2021/08/16 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にロイスさんが現れました。
ロイス > 森の中、男が一人歩いている。
時々土の中を素手で掘っては、ううん、と首を捻っている。
その理由は、今回男が受けた依頼である。

――キノコ採取。
それも、所謂『地下生菌』と言われる、土中に生えるキノコである。
具体的に言うと、

「採れたてのトリュフが欲しいって、マジかよ……」

この手のキノコが採れる場所は、キノコ採りを生業とする者たちでも基本的には秘匿する。
それこそ、親兄弟にすら漏らすなと言う程である。
なので、男自身、誰も受けないから受けたものの、失敗という泥を被るつもりで受けた依頼である。

「それにしても、暑いわ泥まみれだわ徒労だわ、本当良いところないなぁ、この依頼!後輩に回らなくて良かったよ、ホント!……いや、俺もやりたくなかったけどさ本来!」

などと、切れ散らかしてみても仕方ない。
男の目的に照らせば、山の中に入った時点で後は適当に時間を潰しても良いのだが、男はその辺真面目であった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > 旅の途中。
真夏と比べれば幾分かは日照りが穏やかになっても、じりじり焼ける街道はまだ避けたようがいい。
そんな理由から踏み込む森の中。幼い頃から自然と木に親しんできたから、土地勘がなくとも方向には迷わない。
木陰の風に秋の匂いが混じっている事に気づいて目元を緩めると何かしら、人の声がする。

曲刀の柄に手を伸ばして茂みにしゃがみこむ。
目をこらせば、金髪の男の人が緑のマントを泥まみれにして歩き回っている様子。素手も土に汚れている。
山賊や魔物のようには見えない。彼は何をしているんだろう?きっと……探しものか、何か。そう思えた。
話しかけてみようという好奇心がもたげ、
得物から手を離して、ゆっくりと足音を立てながら近づいて。

「こんにちは、隣人さん!
僕は旅の途中でこの森を横切るところだけれど。
お兄さんはー、……泥まみれで何か探してるの?」

驚かさないような距離から現れ、敵対するつもりが無いとばかり片手を揺らす。
にこやかに挨拶すれば、指の先まで土埃にまみれた相手の姿を見上げ。軽く首傾ぎ。

ロイス > 「ん……?」

何か、否、誰かの足音が近づいてきたのを感じ、首だけで振り返る。
見れば、涼し気な印象を与える白い単衣と、緑の巻きスカートを着た少女がいた。
おっと、と言って、男は立ち上がる。

「泥だらけで失礼。
俺は、ロイスって言う冒険者だよ。
依頼でキノコ採りをやってるんだけど……」

にこやかに挨拶してくれた少女にあまり気まずい思いをさせたくなく、敢えて明るい笑顔を向ける。
敵意はない。し、こちらが警戒する様な間合いまで踏み込まずに声をかけてきたのも好印象。
だから、できるだけ苛立ちは見せないように明るい声で、

「まー、見ての通り釣果はボウズって言った所かな。
やっぱ素人にトリュフは無謀だったね……っと。
そういえば、お嬢さんのお名前をお聞きしても?」

こうして会ったのも何かの縁。
名前ぐらいは聞いても良いだろうと。

タピオカ > 「ロイス。……なんだ!同業者なんだね!
実は僕も、これでも冒険者なんだー」

名前を先に渡してくれる紳士さに少し嬉しそうに、自分の舌で繰り返す。冒険者と聞けば声音は弾み、腰布に収まる曲刀の柄を指先で叩いてみせる。
自称ではない事を示すため、一瞬で柄を握り鯉口を切り。また一瞬にて鞘に収める。後に遅れ、ちゃっ、剣が抜かれた硬質な音。

「あは、キノコは山菜よりも難しいもの。
僕はタピオカだよ。よろしく、ロイス!ロイスー……先輩、かな?へへ」

芳しくない結果を聞くと、その労苦を慰めるように笑みかけ。名前を告げると、無防備に素手を相手へ差し出して握手を求める。先に、相手の事を信頼するつもりだ。
年長への尊敬の念を、先輩と戯れて小さく笑い。

「トリュフだったよね。うーん、……ここからちょっと戻ったあたりにナラやカシの木がいっぱい生えてたよ。
もしかしたらその根本あたりにあるかも。
僕は小さい時にトリュフ探しで遊んだことがあるんだー。
良かったら、お手伝いしよっか?」

唇に指あてながら、自分の歩いてきた方向を振り返り。
それなりに件の採取物探しの経験があることを告げ。
お手伝いを申し入れつつ、トリュフ探す雌豚のような。
両手を後ろに、くんくん、と小鼻を揺らす仕草をして戯れ。

