2022/04/17 のログ
ワルシュミスタ >  大柄な見た目に反して運動能力クソザコな女が復帰するには、女性がそろそろあちこちに受けた傷の痛みなど思い出すのに十分過ぎるほどの時間がかかり、ややあってすっくと立ちあがる頃には優しく見える笑み浮かべる余裕あって。

 「別に気にするほどの事ではございませんわ?美しい女性があんなヤル事しか考えていない低脳どもの手にかかるなど言語道断ですもの、礼など・・・払ってくださるつもりはございます?」
 
 立ち直ると同時に本来のエロ脳も復活した女は、女性の体を必要以上に丁寧に触りながらテーブルへと導いていたり。

ティアフェル >  悪いなあ……としばらくゼイゼイしている様子に、気が咎めてはいたが。しかし、彼女の出現がないとオークとやり合って敗北していたかもしれない。
 それは御免なので、取り敢えず背中をさすって回復を待っていたが。
 彼女がやがて立ち上がると自然床にいるこちらは見上げる視線になりつつ。

「そう? いやそんな美しいだなんて……あなたの方がよっぽど……ていうか、全体的に…いろんなところが大きいのね……あ、いや、ごめん、ちょっと失礼な云い方かな、えっと……」

 身長もかなりだが、出るところの出方も激しくて素直に口にしたが、そんな云い方悪いかしらと口ごもり。
 そして裾を払って立ち上がると、片手にしていたスタッフを握り直し。各所に負った裂傷を詠唱を始め、術式を紡ぐと、淡い光を生み出して癒してしまい。
 衣服の裂けた箇所はそのままだったが、一応は落ち着き。

「お礼……? な、内容に……依る……けど……あの……無難なあれで支払わせてくださいと……」

 手。手。触り過ぎくない?と冷や汗を滲ませつつ、取り敢えずはテーブルへと着席させていただき。

ワルシュミスタ >  

 「ふふ、色々大きいのは生まれついてのものですから、特に失礼でも何でもありませんわよ?お気になさらず・・・」

 実際気にしているわけではないので平然と返していたが、彼女の言う「アレ」が気にかかる。
 仮に交渉?が決裂してもここまでの過程・・・肩を抱いたときの触り心地、横抱きにした時の柔らかさと適度な重さ、何よりも女が恐らく人間ではない事には気づいているだろうに心配してくれる優しさ・・・で、あの程度の揉め事の報酬としては破格だと内心ほくそ笑んでおり、あまり期待はしていない・・・つまりは純度高めのほほ笑み浮かべながら、改めて菓子を勧め。

 「念のために言っておきますけど、お金の類は受け取りませんわよ?わたくし、何も商売をしているわけではございませんので」

 つまりはそれ以外の物で欲しいと、ある意味女性の希望を打ち砕きかねない一言を。 

ティアフェル > 「そうなのねー。こんな背の高い女の人、初めてだわー。何を食べればそうなるのかしら……」

 そんなに背は高くない方なこちらは感心したような眼差しを注いで。
 定番な感想を口にすれば、テーブルに用意されたお茶のセットを見ると喉が渇いてきて。

「あ、いただいて、いい、のよね。ありがとう、いただきます」

 と薦めてくれているので、一言お礼を述べてからポットからカップへお茶を注いでいこう。
 そして、カップを傾けながら、金銭はやはり受領不可と聴き、だろうなあと予想の範疇だったので肯き。
 それから考え込むようにして、うーん…と唸り。
 こくりとお茶を啜って、黙考することしばし。やがて何かを思いついたように、顔を上げそちらを見やって、にっこりと笑みを向けると。

「それじゃあ、まずはお友達になりましょうよ。そうそう、申し遅れた、わたしはティアフェル。
 ――それで、あなたが困っていたら今度はわたしが助けるの。
 荒事はちょっと自信ないけど……生きてれば何か困ったり、お友達を呼びたかったり、そんな時ってあると思うの。そんな時はわたしきっと駆けつけるから。
 だから、それで……手を打たない?」

 テーブル越しに手を差し出して、交渉成立なら握手を交わそうと。小首を傾げて軽く見上げる恰好での提案。

ワルシュミスタ >  「・・・一応申し上げますけど、美味しくもないゲテモノを口にしたりは致しておりませんわよ?わたくしこう見えても、食べ物には五月蠅いので」

 魔族の出自に誇りは持っているものの、そういう偏見持っている者も多いと聞くから冗談めかして答え。続けての申し出には、虚をつかれたようでポカンとしたある意味年に似合わぬ顔をして。

