2021/08/01 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からミシェルさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 渓谷」にジギィさんが現れました。
ジギィ > 陽光がほぼ中天から差す森の中。
樹々はその光を恵みとして緑の天井を差し伸べて、平地と比べれば随分と過ごしやすい場所は、動植物の生気で溢れ返っている。
喧しく鳴き交わす鳥、若木を揺らす動物、昼なお喧しい夏の虫。

「……元気だねぇ…」

木陰で岩場に腰掛け、さらさらさらと流れる清流に足を浸して呑気な感想を述べるエルフがひとり。
夏に繁る薬草採取は、見つけるのは容易だが兎に角体力を使う。休める機会は逃さずにいるのは鉄則で、こうして見つけた渓谷で涼をとって一休み中。
持ってきた保冷効果のある革袋の容量もそれ程ない。そろそろ帰る頃合いなのかもしれないが…

「きもちよすぎるー…」

ごくごく小さな渓谷は上手でこれまた小さな滝を作っていて、跳ねる飛沫を纏って吹く風がまた心地よい。流れ下って行く行く先をぼんやりと眺めてから、脚を浸したまま背後へひっくり返る。
青葉から零れる光が少し眩しい。

(戻るか、もうちょっと堪能するか……)

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 渓谷」にイーヴィアさんが現れました。
イーヴィア > (普段山脈の方まで足を延ばす事が在ると考えれば
この辺りはまだまだ、近場、と言えるのだろうが
例え近場であっても、準備に手を抜く訳ではない
背負った荷物袋は相変わらず、至極重量感を感じさせる事だろう
なものだから、がさり、ぱきぱき、歩くたびに音は鳴る
獣除けの意味もある故に、敢えて気を遣う事も無く。)

「――――……大分日差しがマシになって来たな。」

(渓谷へ這入り込んで、漸く。 主に体感の温度がマシになって来た。
暫く歩き進めば、水の気配もしてくる。
川水でも確保するべきかと、其方に足先を向けたなら
きっと、暫くして気配が先客の元にも届くだろうか)。

ジギィ > 「―――んぁ…」

ちらちら零れ落ちる陽光に瞼が落ちかけていたエルフから、間抜けな声が上がる。
それでも一応森の人エルフ。寝ぼけまなこから覚醒するまでの瞬間で、届いた気配が―――音が、獣のものとも後ろ暗いヒトのものでもないと認識を終える。

(どうしよかな)

岩場が入り組んだここでは、寧ろ動いて身を起こした方が近くに居る鳥も飛び立つやもしれず、見つかりやすいだろう。
そういう事にしておいて―――決して面倒だったわけではない―――そのまま岩場にぐったり寝そべって、声を掛けるかどうかは取り敢えず保留。気配の方に顔だけ向けている。

相手が視界にエルフを入れることになれば、何ぞ陰干しされている人型を認識できるだろう。

イーヴィア > (歩きながらも、様々な方向に視線を向ける
必要な採集物が無いか、目的ではなくとも、目新しい物が無いか
火事場にこもり無心で金づちをふるい続けるのも良いが、こうして外で
自らの仕事に使える物を探す事も、其れは其れで良い物だ

そんな折――川辺が見えてきた、其の辺りで
岩石などがどんな組成なのかを見る為、視線を落としたその先
寝っ転がっている人影らしきものを偶然見かけては――僅かに、止める動き
こんな処で、出くわしたソレに、当初思い浮かべたのは
休憩している、と言うよりもむしろ、行き倒れ、の方であり。)

「――――おーい、生きてるかー?」

(響かせる声、一応、控えめでは在るが。
反応が在るかどうかを確かめようとしながら、ゆっくりと其方側に降りて行き
そして、その内に彼女の傍まで歩み寄って行くだろう
其の際までまだ、寝転がって居るのなら、多分、酷く怪訝そうに
エルフの顔を見下ろす視線が、向けられる筈だ。)

「――――――………何してんだ?」

ジギィ > かの気配が近付いて来る、その間に脳裏に思い出すものがある。
暗い森と、土の匂い、金属の触れ合う音。
だものだから、声が聞こえてきた時には符牒があったとばかり、女エルフの顔ににへらと笑みが浮かぶ。
ごくごく近くまで彼が近寄って来るまでそのまま寝転がって、見下ろしたその顔が怪訝になったのはむべなるかな。

「やっほー、いきてるいきてる。
 ひさしぶり!
 何って、ひしょ、避暑。
 相変わらず重くて暑そうねえ?」

仰向けに寝そべってにやにや笑うエルフは、まあ座って、とばかりに木陰となっている岩場の隣をペンペン叩く。
それからジャバッと水から足を引き上げると、彼の方へ横向けに寝そべる格好になって