ロイス > 「ああ、そうなんだ。武器持ってるからもしかしたら、とは思ってたけど……お」

最後のお、は感心した様な声で。
曲刀の抜き差しは、慣れてないともたつくものだ。
それをスムーズに行うのは、獲物を扱うのに慣れているという照明だろう。

「そうだねえ。覚悟の上だったけど、此処まで見つからないとは。
タピオカ、か。そうだね、俺は十年ぐらいやってるからねえ」

と言って、差し出された手を軽く握って、ゆっくり上下に振って。
こちらこそよろしく、とぽんと肩を叩いて応じる。
人懐っこいが、後輩としては良い子だと思う。
こういう子がいると、先輩ぶり甲斐もあるなあと思うが、しかし次に来た言葉は目を瞠るものだった。

「え、マジ!?そういえば、確かに楢の木とか見たような……。
うん、是非お願いするよ。報酬はそっちに回すからさ」

少なくとも、自分一人では何時までやっても見つからないだろう。
ならば、報酬は全額タピオカに回すのは道理である。

「(それにしても、表情豊かな子だなあ……いや、この年頃の子は皆こんなもんかな?)」

俺も歳を取ったのかもなあと思いつつ。
手伝ってくれるならば、彼女の先導に従うつもりで。

タピオカ > 彼の大きな手に指絡め。体温感じつつ嬉しそうに、きゅっ。
先輩らしく肩に触れる様子に微笑む。
面倒見のよさがそこから滲んでいるような気がして。

「依頼を受けたのは先輩だから、先輩がお金受け取る権利あると思う。でも、そう言ってくれるなら。お言葉に甘えて!
任せて!報酬分は働くから!」

依頼を横から割り込んでしまった感があるものの、先輩の道理に預かろう。その分は彼のお役に立とうとケツイも新たに。ぽんっ。軽く握ったこぶしで自分の胸元叩き。

「――このあたりかな。
これは、ナラだね。うーん、でもここじゃないかな。
もっと先。……こっちだよ、先輩」

――そして、先輩の前に先立って歩く小さな背丈。
やがて生えているナラの木肌に触れて。
けれどなんとなく違う気がする。カンに従って、手招きをする。迷う事なく歩く先には別のナラ。今度は少し細めの幹だ。

「うん……、ここ!きっとここだよ。
今から僕は、雌豚になりまーす!
ぶーぶー!」

ひとつ頷くと、かすかであるが他とは土の色とそこから漂う匂いの違う場所を探りあて。
無駄に自信を披露しながら、動きやすいように背嚢を背から下ろす。
トリュフ豚の真似事をして楽しげに豚鳴きまで響かせると木の根本にしゃがみこみ。地面に落ちていた、手近な枝を拾って両膝をつく。半身屈めて掘り進め。

その作業に夢中になる余り、巻きスカートのスリットから腿が露わになるのも気にせずに。

しばらくすれば、ややこぶりながらしっかりとした形の、特徴的な黒トリュフが顔を見せ。それを取り出すと、先輩冒険者へ振り向きながら差し出し。白い八重歯をにー!と浮かせてみせて。

ロイス > 「まあ、後輩にお金を回すのも先輩の甲斐性さ。
それじゃ、よろしく」

ぽん、と軽く胸を叩く彼女に、微笑ましさを感じて。
彼女の後をついていく。
流石に冒険者なのか、迷う素振りもなく歩いていくのには頼もしさを感じる。
幼い頃からトリュフを見つけて遊んでいた、というのも、この分ならば頷ける――と思っていると、急にタピオカが豚になった。

「えっ?」

いや、勿論土の中にあるキノコを探すのだから、土に顔を近づけるのは道理だが。
しかし、豚の真似をする理由はないだろうと思う。
童心に帰って、という事なのだろうか……いや、それにしても大分不思議な子だなあと思いつつ、彼女を見守っていたが、

「ぶっ……!?」

豚のマネではない。
スカートのスリットから、脚が根本近くまで見えてしまっている事に気づいてしまったが故の吹き出しだ。
これは、注意したほうが良いのだろうか、と思うが、その前に彼女がトリュフを掘り出してしまった。

「え、あ、ああ、もう見つけたのか。早いね。俺がやった時は全く見つからなかったけれど……」

少し頬に熱を感じるが、流石に今のを注意するのは彼女の恥にもなる。
何事もなかったように取り繕って、声をかける男。
ただまあ、流石に顔は見れずに、多少視線を逸してはいるが……