 「友達、ですか・・・わたくしはワルシュミスタ・・・魔族で、背も大きくて目立ちますし、性格も・・・あまりいいとは言えませんから、色々不愉快な思いをさせてしまうかもしれませんわよ?それでも構いませんか?」

 この国で魔族がどう見られているか、そしてそれと友人として付き合うというのは良く思われていないのは、ある程度の情報は得ている。此度の報酬にしてはリスキー過ぎはしないかとここは本気で女性の身心配して不安そうに尋ね。
 差し出された握手には、女性のものとは段違いの速度でおずおずと手伸ばし。

ティアフェル > 「やー、おかしなものを食べているとは思ってないけど……じゃあ、何が好物?」

 軽口めいた返答に、そういう意味じゃないのよ、とふるふる首を振っては。
 それでは一体どんなものでこんなに成長なさったのだろうか、と興味津々質問を重ねて。
 それからどこか呆気にとられたようなリアクションを真正面から見ると、それで、そんなに悪い人には見えなくて。
 魔族であると告白した上で、多様な懸念を口にする彼女に、にこにこと笑みを深めると。

「いやいや。それならわたしなんて、ガサツだしボス猿で女の皮をかぶったゴリラだし、なかなかの気性難かなと思ってるし。不愉快な思いならこっちの方がさせちゃうかもなのよ。そこはガチなごめん。
 ――ていうか、そんな風に気を遣ってくれるのは悪い人じゃないのよ。いい人なのよ、えーと、人じゃなくて魔族、らしいけど……。
 とにかく、こんなワタクシですが、どうぞよろしくねー。女子会とかしようー」

 魔族と友達になることのリスクは承知してはいるが、それは害を成す魔族ならば願い下げだが。
 こうして助けてくれて気遣いもしてくれる相手ならば、魔族というだけで偏見を抱いたりはしないと。
 控えめに伸ばされた彼女の手を、ぎゅ、としっかり握りながら親し気な笑みを向けて。

ワルシュミスタ >  「こっ!?好物ですか・・・ええと、甘いもの・・・ケーキなんかはホールで3つくらいは楽勝ですけど・・・。後・・・『じょしかい』って何ですの?魔術交換会の一種ですか?」

 そう、女は言い忘れていたのだ。自分が人並外れた大食いであるという事を。もしティアフェルが引いてしまったなら不思議そうな顔をするだろう。
 やがてはたと手を打ってから彼女に向き直って、

「あ、あの・・・帰りはどこに出たいですか?地図はありますから、教えていただければそこに扉をつなぎますわよ?」

 大汗かきながら、親切めいた問いかけを。
 実際のところ、先程かけた『周りを全て敵だと認識させる魔法』によりオークどころか仲間であるはずの狼の群れ同士で殺しあった結果の地獄絵図が展開されているだろう元の場所に、ただでさえ犬嫌いの上に『友達』にまでなってくれたティアフェルを戻す気にはとてもなれなくて。

ティアフェル > 「ホール三個……いくねえ。太らないのは羨ましいわ。むしろ体型維持するにはカロリーも必要そうね。
 女子会とは、甘い物を食べ!おしゃべりに花を咲かせ!女子同士できゃっきゃしてモチベぶち上げるという!そういう会です!」

 多分、世間の概念と少々異なる女子会の説明。甘い物が好きというならば今度スイーツ女子会をやろう!と大食いの点ではヒかない性質で、女子会の提案など差し込んでおくのである。

「え、すごい。好きなところに出られるの? 助かる、めちゃめちゃ助かるー。
 ありがとう、じゃあ、王都の近くだとありがたいです」

 帰路の心配もしなくてよくなり、心底胸を撫で下ろし。本当に助かると頭のさがる思い。
 そして、扉を潜ってきた元の場所の惨状に関しては――極力想像しない方向で。
 ただ、先にやられてしまった剣士と行方不明の弓士に関しては、どうしようかなと思い悩み。
 取り敢えずは都に戻ってギルドに報告、その後事態の収拾を図ろうかと結論すると。

「あ、そうそう、ワルシュミスタ、さん、素敵な名前だけど、何か愛称とかはある?」

ワルシュミスタ > 「そうなのでしょうか・・・わたくしにはあまり自覚はないのですけど・・・。『もちべ』は良く分かりませんけど・・・楽しそうですわね♪」

 コミュ障とは少し違う、基本的に家族以外の相手を「性的対象かそれ以外」でしか見ていなかった女にとって初めての『友達』であるところのティアフェルが誘ってくれた会合に、こちらも笑み向け。