「朝から薬草採り散策してたら丁度いい場所見付けちゃって。
 そっちは?また穴掘り?」

言い方が雑だが彼の仕事を見下しているわけではない。
その証拠に、大変ねえ、と付け足す言葉は心底同情がこもっている。恰好は寝そべったままだけども。

「急いでいないならちょっと涼んで行きなよ、果物あげるから」

そう言ってごそごそと腰に吊るした保冷袋から小ぶりの林檎をいくつか。餌付けだろうか、岩の上において彼の反応をニコニコと待つ。

イーヴィア > 「行き倒れかと思ったぜ、全く…」

(随分元気じゃねーか、と、心配して損したとばかりに零す溜息
随分と久方ぶりに見た顔、以前もこうして採集の時だったかと思い出せば
今回は、特段危険に追われて居る訳でも無い状況で、気楽に声を交わす

元より相当な距離は歩いてきた、座れと言われれば
そろそろ休憩にするか、と、言われるがままに岩へと腰掛ける
背負っていた荷物袋を後ろに降ろせば、どさりと重い音。)

「穴掘りは言い方が酷いなオイ、間違っちゃいないがな。
今回は其れだけじゃなくて、他にも色々さ、気ままな宝探しみたいなもんだ。
――――……おう、遠慮無く頂くぜ。 んじゃ、ほれ、代わりだ。」

(相手に悪気が在るとは思えぬので、一応指摘はするが、其処まで突っかかりはしない
元より自分が好き好んでやっている事だ、大変だろうが苦にはならぬし
そういうのが自分には、何より性に合っている。
相手から差し出されたリンゴには、一寸視線向けた後で、割合すんなり受け取るだろう
代わりに、荷物の小ポケットから引っ張り出した革袋を開けば
中に入って居る星肉を見せて、好きに摘まめと言うだろう
エルフである相手が好むかどうかは判らない、が、こんな場所だ
塩分補給には、最適でも在る。)

「首尾は上々か? まぁ、エルフの御前さんなら苦労はしないだろうが。」

ジギィ > 何が嬉しいのか、行き倒れと間違われたことにへっへっへ、と笑いを零す。
彼が腰掛ける姿と、どさっと重い音が降りてくれば首尾は上々、とばかり上機嫌にうむと頷いて

「へえー、じゃ、わたしと同じような感じだ。
 ここ辺りは未だ土地勘が無いから、いまいち行き当たりばったりなんだよねえ。だから宝探しも同然かな」

会話しながら、流石にこのまま相手を見上げ続けるのが辛くなったらしい、ややしぶしぶと身を起こして再び足を清流に浸す。
さあっとふく流れからの冷たい風にくせ毛を押さえながら、彼が引っ張り出した革袋を覗くと

「お、ありがとー」

こちらもあっさりと中へ手を伸ばして、一欠片つまんで口に放り込む。
奥歯で噛みしめると、何だか随分と久しぶりのような塩気がじわっと身体に沁み込むよう。

「しゅひ(首尾)ー、はあはあはな(まあまあかな)」

ごくん。
 
「種類は見付けられてないけど、ひとつゴッソリ取れる所がみつかったから、次からは補給場所にできそう。
 そっちは?」

言いながら、清流から革製コップで掬った水を一口呷って
その流れのまま『飲む?』とばかりに彼に差し出す。
彼が水の袋を持っていないとは思っていない。こういう時の飲食の交換は女エルフの里の習慣だった。

「ほかにも色々、って、おねえさん気になるなー」

おまけに多少うっとおしい声音付き。

イーヴィア > 「こっちに出てきてそんなに経って無いのか?
土地勘があっても、此処まで広いとな。 数日もすれば知らない土地も同然だ。
昨日にはなかったものが、今日には転がってたりするもんさ。」

(干し肉に躊躇無く手を伸ばすなら、ふ、と表情緩めてリンゴを齧る
勿論水分も十分な量を持って来ては居るが、何が在るか判らないのが外歩き、だ
相手から川水を受け取れば、ありがとよ、と躊躇う事も無く受け取り
ごくりと、自然の中だからこその旨い水で、喉を潤そう。)

「なるほど、そりゃ儲けもんだな。 他の阿呆が採り尽くさなきゃ、暫くは楽出来そうだ。
こっちは…まぁ、何時も通りさ。 元々有る程度の採掘地は目途が立ってるしな。」

(案の定、荷物袋の中の大半は鉱石だ。 九頭竜山脈とはまた違った産出のこの場所は
昔から、割合ひいきに通っている場所でも在る
革のコップを相手へと返せば、荷物の方を振り向いて
中から取り出す一つの角。 大きめで、そして先が丸みを帯びた、乳白色の。)

