族の血が混じり体力が相応にあっても、集中力までずっと長続きするわけではない。
そろそろ流石に一息つきたい頃合いなのは明確だった。
■セルウィ > もう少しだけ歩みを進めて、程よい木陰を探す。
そうして少なくとも周囲よりも少しだけ小奇麗な場所を見つければ…
「んんっ…。
はふ…、少しだけ、休憩……。」
大きな木を背もたれにして、少女はそこに腰を下ろす。
ここに来るまで魔物などとの遭遇も、幸いなことになかった。
この周辺は如何な理由かは分からないが、そうした存在が少ないのかもしれない。
そう考えて、周囲への警戒も一度はやめて気を緩める。
ずっとここまで相応に気を張っていたのだから、少しくらいはいいだろうと。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にマルゴットさんが現れました。
■マルゴット > 暗い森の奥深く、大樹の幹に凭れて身体を休める一人の少女。
その存在を察知してか否か、ゆっくりと近付いて来る気配はひとつ。
其れは物音こそ立てる事は無かったが、獲物を狙う獣とは違い己の気配を殺そうとする様子は微塵も見せずに。
「――……まぁ。誰かと思えば、随分と可愛らしいお嬢さんですわね。」
やがて遠慮の欠片を見せる事無く、少女へと掛けられたのは女の声。
その声の方に視線を遣ったならば、黒いドレスに身を包んだ一人の女が、
まるで己の庭を散策するかのような気軽さで其処に立っているのが目に映るだろうか。
■セルウィ > 無警戒になっている今でも、気配を隠さぬそれには違和を抱く。
くるりと周囲を見渡して、その気配の根源を探っていた頃……
「だ、だれ…!?」
掛けられた女性の声に、とっさに反応して立ち上がる。
声の方に視線を向ければ、そこには不釣り合いな黒いドレス。
其処に纏う雰囲気も、あまりに気軽で…我が物顔でそこに在る。
だから、その女性が冒険者で無いのは直ぐにわかった。
だとすれば、彼女は何者だろうか。
……無意識に、その警戒が高まっていく。
この状況で警戒を向けないほどに、今の少女は初心とは言えなかった。
■マルゴット > 少女が女の声に反応を示し、すかさず立ち上がり警戒の姿勢を取るのを見て取れば、
女はクスクスと笑みを零してから、その身に纏った黒いドレスの裾を優雅に摘まんでお辞儀をひとつ。
「あら、驚かせてしまったのなら御免なさいね?
わたくしはマルゴット――一応、この森を抜けた近くにお屋敷を構えて住んでおりますのよ?」
警戒心を露わにしながらの少女の問い掛けに、女は何の事でも無いかのように自己紹介を告げ。
ゆるやかに舞う様な足取りで、少女と自身との距離を徐々に詰めて行こうと進んで行く。
「そう言う貴女は、こんな夜に一人で何か探し物?
それとも――迷子にでもなってしまったのかしら?」
■セルウィ > 視線の先で女性が見せる優雅な一礼。
それは確かに、相応の学と風情を感じさせる”らしい”仕草だ。
「こんなところに、屋敷を…?」
そしてだからこそ奇妙でもあった。
そうだとすれば恐らくは貴族か、あるいは相応の身分の相手。
そんな人物が何故、こんなところにいるのか…屋敷を構えているのだろうか。
「私は、冒険者だから…討伐依頼の、途中。
迷子じゃないよ、子供じゃあ、ないし。」
警戒心はまだ抜かず、一応の言葉を返しながら相手を探る。
ゆるりと近づくその足取りに、半歩だけ後ずさりして…
その背後に気があることに、ようやく気付く。
後にそのまま逃げることは難しそうだと、そう思考の端に記憶する。
■マルゴット > お辞儀の後にゆるりと頭を上げてから、少女の姿を正面に見据えて女はクスリと笑う。
「ええ。――正確には、この森を抜けてから少し離れた辺境の領地ですけれども。
そんな事よりも。……貴女は冒険者でしたのね。気に障ったのなら御免なさい?」
女がゆっくりと距離を詰めて行くのに対して、同じ距離だけ後退りしてゆく少女の体躯。
しかしすぐにその背へとぶつかる樹によって、少女の後退は阻まれてしまう。
それでも女の足取りが止まる様子は無く、終には手を伸ばせば容易く届く程の距離まで詰め寄って行き、
小柄な少女の体躯を覆い隠してしまうかのように、女の影は伸びていって――
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からマルゴットさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からセルウィさんが去りました。