タピオカ > 「へへっ!
このトリュフから出てるのは、雌を誘う雄豚のフェロモンらしいよ。というわけでー、雌の豚さんになりきれば簡単なんだよ!」

取り出したトリュフの土を手先で簡単に払いのける。
そして、それを見つける心得を披露。
それはコツと言うには精神論すぎるし、本当は木や土を毎日のように見て初めて見当つく類のものだけれども。
子供の遊びのように無垢でなければ、言い換えれば動物的でなければ見つからないという事でもある。

「えっと。……トリュフを見つけるっていう依頼には、何個トリュフを見つけなきゃいけないっていう指定はあったのかな?
……どうしたの?先輩。ちょっと、顔が赤い……?
あ……」

ひとまず、依頼達成ということにして先輩の顔を立てるためにはこのトリュフひとつだけで良かっただろうか。
捜索再開しようかどうかと首を傾げるも、何か妙な空気を相手の顔色から察して。ぱちぱち、瞼を弾ませ。

「先輩、もしかしてー……。僕のここが、気になった?
ふふ。……調べても良いよ。先輩!
もしかしたら、僕のスカートの中に……。
黒よりも貴重な白いトリュフ、見つかるかもだよ?
先輩……。
僕のスカートの中に、顔……。潜り込ませて、みる?」

先輩へと悪戯を思いつく。
どこか悩ましげな笑みを浮かべると、黒トリュフを一度足元に置いて。
巻きスカートの両裾に手をかけると、ショーツの股座が見えるか見えないかギリギリまで持ち上げてみせ。
その中に求めるトリュフ、それも貴重なものがあるのかもしれないと囁きかけてみせ。

ロイス > 「へ、へえ。トリュフ探しに豚を使うのは知ってたけど、そういうからくりなんだ……」

トリュフに視線を移せば、多少は不自然さも紛れるだろうと思い、そっちに視線を落とす。
彼女が披露してくれる知識は、有意義ではあるが、しかし流石に男には難しいだろう。

「え、えーと、依頼だと二、三個程度って言ってたけど……」

とはいえ、捜索するとなると、また彼女は地面を調べるために這いつくばる事になるだろう。
最初は仕方ないにせよ、自分でそれを頼むのは違う気がして、どう断ろうかと思っていたが、しかしその前に、彼女のほうが察した様で。

「えっ、えっ」

突然、豹変してスカートを持ち上げてくるタピオカ。
それに、一瞬唖然として口をぽかんと開けてしまったが、現実に立ち戻ると「うわわ」と意味のない声をあげて後ろを向く。
そんなつもりじゃ、とか、色々な言葉が頭の中を渦巻くが、その中で無意識に選んだ言葉は、

「お、大人をからかっちゃ駄目だよ!
幾ら同じ冒険者だからって……。
冒険者の中にも、質の悪い人はいるんだからさ!」

心臓がばくばくと鳴って声が裏返りそうなのを必死に抑えつつ、男は言う。
だが、それとは別に、彼女が言った白いトリュフという言葉を思い出して、うっかりその意味と、結局見えなかったスカートの中身を考えてしまい……

「(いやいや、何を考えてるんだ。
冗談に決まってるだろあんなの!)」

顔をぶんぶんと横に振る男。
心臓に悪いと思いつつも、とにかく乱れた心を鎮めなければと深呼吸しているが――

タピオカ > 「僕はロイス先輩を信頼してるよ。質の悪い人じゃないって!
だから、こうやって提案してるの。
……からかってるなんて、ひどいなー。僕の雌豚としての鼻の良さは、さっき披露したでしょう?
トリュフから出てくる雄の匂いを、雌は探すの。
だからー、そのため。
……僕は先輩と、こういうえっちなこと、するの。
僕を発情させてー、もっとトリュフの匂いをよく探せる、……雌にさせて?」

後ろを向いて深呼吸繰り返すその背丈に寄り添って。
背伸びをすれば、耳元に再び囁く。
後半ともなると、耳孔に直接息を注ぐように。
単に悪戯で終わるわけではない、この行為の仔細を説明して。

「それに。
……もしかしたらほんとに、あるかもしれないよ?トリュフ……。
どんな色かわからない、トリュフがね。
僕のスカートのなか、確かめてみたく、ない?
そこに先輩が鼻先を埋めたら。どんな匂いがして、……どんな柔らかさで。どんなぬくもりなのか……。
先輩、トリュフを探しに来たんでしょう?
それなら……。可能性のある場所、探さなきゃ……」

もっともらしい理屈のあとは、甘い誘惑こもった声音。
手先でそっと、細身ながら筋骨逞しい肩に、腕に触れ。
胸板に触れると、もう一度だけ囁く。

「こっち向いてしゃがんでよ、先輩……。
僕の、スカートの中……。調べて、みて……?」