2020/07/14 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森」にイディオさんが現れました。
■イディオ > (森林の中というものは、舐めてはいけない。よく聞く話である、森の中は空が見えない故に、星で方向を知ることができず、暗く、道がないために現在地を見失いやすい。
松明を使って……と言うのも考え物だ、うっそうと生い茂る木々は、瑞々しいだろうが、火が付いてしまうとたちまち大火事になる。
こういう所を歩くなら、値段は高くても魔導機械の光源が欲しくなる、もしくは、光を作る魔法。
ベスト、とは言えないが、男は腰にランタンを身に着けて、其処で火を灯し、明かりをつけている。ランタンは頑丈な鉄製で、シャッターの有る物、おいそれと壊れるものではない、が光の魔法や魔導機械の光源に比べれば一段劣る光量。
右手には剣、左手には、盾。そして、周囲を確認するように視線を向ける。)
「―――おぉーい!」
(夜の森林に。一人で来るというのは褒められたものではない、無いのだが―――来るには理由があった。
つい、数刻前の事、ゾス村で依頼を受けて依頼を終わらせた報告をしていたところ、ゾス村のギルドに村長がやって来たのだ。
そして、村の子供が森の中に入ったまま帰ってこないという、そして、捜索の願いを出すとの事。
その場に居合わせた冒険者は、運が悪くこの男一人、ゾス村のギルドの職員は後で増援を出すから先行してくれとのお達しだ。
夜の森の中と言うのは、動物も動くし、魔獣も動く、それだけなら兎も角、ゴブリンや、オーガなどもまた、動き始める時間。
一刻を争うと判断したがゆえに、男は動くしかなかった。
冒険しないという男ではあるが、一応人の血は―――通っていると思われる、自分でも、凄く、物凄く不安になる事だが。
10歳前後の子供、男の子で、簡単な特徴を確認して、冒険者は出かけることにした。
酒など飲んでなくてよかったな、とギルドマスターに言われたのは、どういう意味か。
はぁ、と溜息を零してから、冒険者は、真っ暗な森の中を、カンテラの光源を頼りに、進んでいく。)
■イディオ > (当然の如く、返答は帰ってこない。森と言うのは広いうえに、木々が音を吸収するから思ったよりも声が届かない物だ。
それに、魔獣などが近くに居たとしたら声を上げられないことも考えられるし、気絶していることも想定する必要がある、最悪の場合は……。
いや、其処はまだ、考えないようにした方がいいだろう、冒険者が諦めてどうするのだ、と。とは言え、森の中を独りで探すのは骨であることは間違いがない。
後は神の導きだとか、有能な魔法使いの登場だとか、獣系の魔獣使いとか居れば、と思ってしまうものだ。
ない物ねだりしても仕方があるまい、男は、首を横に振り、さくり、と草を踏みしめて進む。)
「子供の足でというなら、其処迄遠くには行けないが、これでゴブリンだのおーがだのが絡むと、一気に面倒になる。」
(時間との勝負、再度確認する男、今は無事でも、この後がそうだと言う確証などがない、悲観はしない方がいいが楽観もできない状況。
男は、はぁ、と溜息ついて意識を切り替えて、足早に進むことにする。
応援の冒険者が、先に見つけてくれればいいのだが、と、警戒を厳にしていく、森の奥に、奥に進むたびに危険度は乗算されると考えて良いのだから。
パーティ組んだ冒険者であれば、警戒も一方向ではないし、捜索する手も増える。
その方が生存率も、発見率も高くなるから、応援が来て、見つけて欲しいと願うのだ。)
「―――ん?」
(暫し進んだ所、少し大きめの木の虚がある。その大きさはあまり大きい物とは言えないが。子供が隠れるには。
まさか、と思う。しかし、其処に居て欲しいという願いも又持って、冒険者は、木の虚を覗き込んだ。)
■イディオ > 「―――!!」
(いろいろなものに縋る思いで覗き込んでみればそこに、子供は居た。怖くて逃げていたのだろうか、その服装の所々に木の枝とかが付いていて。疲れ果ててしまったのだろう、寝ているのが判る。
そんな様子を見て、男は安堵のため息を一つ、それから考える。このまま、この子を起こして戻るのもありだが、逃げ続けていたとしたら消耗しているかもしれない。
背負って戻るという事もできなくはないが、一人きりでは子供の安全が気になるところ。)
「ここは、無理せずに動かず、明日の朝になってから、と言うのがいいか。」
(疲れて眠っているのだから、そのまま寝かせてあげて、朝になって、獣や妖魔などの動きが鈍くなってから村に戻る、その方が明かりもあるので、迷いにくいし、少年にとってもいいだろう。
よし、と男は小さく息を吐き出し、少年の体が冷えないようにバックパックに括り付けた毛布を少年に掛ける。
木の虚をちゃんとカンテラで照らして確認して反対側に続くような穴が無いことをチェックしてから、中にカンテラとメモを張り付けて木の虚の入り口に盾を立てかける。
こうすれば、オーガだろうが盾を動かすことは出来ないし、木を折る前に対処はできる。
盾は男の手を離れれば、重量に戻るし、杭を突き立てて、地面にしっかりと噛ませる。)
「後は、坊主が起きたときの為の食事を作って、と。」
(ここで野営をすればいい、周囲を見れば少し開けているし。焚火を作っても問題はなさそうだ、水に関しては、ちゃんと汲んであるので、たっぷりとある。
今日、此処で休んで明日戻る位は、大丈夫だろう。
安ど感に、大きく息を吐き出し、男は、焚火と、食事の準備を始める、もし冒険者がいれば、焚火の火と煙に気が付いてくれるだろう。
ゴブリンや、オーガなどではないことを、祈るしかない。)
■イディオ > (そして、冒険者は野営を始めることにした。少年のいる木の虚を守る様に、盾で木の虚の入り口に蓋をして、焚火を焚きつつ朝まで待つ事にしてた。
少年が起き上がってくれば、状況を説明し、食事を与えてから再度眠りにつかせることにする。
そして、朝になるまで静かに待っていることにして。
朝になったら、もう一度食事をとって、様子を見ながら、警戒しながら、ゾス村へと帰っていくのだった―――。)
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯 森」からイディオさんが去りました。