「色々だ。 拾い物だがよ、製作に使えるのは金属だけじゃないからな。
ほれ、手触り良いだろ?」

(ぽん、相手の膝元に放ってみようか)。

ジギィ > 「昨日無かったものが今日には…とかってなにその生きた迷宮みたいな感じ。じつはこの沢とかも移動したりするわけ?」

やだあー、とわざとらしく拳を口元に。
彼の言っている意図とは違うものかもしれないが、女の里のほうでは『土地そのものが生きている森』というものが伝わっていた。
女エルフ自身は見たことが無いが、とかくこの地上にはそのようなものがある、と。
ともあれ彼が躊躇なく水を受け取るのなら、こちらもまた珍しくまともに微笑む。

「加工方法がちょっと特殊だから、あんまり採るひともいないんじゃないかなー…と、思いたい。
 いつも通りねえ」

コップを受け取りながら、先ほど重い音をさせた彼の荷物を横目に見遣る。そうしてその荷物に彼が向き直って、何かを取り出すのをじっと見守りながら少し、首を傾げ。

「!っゎ… ?」

膝元に放られたものを慌てて手で受け止める。何となく鉱物が壊れ物のイメージなので何となくの咄嗟にだ。
手触りが良い、という彼を見遣ってから、すりすりナデナデしてみる。

「ーぅーん、確かに、わたしの二の腕くらい手触りがいいかも。あ、すべすべって意味よ。
 なにこれ? ……象の墓場で拾ってきた、とか言わないでよ?」

偶に気にして触っている自分の二の腕との感触比較を述べつつ、角の正体を彼にまた横目で問う。その間も余程手触りが良かったらしい、角は引き続きナデナデしながら

「あー、待って…わかった。
 一角獣の角の生え代わり!」

ドヤァ、とばかり、彼にひとさし指を立てて見せる。

イーヴィア > 「流石にそう移動はしないと思うけどな…。
んでも、ちょっと地面が揺れたり、何かデケェ奴が踏み抜いたりしたら変わるかも知れないぜ?」

(まぁ、無くはない、であって、そうそう無い事だろうが。
だが、ドワーフとして火山帯で生活していた経験からすれば
火山活動で地形が変わるのは、当時は割合あったりもした
少なくとも自分は、この森に「生きている」伝承を聞いた事は無いが
其れでも、ただ自分が知らぬだけで
広大な森の一部が本当にそうなっていても、別段驚きこそあれ、不思議はなさそうな。)

「薬草か毒草か、まぁ、使い道が普通じゃ思いつかないなら、心配もないか。
はは、大丈夫、其の程度じゃ皹も入らん位に頑丈だからな。」

(比較的太めで確りとした角、確かに象牙質にも良く似ているだろう
荷物の口を締め直し、自らも干し肉を摘まんで齧りながら。)

「惜しいな、生え変わりってのは正解だぜ。 けどユニコーンじゃない。
デカくなったジャッカロープの角さ。」

(けらり、笑いながら告げる角の正体。
ユニコーンであれば、もっと先端は鋭く尖るだろう
時折森で見かけられる獣の一つ、角の生えたウサギ
二本角の奴と、一本角の奴とが居たりするが、これは一本角の方。)

「デカくなりすぎる頃に生え変わるみたいでな、落ちてたりするのさ
確りした物は、色んな物に加工して使える。 手触りが良いからな。」

ジギィ > 「あー…成程ね、そういうのはあるかも。
 いーなー、わたしそういう大きな生き物の傍で暮らしたーい。
 生きている森ってのもまあ、悪くはないよね。攻略し甲斐がありそう」

若干頓珍漢な切り返しをして、両手を合わせて一種の夢見る乙女の目つき。そのまま彼に迫らない辺りが割と正気を保っている証だ。

干し肉を噛む彼を横目で見て、膝の上の角を端から端までなぞる様に撫でる。エルフも森で暮らす一員ではあるが、女自身は狩猟よりも薬草採取要員だったもので、知識もそれなりでしかない。唇を尖らせながらの眼差しは、明らかに羨望が混じっていた。