 「ええ。少しだけ時間をいただきますけど・・・ま、『ちょちょいのちょい』ですわ。
 愛称・・・ですか・・・」

 正直に言うと無い事は無い。家族ではあるがそれ以上の関係でもある妹から呼ばれていたものが。しかしそれを教えて良いものかどうか・・・何せ共に住んでこそいないが妹もこの国にいるのだ。
 下手に二人が出会って、自分よりははるかにフレンドリーな妹とも『友達』になり、ティアフェルの口からそれが出た日には・・・。
 自分が怒られるのは仕方ないが、せっかくの『友達』に嫌な思いをさせるわけにはいかない・・・しかし、どうやら自分の名前が呼びにくそうなティアフェルに不自由はさせたくない・・・。
 思い悩んだ末の結論は「彼女に愛称を教え、妹には自分から説明しよう」というもの。
 何がしかの影響はあるだろうが、自分にとっては妹も『友達』も同じくらい大切なのだ。どちらにも悲しい思いはさせたくない、
それが色事第一だったはずの女の思い。

 「・・・ルーシュ。妹からは『ルーシュ』と呼ばれていましたわ。どうぞティアフェルもそう呼んでくださいまし・・・」

 そういって頭を下げる女の顔は・・・困ったような嬉しいような複雑なものだったと。

ティアフェル > 「そのスタイル保つには、ケーキホールで三つくらいいってよしだよ。うん。
 モチベーションの略です。じゃあ、今度甘ーいものたくさん用意してやろうね」

 笑みを向けてくれるので女子会の開催をにこにこと気軽に口にしては、新しい友達ができて嬉し気に。
 そして、友達史上もっとも高身長であり、胸囲最高位だろうな。今後も。と能天気なことを考え。

「ほんとにー? すっごい便利ねえ。距離は関係ないの? 遠くに出口を用意する時はちょっと大変とか。
 そうそう、あだ名とか……あれば、でいんだけど。わたしはティア、って呼ばれることが多いかな」

 略称や愛称、あった方が親し気だなとも思って尋ねてみたが、思いのほか悩んでいるような空気に。
 ないならいいの、と慌てかけたものの。
 悩んで口にしてくれた名を耳にして、目元を綻ばせ。

「ルーシュさん。それもとっても綺麗な響きね。よく似合ってるわ。
 あの、でもね、もしも特別な呼び方とかで……何か困ることがあれば、控えるのでね? そこは教えてね?」

 困ったような顔色もうかがえたので、さすがに空気読んで遠慮がちに。

ワルシュミスタ > 「はい・・・たくさん用意しましょう。あ、費用はわたくしが持ちますのでどうかお気になさらず・・・」

 実のところ、たらしこんだ貴族の財布から出すのだが、それはあえて言わない程度の狡さはまだあったりする。

 「距離はあんまり関係ありませんわ。流石に海の向こうなんかには行けませんけど、国中・・・隣国ぐらいでしたら、ギリギリOKでしてよ?」

 喜んでくれた様子の彼女にほっとした顔するも、続いての言葉に
眉ひそめ。言うべきか言わざるべきか・・・しかし、『友達』にあまり隠し事はしたくない・・・今度は短い時間悩んだ末に。

 「実は・・・【ルーシュ】は、わたくしが妹と愛し合う時の呼び名なのです。わたくしは構わないのですが、もしティアが妹・・・【ディスタ】とわたくしが話し合う前に会ってしまって、それを口にしたら・・・相当険悪になると思いますの。そうならないように最大限努力はいたしますけど、もしそうなったら・・・あの、わたくしとの『友達』はその・・・おやめになっても構いませんので・・・う・・・」

 何ということはない、心配しなくていい。そういうつもりだったのに『友達を止めてもいい』と口にした途端悲しくなって、泣き顔見られたくなくて慌ててティアから顔を背け。

ティアフェル > 「んー……ありがたいけどちょっと悪いなあ……じゃあ、お口に合うかは分からないんだけど、わたし、なにか作ってってもいいかな? 難しいのは無理だけど、焼き菓子くらいなら」

 費用を負担してくれるという言葉はありがたいものの、女子会を持ち出したのは自分なのにと恐縮な気持ち。
 せめて、と持ち込み菓子の申し出。舌が肥えているならちょっと自信がないが。家庭料理ならばな腕前。

「ほほーう。いいな! 非常にいいな! 歩いて帰るのかあ…って憂鬱だったし嬉しい!」

 それに現状報告収集もあるので一刻も早く帰投したかった。今回本当に助かるとありがたやしていたが。
 やがて、そこか逡巡気味に事情を語ってくれる声に聴き入り。
 思いの他濃い内容に、少し驚くが。そうか、魔族だからそういうことも…と納得もし。

