2021/07/25 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にミシェルさんが現れました。
■ミシェル > 「と、ここか」
メグメールに位置するとある森に、女男爵は足を踏み入れる。
最近、この辺りで見られる魔物の数が明らかに増えているとの情報があったためだ。
魔族でもいるのか、何らかの魔導機械が偶然作動しているのか、はたまた別の異常事態か…。
それを探るべくミシェルは調査に赴いたのだ。
「んー、確かに多いな」
地面を見ながら歩けば、巨大な魔物の足跡をいくつも見つける。
討伐に冒険者も多数訪れているらしいが、魔物の増殖に追いついていないと言う。
ミシェルは警戒しつつ、薄暗い森の中を進んでいった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」に紫霞妖仙さんが現れました。
■紫霞妖仙 > 貴女がしばらく魔物の足跡を追うと、風に紛れて微かな毒気が漂ってくる。
沼などの汚泥が暑さでガスを発することはこの時期にはよくあるし魔物の中には牙や爪に
様々な毒を宿すものも多い事はよく知られている……が。
自然物というよりは人工的に調合されたものであることを、
宮廷に仕えるほどの魔術師であるあなたなら察することができるはずだ。
この先で、おそらく毒物を使う者――冒険者であろうか?が戦闘を行った事は想像に難くない。
「まったくつまらぬ……まぐめゑる王国の魔物とやらを
調服して使役してやろうと思うたが、この程度とはなあ?」
冒険者と合流しようと思ったか、はたまた様子だけでも見ておこうと思ったか、
それとも好奇心からか。そちらの方向に足を運んだなら。倒れ伏した小山のような大きさの怪物のうえに
器用に高下駄で立つシェンヤン風の装いの女が、ほあ、と欠伸をする場面に出くわすだろうか。
■ミシェル > 「うわ、臭いな…なんだこりゃ…」
漂ってきた毒気に、思わず口元を覆う。
仕事柄己の毒への耐性も高めているのでこの程度だが、魔物などはひとたまりもないだろう。
それに、どうにも人工的な臭いがする。
「全く…どっちかな、魔族かそれとも人か…」
そのまま、原因を探ろうと臭いのもとまで突き進めば、巨大な魔物が倒れているところに出くわす。
ふと顔を上げれば、その上に立つ女の姿も。
「あー、やぁ、ご機嫌ようお嬢さん。これをやったのは君かい?
その服装…君はシェンヤン人?」
警戒しつつも、なるべくフレンドリーに声をかける。
「おっと、僕は王都から派遣されてきた宮廷魔術師だ。怪しい人間じゃないよ」
■紫霞妖仙 > 「おや」
シェンヤンからやってきた『公主』をきっかけにして、マグメールでは
以前よりいくらかシェンヤン人を見かけるようになったし、シェンヤン風内装の店だとか、
シェンヤンの食べ物だとかもいくらかは入って来るようになった。
彼女のそのたぐいであろうか……?
といっても、冒険者にしては妙だ。その扇情的な衣服はかなり上等な絹や錦糸が使われており、
フィールドワークを得意とする貴女からみれば、装飾的過ぎて動きづらく、この場にはややちぐはぐに見える。
しかしながら、おしろいをはたいたその顔はきつめながらも整っており、シェンヤン美人といってさしちがえなく……
「ほう、女」
その口がいびつに歪み、蜥蜴めいた長い舌が唇をぬらりと撫でたのは、
女好きのあなたがその顔を見つめた時であっただろう。
「王都の宮廷魔術師とな……ではさぞかし、『食い散らかし』がいもあろうというもの」
そういうと、女は長い袖をはためかせながら薄絹のように重力の感じられない所作で、
魔物の亡骸からとびおりて……
「わらわは退屈しておる。ほんに退屈しておる。この図体ばかりの見掛け倒しのせいで、
体ばかり昂り、その滾りをどこで発せようか、迷うておった。そなたは、なかなか『美味そう』じゃ
ひとつ、わらわに喰らわれてくれんか?」
にたり、と笑う彼女の表情は冗談で片付けるにはいかないほど、
十二分の不気味さを孕んでいた。
■ミシェル > 「食い散らかし…ねぇ」
こちらに降りてくる、ぞっとするような美貌のシェンヤン人。
いや、人なのかこれは?とすら思えてくる雰囲気を纏っている。
服装も特徴的すぎるし、ただの冒険者ではなさそうだ。
ミシェルは腰に下げた杖に手を伸ばす。
「それは文字通りの意味で?それとも別の意味でかい?」
性的に迫られるなら歓迎しなくもないが、物理的に食われそうな気もする。
ミシェルは数歩後ずさる。
「とにかく、人に何かを頼むならもう少し自己紹介をすべきじゃないかな?」
■紫霞妖仙 > 「貴様の『女』を喰らい尽くして、それから貴様の肝をくらう
悦楽のなかで手折られ、散華するは至上の悦びぞ?うれしかろ?」
女の発する、邪の気配が濃くなり、
まるで空間自体が侵食されていくように、蜃気楼めいてゆらめきながら空気がよどみ
腐っていく。この場にいるだけで、精神力の弱い者ならあてられて失神してしまいそうだ。
「わらわの名前をしりたいか?ならば、聞き出してみよ。女郎
うまく踊れば、冥途の土産に名の一つも聞かせてやろうぞ?」
■ミシェル > 「生憎、食べられる趣味は無いしまだ女の子を抱き足りないんだよね。
なんで謹んでお断りさせてもらうよ」
杖を抜き、彼女に向ける。手の魔法陣も光る。
淀んだ空気も、女男爵には届かない。
「これが道術ってやつかい?興味深いね。相手をするのは初めてだ。
マグメールの魔術師として負けるつもりは無いけどね」
ミシェルの杖が光り出し、戦闘が始まった…。
■紫霞妖仙 > その晩の二人の戦いの末を語る物はいまだいない。はたして、女男爵は妖仙の魔の手を逃れたのか。はたまた、あえなく散華の悦楽を迎えたのかは……
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」から紫霞妖仙さんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からミシェルさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 王都近郊の森林を奔る川の畔。
水遊場などにも水をもたらす川は王都の民や近隣村落の住民の重要な水源で憩いの場ともなる。
そして、水を求めるのは生物として必要不可欠な事であり、何も人間に限った専売特許ではない。
森に住まう動物達も飲み水を求めて集まり、中には人に害する存在も発生し得る。
「――――……、そんな魔物を退治してくれ、とは、何とも業腹な事だなぁ」
水辺から少し離れた繁みの中、川からは見えぬ場所に張られた天幕にて、
中年冒険者の男性が、独り言ちて、嘆息めいた吐息を吐き洩らす。
ギルドに寄せられた依頼は、近隣住民が水浴びや飲み水に利用する川にて、
魔物が現れて遭遇したために退治して欲しいとの事。
だったら、場所を変えれば良いのでは、と思うものの、未だ実質的な被害は蒙っていないらしい。
その為、この場所を利用する者達は後を絶たず、要するに安心が買いたいとの話で。
魔物と言っても水場で周囲を害さないという生物の暗黙の了解を貫いている中、
自分勝手な人間のエゴに辟易しながら、天幕の中で川辺の様子を窺い覗き見る。
はてさて、川に現れるのは咽喉を乾かした魔物か、それとも、涼を求める人間か、と。
■トーラス > 其の侭、天幕の中で息を潜め、獲物の訪れをじっと待ち続け―――
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からトーラスさんが去りました。