「へえー……あの、もも肉が美味しいやつね。
 はぁ――…そうなんだぁ…」

溜息を零すような感想。
手にしていた角を掲げるように持って陽に透かすようにしてみる。

「――わたしの二の腕も手触りいいけど、こっちは加工できないからなぁ……」

くっ、負けた!と意味の解らない敗北を認めて、改めてしげしげと眺める。

「――で、色々って?コレは何にするか決めてるの?」

ばしゃんばしゃん、水につけた女の足が戯れて飛沫を上げた。

イーヴィア > 「やめとけ、うっかり寝相悪い時に下敷きになって潰されるのがオチだ。
そういや、御前冒険者稼業なのか? 割合イイ性格してそうだが。」

(スリルを求める性質、なのだとしたら、ギルドにでも登録して居るのだろうかと
そもそも、王都住まいかどうかも分からないが
もしギルドに登録する冒険者なら、多少なりと鍛冶屋にも縁が在る。
テンションは高いが、あくまで一線は保っているらしき様相に
面白い奴だ、と、思いながらのんびり齧る肉。)

「旨いよな、もも肉。 デカすぎるとちと硬いらしいけどよ。
その角だけでもそれなりに売れる、けど、まぁ折角拾ったんだ。
色々と当ては在るぜ、印鑑にも、装飾細工にも、短刀の鞘なんかにも使えたりするしな。」

(其の場合は、実用性と言うよりは寧ろ、美術品としての意味合いが強くなるが
決めてはいないが、思いつくだけでも色々ある事だけは、今の所伝えよう
片手に持ったリンゴが、いつの間にか芯だけになって居る。
軸の部分を、ぽい、と其の辺りに放り捨てては。)

「後は、アレだ。 張り方なんかにも使われたりするな、しかも、割と高級品の。」

(ついでの様に、そんな事を教えた。 勿論からかいも込めてだ)。

ジギィ > 「そうねえ……うーん、でもでかいやつならそれなりに知性もあるだろうから、賠償請求できたりするかも」

食い下がる。
それから冒険者かという問いに夢見る瞳のまま頷いて、イイ性格のところでにこーっと笑って彼を振り返る。その女エルフの瞳の光を彼が何と読み取るかは解らない。

「少し硬い場合はギリギリ骨近くのまでこそげ取って、一緒にワインで煮込むと美味しいのよ。付け合わせのハーブはねえ…」

ひと時、長ったらしい講釈。
それからふと、はたと正気付いたように角に焦点が定まって、会話は戻る。

「そっかー、大分ふり幅あるね。『原石』とは良く言ったものだわ。石じゃないけど。兎に角需要があるっていうところからして負けたわー。
 私の氏族でも狼の牙とか爪とか皮は色々余さず使ってたな。圧倒的にお守りの意味だけど」

お前は何になるんだろうねー、と手にした角に声を掛けて、リンゴの芯を投げ捨てた彼に角を差し出す。名残惜しげにナデナデしているのは見逃してほしい。

「?ハリガタ?…… ハリボテの高級品バージョン?
 其れとも何か新しい防具か何か?なにそれ強そう!」

はて、と首を傾げるその顔は本気だ。
聞こえからすると、防御系であるに違いないと踏んで、言った傍から妄想が始まっている。角を返そうとしていた両手にぎゅっと力が籠ったのはあくまで弾みだ。ちゃんと返すとも。

イーヴィア > 「何をむしり取る気だ御前。
つか、請求する前に死んじまったら無理だからな。」

(交渉に乗ってくれる優しい獣だったら、寧ろそんな事にもならなさそうだが。
相手がこちらを振り向いたなら、向けられたその視線に対して
此方は流れるように視線をそらし、口笛を吹いた
川の流れの傍、大自然の中で響く口笛、実に夏らしい。

暫くの間、女が垂れ流す料理の講釈を聞く生徒となりつつ
旨い物には興味が在るので、要点に関しては結構聞き入る
へー、だとか、ほー、だとか、そんな相槌が幾度か返る事だろう。)

「骨自体は武器にもなるし、何なら防具にもなる。
使えるのは鉄だけじゃない、使おうと思えば幾らでも使い道は思いつくもんさ。
……て、御前、うっそだろ。」

(もちろん、一般的な骨では鉄に強度で叶わないだろう。
けれど、例えば強力な魔獣の骨や革なんかは、鉄にも勝る強度を誇る
素材と加工、適した使い道、其れを考え物を造り出すのが愉しいのだと
鍛冶屋として、気分良く講釈し返したその後で。

思わず、張り型、を、其の儘知らぬ様子ですっとばした相手に、怪訝な視線を向けた。
其の反応は想定外だった、とばかりに、珍妙な物を見る目で女を見ては。)