「――あの、そんな大事な名前を教えてくれて、まずありがとうね?
 それじゃあ、妹さんの方にお話ししてもらって。妹さんの方もわたしがそう呼んでいいよって了解してくれたら、その時は呼ばせてもらうことにしていい?
 もしも妹さんが嫌だって云ったら全然、その時は大丈夫だから、そんなことで友達はやめないから、せっかくだもん。わたし厚かましくて悪いけど、仲良くしてやって」

 妹さんとの問題だったらそこはもちろん弁えます、と。悲しい顔をされたら慌てて手を伸ばしてもう一度握ろうとしながら。
 声音は努めて柔らかく、優しく響くように注意して伝えた。

ワルシュミスタ > 「手作り・・・ふふ、家族以外のなんて久しぶりですわ。焼き菓子ですの?・・・はい!是非!!」

 『友達』の手作りだというのも勿論だが、確かに焼き菓子は好物なので、この女にしては珍しく目キラキラさせて頷いてみたり。

 「いいえ。ティアもわたくしにとっては大事な『友達』ですもの。お礼を言われるようなことではありませんわ♪
  あ、ティアがわたくしを【ルーシュ】と呼ぶことには何の問題もありませんし、妹にも文句なんか言わせませんわよ?ただ・・・あの子・・・妹がわたくしが自発的に教えたのだと知る前だとティアの事を嫌うかもしれませんの、わたくしに拷問でもして聞き出したのではないかと・・・
 何せ、かなり親しいセフレでもないヒトにこの呼び名教えるのは初めてですので」

 さらっとトンデモ爆弾発言してみたり。

ティアフェル > 「持ち運びするから焼き菓子かなー。バターケーキやクッキーとかなら。食べてくれるなら気合入れとく」

 味にうるさい彼女の舌を満足させられるかはともかく、友情籠めると目を輝かせてくれるので。気合は充分。

「ううん、嬉しいときはやっぱりありがとう、だよ。
 いやー…わたしも妹さんには嫌われなくないので……本当にないので。許可下りてからでおっけい、です。拷問したとか思われたくはないし。マジで。
 おう……非常に高ハードルな呼び方だったのねえ……」

 極力人の恨みは買いたくない。ましてや魔族の恨みならなおのこと。今しばらくは愛称で呼ぶのは避けます、と気を遣う。
 投下された爆弾に被爆しかけて、あははーと自分でもなんの笑いなのか良く分からない笑声。
 そして、クッキーをいただいてお茶を飲み干したところで、

「ごちそうさまでした。――もうちょっとお喋りしてたいんだけど……そろそろ行かなきゃ……ギルドに早く報告行かないと大目玉喰らっちゃうわ」

 扉を近場までつなげてもらえるのでかなりの時間の短縮にはなったが、それでも急ぎ戻る用ではあり、立ち上がって。

ワルシュミスタ > 「いえいえ・・・さして高くもないのですけど、あの時は状況が状況でしたから、そういう事にならないのも致し方ありませんわよ♪

 まあ、すぐに話し合いは致しますから、もし妹にあったら仲良くしてあげてくださいましね?本当にイイ子ですから・・・いろんな意味で」
 
 いつもなら獲物を逃した悔しさに歯噛みなどしたかもしれないが、予想外の収穫・・・『友達』が出来たのだから、これはこれで良し、と一人納得してみたり。さりげなく?妹の売り込みもするあたり、良き姉であることには違いないのだろうが。

 「あらあら・・・ではすぐに参りましょうか。ふむふむここですわね・・・」

 扉つなげたついでに先程扉を開けていたのに似た『真鍮製の鍵』を渡し、これなら記憶を失わずに扉に出入りできましてよと再びの爆弾投下しつつ、別れを告げたと。

 

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からワルシュミスタさんが去りました。
ティアフェル > 「や、高いから。高所に設置されたハードルなんで。

 うん、妹さんとも仲良くなれると嬉しいな。……そうね、きっと諸々いい子なのね!」

 深い意味を考えるのは一旦停止いたしまして、このお姉さんもいい人なので、妹さんもまた優しい子なのだ、とそこを考え。

「送ってもらってありがとう! じゃあ、困った時は呼んでねー」

 今日の恩は忘れずいつか返す、とひらひらと手を振り。そして、鍵をもらうと。いいの?と目を瞬いたが、せっかくなので預かっておいて。
 記憶を失うというところは認識していなかったので。「そうなの?」と若干不可解そうにしながらも鍵を仕舞ってから、またねと笑ってその日は別れたのであった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からティアフェルさんが去りました。