2020/09/12 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林地帯」にノウブルさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林地帯」にシンディ・オーネさんが現れました。
ノウブル > (―――――――初日
数日の間森に籠る分としては十分な獲物を、幸先良く狩れたが
其の翌日に、異変は起きていた。
普段は、多少騒いだ所で直ぐに戻って来る小動物や獣の類に
全く遭遇しなくなって仕舞う

勿論、狩りが毎日の様に上手く行く保証なぞ何処にも無いのは当然だ
だが、其れを加味しても――森が、沈黙して居るなぞ
少なくとも、そう在る事では無かった。

結局、二日目はさんざ歩き回った挙句に日没を迎え、素直に夜を明かす
幾度か、森の様子がおかしいと狩人が呟くのを、女は聞いただろうが
其れでも、所詮は一日の事、次の日に期待すれば良いだけの事、だったのだが。)

「―――――――――――………鼠一匹の気配も無くなる訳だ。」

(―――翌日、恐らく気付いたのは、二人共に。
森の中に居る、シカやイノシシや、極自然な生態系の輪から
明らかに外れた気配と、森の中で遭遇する事となる
まるで幾つもの獣の特徴を、混ぜ合わせた様な姿
長い尾を持ち、美しく柔らかな被毛を携えながら
けれど、明確に捕食の意思を見せる、赤色の瞳

気付いた時には、既に目が合って居た。
或いは、此方が気付くよりも前から、待ち構えて居たのだろう
――隣を歩く女へと、警告めいて、片腕を翳した
前には出るな、と)。

シンディ・オーネ > 森の事はよく分からないが、初日を知っていての二日目。
いやに静かだというなんとなくの違和感は、抱くことができた。
そんな日もあるのかなと思うが、ノウブルもおかしいと口にするようならそうなのだろう。
緊張しながら追従し、ひょっとすると初日にピカッとやったのがいけなかっただろうかと気まずく思う。
結局その気掛かりは解消されぬまま二日目は歩き回るだけで終わり。
豊かな食卓にはだいぶ気持ちを慰められたけれど、口数はいくらか少なくなった。

元々物静か系の二人であれば、互いに沈黙も苦にせず、淡々と鳴き真似講習とかで親睦を深めていたかもしれないが。

――そしての二日目。やはり森が静まり返っていると、これはもう場所を変えるか帰っちゃった方が良いのではと
素人らしく早々に諦めが入りはじめるが、異様な気配はそんな時に。

「――ッ…!?」

ノウブルに一拍遅れて、何だと周囲を見回してからその赤色と目が合った。
…待ち構えている?と、スムーズにそう捉えられる佇まいに、うろたえる。

気を取り直すのにまた一拍。目くらましでいくか!?とノウブルに問おうとするが、声は制するような手に遮られた。

「まずそもそも、これは獲物なの?」

…自分達の方が獲物なのではないかと、そう問う間に魔術で身を守る構成を編み始める。
発動しなければ良いのだと考えているが、このような魔獣には、魔力の運用も察知されるだろうか。

ノウブル > 「―――――狩られた方が獲物だ。」

(――其れは、必ずしも此方側が狩る側では無いと言う
初日の魔術行使が、全く影響しなかったとは言わない
だが、其れでも余りに森が沈黙に包まれて居た、其の原因は
獣たちが感じていた、圧倒的な恐怖に寄る物やも知れぬ。

長い尾が、しゅるり、しゅるりと揺れる
良く見れば、尾の先端部分は毛が長く、細く針の様になって居る
まるで機会を伺うかの如くに此方を睨む赤色に、じっと視線を逸らさぬまま相対し
女が魔術を編み始め、そして、己が背の獲物に手を掛けた、其の時

――魔獣の首が、前へと傾き。)

「――――――来るぞ…!」

(背に構えた大剣を、構えると同時
一瞬で其の巨体が、目前まで飛び掛かって来る
女の前に立ち、剣で其の突進を真正面から受け止めるのは
防御魔術が、ぎりぎり間に合わぬと踏んだからだ
一撃目を押し留め、きっと、多少の時間を稼ぐ事は出来た筈だ、が

――其の刹那、今度は、長い尾の先端が、まるで槍の如くにしなりながら
女へと向けて振るわれる、か)。