「――――――……御前、男とか居た事ねーのか。」

(当然それは、恋人であるとか、そういう意味の話では在るが。
防具だとか言い始めた様子に、僅か首傾げてから。
角を受け取り――かけて、相手の両手に籠る力に気づき、角から手を外して、代わりにデコを弾こうと)。

ジギィ > 「むしれるものは毟るよー化けてでも取り立ててやるもんね」

執念に根負けするものも居てくれるかもしれない。もしくは面倒がられて寧ろ交渉に乗ってくれるか。うらめしやぁ、の手つきをしながら、口笛にはにっこり笑ったまま耳を傾けた。

料理の講釈は、彼が素直な生徒だったばかりに幾分陽が傾くかと思うくらいに長引くだろう。
それから戻った話題、彼の信じられない、というような目つきに一瞬怯んだように唇が尖り、その唇が文句を紡ぎ出す前に珍妙な視線が突き刺さって、女の瞳は真ん丸く開かれる。

「―――はっ、多くの男が私の前にひれ伏して去って行ったわ。
 …てのは冗談で。
 ンン―――――」

幾度か口がひらいたあと、漸く紡ぎ出した戯言。
誤魔化すのが大変難しい、という様子を隠そうともせずにいかめしく咳払いをしようとした、その額にデコピンがぶちあたる。

「痛った!
 なによー唐突な下ネタ言う方がいけないんでしょ!ツッコミづらいわよ!」

彼の口調から『ハリガタ』が男女のシモ系の何かしらであることは察したらしい。ある意味符号があっている言葉を投げ返しつつ、女は手にしている角が最早その『ハリガタ』そのものであるかのようにぐいーと彼に押し返して。
仕切り直しとばかり、再び清流からコップに水を汲んで今度は一息に呷った。

「…ぷはー
 陽も少し傾いたし、わたしそろそろ行くから。
 …気まずいから行くんじゃないからね!」

要らない捨て台詞も言いつつ
自ら脚を引き上げて猛然とその場を立ち上がり、靴を履いて荷物と装備を改める。

「じゃ、道中幸運を祈ってるよ。
 縁があったらまた、街でね!」

女エルフは心からの無事を祈る言葉の後踵を返し、森影へと去って行く。
去り際の微笑みは、彼に果たしてどんな印象を残したやら…

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 渓谷」からジギィさんが去りました。
イーヴィア > 「本当にむしりそうで怖いな、其の根性だと。」

(死んだ後でも魂だけで成し遂げそうだとか、大分失礼な事を
興味の在る事なら何にでも首突っ込みそうな相手、は兎も角
――とぼけていたのか、と、微妙な視線を投げかけた。)

「ちがう、そうじゃない。
……まぁ、別に良いんだけどよ、人様がどんな付き合いしてようが。
あれがマジな反応だったら、純粋に、良く生きて来れたなと思ってな。」

(デコピンの後、相手の反論については、まぁ一理あると肯定するが
信憑性が在る純真無垢さを出すのも悪い、だとか呟いてから、角を受け取った
荷物の中へ再び押し込みつつ、眺めるは立ち上がった相手
先んじて、荷物をまとめたその様子に、やれやれ、と微苦笑零しては。)

「おう、縁がありゃ、またな。
其の時は、酒の一杯でも奢ってやるよ。」

(詫び代わりだ、なぞと告げるのは、一応それも、縁と言う物に期待してだろう。
急ぐ理由は無い、暫く川辺に滞在し、そして、十分な飲み水を補給してから
遅れてこの場を後にするのは、女よりも少し経ってから。
日が落ち切る前には、少なくとも森を抜け予定で、また荷物を背負い、ゆっくりと行くだろう――)

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 渓谷」からイーヴィアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/森」にアヤネさんが現れました。
アヤネ > 自然地帯の森の中、梟や虫の鳴き声がする中で焚火を起こし野営をする人影。
少し街道から離れているのでその明かりも街道からは見えず、周囲を照らすだけ。
そんな夜闇に明るさを灯す焚火に木の枝を投げ込んで。

「予想以上に手間取った……野営なんてしたくなかったのに…」

日が落ちる前に戻る予定だったので保存食の準備もなくあるのは水だけ。
仕方なく近くで採ったキノコを木の枝に刺して焼き、焼き上がるのを待ち。
季節的に寒さは感じないのだけが救いの種と考える事にして、焼けたキノコから口にして遅めの夕食を取って。

アヤネ > そうして食事を終えれば集めた枝を全部焚火に投げ込み炎を大きくし。
獣除けとすれば木に背中を預ける様にして、何か音が聞こえれば直ぐに反応できるようにとして仮眠をして…。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/森」からアヤネさんが去りました。