2021/09/21 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にルーミスさんが現れました。
■ルーミス > 今日も今日とて、材料採取の旅である。
旅といっても一日か、長くて二日が殆どだが油断は出来ない。
街道から外れれば魔物と出くわす危険性も高まる。
一応戦えなくは無いのだが、最後に実戦したのはいつだったかもはや思い出せない。
「ま、……どうあろうと来るんだけどな。結局」
以前とは別の冒険者に頼んだところ、またも違う材料を持ってきてしまった。
すっかり冒険者とやらを信用しなくなった錬金術師は、自らの足と腕を頼るようにしたわけで。
開けた草原にテントを張り、昼のうちに集めた材料と諸々向き合っているわけである。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にミシェルさんが現れました。
■ミシェル > この近辺における魔物の大量発生の調査の為、派遣された女男爵。
調査の結果それが最近の地震による地殻変動の結果露になった、
小規模な遺跡に設置されていた魔導機械の影響であることが判明。
早速それを機能停止して持ち出し、うきうき気分で帰り道を歩いていたのだが…。
「うーん、そろそろ野営の準備をすべきか…」
日も落ちてきて、暗くなった状態で魔物と出くわす可能性のある場所を歩くのはぞっとしない。
とはいえ、魔物が多い状況で一人でテントを張るのも少々不安。
誰か冒険者でも野営していないかと辺りを見渡すと…。
「お、いたいた」
草原の開けた場所に焚火の光を見つけ、ミシェルはそちらに向けて歩く。
「やぁこんばんは、今夜は隣に泊めて貰ってもいいかな…って」
そしてたどり着いてテントを開けると、そこには見知った顔がいた。
■ルーミス > なぎ倒す…とまではいかないが、周辺の魔物をあらかた退治してテントを張った為、
その草原は月明かりに照らされて閑散としていた。
材料とにらめっこしていると、テントの入り口が開く。
驚いて振り向くとそこには見知った顔があった。
「……ミシェル? 何やってんだよこんな所で」
お互い様な問いかけをしながら、身体ごと向き直った。
服装を見れば割といつも通りだったので、散歩に来たと言われてもうっかり信じてしまいそうな程には違和感が無い。
■ミシェル > 「やぁルーミス、息災で何よりだ」
ミシェルは遠慮なくテントの中に入り、ルーミスの向かいに座る。
そうして、ガチャリと重そうな音を立てながら背中のザックを降ろす。
探検用のものであろう道具が少しばかり飛び出している。
「ここから少し離れた場所で魔物が異常発生していてね?それの調査さ。
これでも宮廷務めだからね。こういう仕事もしなくちゃいけない」
本音を言えば魔導機械の研究開発と遺跡の探索だけしていたいのだが、
王国はどこも人手不足。一流の魔術師を自分の仕事だけさせておく余裕は無いのだ。
「そういう君は、薬の材料を?」
ルーミスが並べていた、薬草だの何だのを見ながらミシェルは問う。
「自分ひとりで採取するとは意外なもんだね」
■ルーミス > ガチャ、と物々しい音を立てながら下ろされたザックを見、
大変そうだな、と月並みなことを口にする。
「ふぅん。一人で行ったのか?
実質魔物退治みたいなもんだから、冒険者と一緒だったとか?」
勿論相手が強いことも承知しているのだが。
探検用のあれそれが詰め込まれた重そうなザックを背負って戦闘となれば一筋縄ではいかないだろう。
そう思って問いかけた次第。
「あぁ、そうだよ。……ま、一人の方が楽だしな。
冒険者なんかに材料採取を任せてたらろくなもん取ってこなくて」
困る、と苦笑する。そういえばと思い立ち、バッグから薬瓶を取り出すとミシェルに放った。
「それ、新作の媚薬。誰かで試してみたらどうだ?
お試し料ってことでタダでいいよ」
■ミシェル > 「一人だよ。単なる調査だからそれで十分なのさ。
上は騎士でも付けようかと心配してくれたけどね。
戦闘はなるべく避けて発生原因を探した。で、見つけたのがこれだ」
ザックから、よいしょ、と何やら重そうなものを取り出し、
ごとりと床に置く。
それは、錆びた歯車の塊のように見えた。
「こいつが作動しててね、それに魔物が引き寄せられてたんだ。
まぁご覧のように無事に停止させたわけだから、
後は集まった魔物を冒険者集団にでも依頼して倒せばいい。それは僕の仕事じゃない」
そう語りつつ、取り出した魔導機械を愛おし気に布で磨いている。
「なるほど…そりゃ大変だったね。
冒険者なら魔術師系の人間に依頼すべきだよ?多少は知識もあるし」
普通の、傭兵崩れかならず者上がりのような冒険者では錬金術の材料など見分けもつくまい。
ギルドももう少し教育してくれると嬉しいのだが。
「おっと、なるほど…?
