2021/08/11 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 肉塊洞(かいどう) 」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 王都 自然地帯 洞窟型ダンジョン

―――肉の塊洞―――

其処は、一種の生きたダンジョンと呼ばれている
総ては疑似的なものであり、石壁 土壁 石床など
総ては偽造 本来は全てが肉で造られているというものだった

洞窟という擬態になり、中に魔物や獣を住まわせ、殺し合わせる
得る血肉や魔石がダンジョンとして魔力を循環し、継続させている空間
時には、亀の舌が蚯蚓に見える疑似餌のように、何者かとなって助けを求めようと
奥まで誘うこともあるかもしれない

そんな、硬くも柔らかくもあり、色も様々である肉の洞窟内
メイラは全身を首下から全身鎧で纒い、革のフードマントも身に着けた姿
背中には巨剣を背負い、洞窟内を出歩くそれは笑みを浮かべている
紅い瞳は、混ざり者の身体故に夜目が聞いているかのように松明を必要としていない

共存しているのか光苔の明かりが点々とあるものの、それはメイラにとっては興味を引くこともないだろう
メイラが来た理由は一つ 洞窟内での 疑似的 試し斬り共 を使った鎧の試運転に他ならない
適当に動かす場所を探して、この場所を拾ったというだけだった

「フフッ」

その笑みは、これから何が起こるのか それが予想できるかのよう。

メイラ・ダンタリオ > 肉でできたダンジョンは、入り込んだ者らを 溶かし 取り込み 循環させるだけ
ただの洞窟という孔ではなく 魔力を帯びた空間 ダンジョンとして成立させることで
其処にはいろいろな意思を宿らせることが出来る

此処で始まり、此処で終わらせる 消費するばかりでしかない空間の中は脅威度は低い
外への影響があまりないこの場所は、夢幻を魅せ 現実を見せ 奥へ引き込み 溶かすだけ
巨大な食虫花のようなものでしかない

その中を、メイラが歩く
魔族混ざりという条件の混血人は、肉の体 魔を帯びる血肉 それがダンジョンにとって感じ取れた時
欲しいと思わないわけがない どうにか、他者と生存競争をさせて、破らせたいと思うのだ

それが道筋を造り、他の迷い者と鉢合わせにさせることでも
疑似的な声ですら模倣させる 王都人かなにかを想わせて助けを乞うなど
色々とやりようはあったろう
しかし、偽造させた床で感じ取る装備の重さや その足取りからわかる力強さに
ただの騙しではどうにもできないと、ダンジョンに食えるビジョンを与えなかった

「わたくしが 欲しいのでしょう?」

そうしてメイラは初めて言葉を口にする
ギザ歯の笑みと共に、鎧を身に纏った姿での試運転
背中の巨剣を抜きながらにして、この広い空間の中
メイラは首を カキリッ と鳴らして応える

「ならやってみなさいな
 数が間に合えば、やりようもあるでしょうよ」

そう言って、此処に住んでいた者らが 毛深鬼 緑肌小鬼 異臭肥鬼
洞窟内を根城にする者らが吸われ、まだ記憶に残っていた者らが
疑似肉でその場から生まれ出てくる 手には棍棒と偽った硬い肉の塊を握って。

「慣らし運転開始ですわ。」

メイラは独り、この活性化されたダンジョンにて一人囮を演じながら
初運転となる鎧姿での荒々しいトレーニングを始めだす。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 肉塊洞(かいどう) 」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。