2021/01/16 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にロスマリヌスさんが現れました。
ロスマリヌス > 「…………?」

暗くて暗くてとにかく真っ暗な森の中、きょろきょろとあたりを見回す少女。
ドギツイ真っピンクの髪は、そんな暗い中でもボンヤリ浮かび上がって見えそうなほどの派手さだが、それが灯りになるわけでもない。
しばらくして、ようやく自分が暗い場所にいるのだと気づいた少女は、

「……灯りを」

と、小さく呟くと、青白い小さな光の玉が浮かび上がって周囲を明るく照らした。
……暗い森で灯りをつけるのはあまりに目立ち、賊なり魔物なりに自分の居場所を知らせるようなもの。本当ならば暗視の魔法を使うのが定石なのだが、そんなことを冒険者でも斥候でもないただのホムンクルスが知るわけもない。

「森の中かぁ。どこまで飛んできちゃったんでしょう……うーん」

改めて周囲を見渡す動きは、身体ごとねじるような大袈裟なもので、胸からぶら下げた異常に大きな膨らみが振り回されるように(というか実際に振り回されているのだが)たぷんたぷんと揺れた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にチマキアさんが現れました。
チマキア > 遺跡の古い娼館を日がな一日眺め終わった男は暗い森を一人歩いていた。月の光も通さない暗い自然の中を
全く明りを付けず歩いている、何処か枯れた雰囲気の男。男は吸血鬼であり全く光の無い所でも
視界を確保できる。

「……………」

しかし男は真っ暗な空間で視界を確保出来てきても見ている所は少ない
遺跡になった古代の娼館のキメラやホムンクルスの亡骸を月の光が照らしている遺跡の中は気に入っていて
その事を思い出して自分の足元を眺めて覇気も無く歩いているだけだった。

ロスマリヌス > 「もう一回転移する……?でも、ここがどこかわからないとダメかなぁ……」

当てずっぽうに転移を繰り返して知ってるところに出るのを待つ……という手もないではないのだけど、余計迷子になるのがオチのような気がしてならない。
せめてここが王都から見てどのあたりにあるのかわかればいいのだが……と考えていると、

「あ……すみませーん!ちょっといいですかー?」

森の中を歩いている人影を見つけると、なんの躊躇いもなく駆け寄った。
ニコニコと人懐こい笑顔を浮かべながら、乳房をたぷんたぷんと弾ませて、どう贔屓目に見ても速いとは言えない……というか、じれったいくらいの速さで。

チマキア > 娼館の遺跡にあった様々な自動人形やキメラ、ホムンクルスなどの人工生体専門の古代の娼館
その情景を思い浮かべていると声が聞こえる。

「…………………………」

ゆっくりと目線を上げると、目の前には大ぶりの乳房を揺らしてやってくる娘。
男は眠そうな目を向けながら笑顔の娘を見ている。男の外見は若いが、老人のような落ち着ききった雰囲気を
醸し出し、決してソワソワする事もなく彼女がやってくるのを待った。
そしてたどり着く頃に男が放った第一声が

「………生きてる」

であった。その意図はコレだけであれば娘に伝わる事は絶対無いであろう。男はあたりを見回すと
腰に下げていた白金色の剣をマントの奥にしまい込み、代わりに腰に下げているロープとミートフックを
前に出した。

ロスマリヌス > 「あのー、すみませーん!ここがどこかわかりますか?迷っちゃったみたい……で……?」

その男性の目の前までやってきて、途中まで事情を話して、ようやく相手の様子がおかしいことに気づく。
だからといって、いぶかしむでも怯えるでもなく、ただ『はてな?』と首をかしげてから、

「……えっと、何の道具なんですか?それって」

またニコッと子供のように笑って尋ねた。

チマキア > 「あ、いや…何でもない…」

そして腰のミートフックについて尋ねられると、僅かに北西の方向を指さす。娘が見えるかどうかは分からないが
暗闇の奥に大きな崖がある。そしてミートフックを静かに叩く。

「崖を渡る時に…使っている…………」
声色は極めて静かな男は屈託なく笑いかける娘に対して静かに微笑み返した。
だがその前に何かを聞かれたことを思い出すと、帽子を少しかぶり直して、彼女に近づく。

「……そして、何か聞きたかったことが…あったのでは?」

ロスマリヌス > 「……へぇー、それで崖が渡れるんですね!すごいです、私だったらそんな器用なこと出来ないですよ!」

説明を受けてから何秒かして意味を理解すると、目をキラキラさせてはしゃぎ始める。ロープと鉤で崖を渡るなんて、自分には一切ない発想だった。
やっぱり世の中にはいろんなことを考える人がいるんだなぁ、などと思っていたのだけど、

「あ、そうだ、ええっと……わたし、転移でビューンって飛んできちゃって、なんだか、グイーッって間違えちゃったみたいで、ここがどこなのかサッパリわかんないんです!王都とか、街とかがどっちの方にあるかとか、ご存知ありませんか?」