ありがとう。帰ったら誰かを口説いてみるよ」
ミシェルは興味深げに薬瓶を振りながら、中身を眺めていた。
■ルーミス > ミシェルの調査内容に興味深く耳を傾け、置かれた歯車の塊のような魔導機械を眺める。
此方もまた研究者の端くれ、こういった類のものには興味を惹かれがちだ。
「へぇ……面白いな。ま、何にせよ無事目的を達成できたんなら何よりだ」
そう言いながら近寄り、片手でその魔導機械に恭しく触れようとする錬金術師。
振れるとはいえ下手に弄り回すようなことはない。
そうしては駄目なことは経験上よく知っている。
「そうだな。…幸い、魔道具を片手間で作ってる冒険者の知り合いも出来たから、
次からは頼んでみようかな」
今思い出したように呟く。
薬瓶の中に入っている液体は無色透明だ。
開けてみれば分かるが匂いもほぼしない。パっと見でそれと見破るのは難しいだろう。
「使ってみたら感想と効果を教えてくれ。改良とか…色々することもあるしな」
■ミシェル > ルーミスが触れようとすれば、ミシェルはそちらに魔導機械を押しやる。
封印措置を施してあり、少なくとも王都に戻るまでは再起動するようなことはないはずだ。
「今回はすんなり終わってくれてね。こうして戦利品も手に入れたし」
そう言いつつ、ミシェルは貰った薬瓶を大事そうにザックのポケットの一つにしまう。
「そりゃあ責任重大だ、ばっちり使い勝手を報告すると約束しよう。
……しかし、それなら自分で誰かに使ってみるほうが直に効果が見られるんじゃないかい?」
ルーミスのほうに視線を戻し、ミシェルは疑問を口にする。
■ルーミス > 押しやられた魔導機械に触れる。
ひやりとした無機質な感触が心地良い。昔はこういう機械を弄っていたこともある為、
懐かしさを感じて口元を緩ませた。
「うーん……自分で使うと主観が邪魔するからな。
他人の口から感想が聞きたいんだよ。それも素人より、経験者の方がもっといい」
難しいよな、と肩を竦める。
それから意味ありげに笑って顔を寄せると、ミシェルの唇を軽く啄もうとして。
「ま、自分からするなら媚薬を使うより、口説き落としてする方が好みだし」
■ミシェル > 「ここが研究所ならそれが何なのかある程度明らかにできるんだが…、
生憎野外じゃ調べようがないね」
魔導機械に触れ笑みを浮かべるルーミスを見ながら、ミシェルは言った。
何か明らかになったら今度会った時に教えよう、とも。
「はーん…なるほどね。言うことは分からないでもないね」
そうして顔を寄せる彼女も特に拒まず、軽い口付けにこちらも口付けを返した。
「僕も口説き落とすほうが好みなんだけどな…。
……あ、そうだ。二人一緒に誰かを口説いてみるかい?アレ使って」
それなら本人の見た感想とミシェル視点の感想が一緒に得られるのではなかろうかと。
■ルーミス > 「とはいえ、研究所に私がお邪魔するわけにもいかないだろうしな」
今度教えてくれると聞けば、ありがとう、と礼を告げて微笑む。
あらかた触った後は、もういいよ、という風に押し返した。
軽い口付けの後、提案に意表を衝かれたかのよう瞬く。
が、すぐに乗り気に応じて頷いた。
「いいな、それ。やってみよう。
流石に今日は無理だから、王都に帰った後…お互い暇な時に、だな」
とはいえ、どちらかといえばミシェルの方が多忙で時間が取れないだろう。何せ宮廷勤めだ。
ミシェルに合わせるよ、と言って寄せた顔を離した。
■ミシェル > 「いや、いいよ?気軽に来て貰っても。僕は大歓迎だ。
これでもある程度自由に動かせる地位ではあってね…」
恐らくミシェルの名前を出せばすんなり入れて貰えるだろうか。
優れた錬金術師であれば拒む理由もない。
押し返された魔導機械を、またゆっくりとザックにしまい直す。
そしてそのまま重いザックをテントの隅に押しやった。
「まぁこんな所に女の子はいるまいか…夜中に探すのもな。
王都に帰ったら報告だけすれば後はしばらく暇になるよ。
そう何日もかからないだろうし」
仕事は多いとはいえ、流石に調査の旅の後は休暇ぐらい貰えないと身体が持たない。
ミシェルとしてはすぐにでも戦利品の魔導機械の研究に入りたい気もするが、
まぁ…これは逃げないことだし。
「それに…出かける前に何人か良さそうな子は見つけててね」
ミシェルは上着だけ脱ぐと、床に寝転んでくつろぎ始める。
■ルーミス > 「そう? なら、私の暇が出来た時にでもお邪魔しようかな。
他にも色々、勉強になるようなことはあるだろうし…」
ミシェルの研究室でなくとも、ぶらつくだけでも知識を吸収できそうな場はぜひ足を運んでみたい。
そう思いながら、彼女の有難い言葉に素直に喜ぶのだ。
「こんなところには魔物か、動物か。少なくともうろついてる人間はそういないだろうな」
いるとすれば冒険者がせいぜいか。
此方も広げていた材料をバッグに詰め込み、隅の方に押しやりながら呟く。
「随分と手が早いなぁ。…ってのもまぁ、いつものことか」
昨日今日会った仲では無いから、ミシェルの手の早さはよく理解している。
苦笑しながらも少し感心すら覚えていた。