2021/12/03 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にエンデさんが現れました。
エンデ > 冬を迎えて、朝晩は随分冷え込むようになっていた。
けれどもこうして、木立の切れ目にぽかりと出来た、動物たちの憩いの場―――
麗らかな日差しを浴びてきらきらと輝く、澄んだ泉のほとりは、昼間ならそれなりに暖かい。
燃料のかかる湯浴みよりも、こうして昼間、湧き水で身を清めるのが、
季節を問わず、少女にとっては当たり前の日課になっていた。

「ふ、ぅ………帰り道でもう少し、枝を集めていかなきゃね」

泉のほとり、芝生の上に畳んでおいた衣服と、揃えて脱いだ木靴。
それからここへ来るまでに、いくらか集めておいた枝の束を見やって、
真白い裸身を水面に沈めた少女は独りごちる。
集めた枝で火を起こし、母親のために湯を沸かさねばならないからだ。
小柄な少女にとって、それなりの重労働ではあるけれど、
敬愛する母のためともなれば、さしてつらいとも思わなかった。
ぱしゃん、と両手で水を掻き、煌めく水滴に目を細めて、寛ぎのひとときである。

エンデ > ――――――ぶる、と小さく身震いして、我に返る。

気がつけば、だいぶ西に傾きかけて、色を変え始めた陽光。
これ以上いれば冷え切ってしまうだろうと、身軽に泉から身を引きあげた。

手早く身支度を整え、枝を抱えて歩き出す先は、森の奥深く。
母親の待つ小屋へ、小枝を拾いながら戻って行き――――――。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からエンデさんが去りました。