尋ねられてようやく自分の目的を思い出すと、慌てて事情を説明した。
大袈裟な身振り手振りと擬音を交えて、本人としてはかなり真剣に。

チマキア > 「街なら……今から向かう所だ……………」

男はちゃんと帰るべき場所が分かっている。そして転移と聞くと改めて娘の姿をまじまじと見ていた。
まず目立つ大きな乳房から尻、腰回り、太もも、そして着ている服装など、娼館で見ていたホムンクルス
そっくりで、それがみずみずしく生きているのが新鮮だった。

「……………私は今から街の方に向かうところだ、自分に付いていけばたどり着けるが」
「歩くのと…飛ぶのは…どちらが良い?」

男は真祖ヴァンパイアであり、マントを皮膜にして飛ぶことも出来るが、触れられたくなければ
歩いて導こうというつもりである。

ロスマリヌス > 「ホントですか!?よかったぁ、捨てる神あれば拾う神ありですね!」

さっきまでの『人と会えた』という安堵の笑みではなく、『街に帰れる』という純粋な喜びの笑顔を浮かべて、ピョンピョンと跳びはねることでもその喜びを表現した。

「……ええっと、飛ぶって、こう、空を飛ぶんですか?」

男性の言葉を聞くと、両手をぱたぱたと羽ばたかせるジェスチャーをしてみせる。
何かの比喩とかではなく、文字通り鳥のように空を飛ぶのか、と。

チマキア > 「正確には吸血鬼だが…」
という何だか控えめなツッコミはさておき、また帽子をかぶり直す。
「そういうことになるな…………ただ、私にしがみついてもらう事になるんだが」

男はマントを広げるとそれがバっと勢いのある音を立てて蝙蝠の皮膜になった。
剣はもししがみついても良いという事で飛んでいくのであればとさらに腰の後ろに押しやりながら

「街の…何処に帰ればいいんだ……家は?」

折角飛んでいくのだから、もう家にでも送ろうかと娘に問いかける。

ロスマリヌス > 「わー、すごーい!吸血鬼さんだったんですね!私初めてお会いしました!へぇ、本当に羽が生えるんだ……すごいなぁ……」

好奇心たっぷりにその姿を見ながら、目をキラキラ輝かせる。今日は初めて見るものばかりでわくわくしっぱなしだった。

「あ、ええと家、ですか……」

実は、定まった住処というものは持っていない。大体の場合、術で快適な空間をつくってしまってそこで寝るか、さもなくば……と考えて、

「娼館街に連れていってください!貧民地区の!」

なんの躊躇いも恥ずかしげもなく、堂々と言った。その乳房を押し付けるように、甘えるように、ぎゅっと抱きつきながら。

チマキア > 「………………………娼館街」

住み込みなのか、とも思った。甘えるように抱き着く彼女。会って間もないが男には一つ彼女にまつわる
興味があった。抱き着く彼女の身体を思わず抱き返し、その頬を汚れにくい手の甲で優しく撫でる。
普段は言われるままにまっすぐその目的地に向かう男だが、珍しくその時口が開く

「定住する場所……無いのか?」

生気に満ちた彼女の目がまぶしい、光の無い赤い瞳だが、何処か好ましい物を見る優しさと妖しさを秘めた目で
彼女を抱きしめ、頬を撫でたまま少し見つめ合った。

ロスマリヌス > 「んんっ……えへへ……」

頬を撫でられると、子供……というか、子犬のように頬を緩ませる。すっかりなついてしまった様子で身体を預けていたが、

「ん……えっと、家……生まれたところはありますけど、あまり……帰りたくはないというか……」

目を見つめられながら尋ねられると、視線を反らしながら言葉を濁した。
彼がこちらを責めているわけではないのはわかっているのだけど、『生まれたところ』は、生まれてすぐに主の死を突き付けられた、自分にとって辛い記憶の場所でもあったから。

チマキア > 「…………………」

娘がなついた様子を見せると男は目を細めて掌を少し清め、ふんわりとその頬を両手で包み込んだ。
赤い瞳がゆっくりと光を帯びる。それは目の前の彼女が気に入ったのと、数千年ぶりの好奇心だった。

「……街では無くなるんだが、君が良いなら私の家に来てみてくれないか?」

愛想よく接してくれているが、流石に先ほどあったばかりの男の家に上がるというのは
抵抗感があるんだろうかと、何処か遠慮がちに彼女に向って問いかけてみた

ロスマリヌス > 「………………」

もう一度、おずおずと視線を合わせると、さっきと様子が違うのがわかって、思わずその瞳をじっと見つめてしまう。

「……吸血鬼さんのおうちですか!?どんなところですか!?行っていいんですか!?」

ぱぁっと表情を明るくして騒ぎ始める。
寝床が提供されるという喜びよりも、目の前の彼が住んでいる場所がどんなところなのか見てみたい、という好奇心が前面に出たはしゃぎ方だった。

チマキア > 「…………………行っても良い、私も…実は聞きたい事が出来たから」

明るい表情を見せる娘に静かに頷くとぐっと強く抱きしめる。今の所乳房が胸板にめり込んでいるのは気にしない。
「それじゃ、行くぞ」

男は軽くつま先を上げると勢いよく飛び上がり、森を抜けて男の住処に向かう。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からチマキアさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からロスマリヌスさんが去りました。