2020/05/20 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「~♪」
──夜。
森の奥のちょっとした広場になった場所で、ピーヒョロロとヘタクソな口笛を奏でつつ
焚き火をしている金髪の男が一人。
パチパチと音を立てる焚き火の側には、串を通された魚が2、3匹立てられ炙られていて。
その焼き上がりを待ちながら、頬杖突いて暇そうな目で燃え盛る焚き火をボケーッと眺めている。
「本当は肉が良かったのだが……ちょうどいい獲物が居なかった以上は仕方がないという顔になる」
口笛の合間にポツリ、そんな事を独りごちる。
何が出てくるか判ったものではない森の奥にあって、男は緊張感の欠片も纏っていない。
焚き火だの口笛だの焼き魚だの、自分の存在を周囲に露骨にアピールしている状態にも関わらずである。
むしろなんか面白いモン出てこないかなぁ、とすら思っていたりもする。
「……む」
そんな事を考えながら、焼き上がった魚を一つ手に取りモシャモシャと齧っていたら、
ふと男の背後側からごそ、と茂みを揺らす音が耳に届く。
早速何かしらおいでなすったか──なんて小さな期待を抱きながら、男はゆるりと後ろを振り向いた。
■エレイ > 果たしてこの夜、男が何と邂逅したのか──それともしなかったのか。
それは、また別の話──
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からエレイさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にティアフェルさんが現れました。
■ティアフェル > 昼日中の出来事。小鳥は囀り、そよ吹く風に枝葉が歌い、木洩れ日から差す陽光が煌めく――一見平和な樹海の一角。その付近はあまりなだらかな地殻でもなく、起伏の激しい地帯ではあった。けれど、周囲の特徴と云えばそのくらい。
そんな静かな森林の奥深くではちょっとした事件の兆し。
狂犬に追われて、錯乱するヒーラーが一人――
「きゃあぁぁぁぁぁぁあぁあ!!」
悲鳴を上げ無我夢中で逃げ惑うその先に地面がないとは知らずにそのまま直進した、結果――踏み込んだ先は大きく切り立った断崖になっていて。悲鳴の尾を引き連れて、崖下へ向けて。
ずざざざッ――!!
落下していこうとするその身。
しかし、がっ、と転がり落ちる寸前、反射的に握っていたスタッフを崖肌に突き刺し、どうにかぎりぎり、まさに崖っぷちで耐えていた。
スタッフをハーケン代わりにして、崖に突き立つそれに両手で握ってつかまる、大ピンチなヒーラーを見下ろすようにして、追って来ていた野犬が崖の際で吠えたてていた。
「ふ、っぅ……ゃ、やだぁ……もぉ……勘弁、してよ……」
ここでこうしてつかまっているだけでもギリッギリだというのに、まだ追撃してくる気か野犬よ。涙目になりながら唸った。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアルファさんが現れました。
■アルファ > ヒーラーを威嚇する野犬に変化が生まれる。
何かを察して崖から覗く野犬が振り返り消えていく。
打撲音。衣裂くような悲鳴。そして多勢が疾駆する騒音。
それらが静まった後に残ったのは四足歩行とは違う足音。
「おい、確りしなよ。もう大丈夫だ。」
覗き込んだのは黒髪の男。
鮮血滲む手袋外した手からロープが放たれる。
ロープがヒーラーの手に握りしめられたのを確認してから。
「よっと!」
ゆっくりとヒーラーを乗せたロープが引き上げられてゆく。
崖上にとその手が届く高さにまで。
■ティアフェル > 「―――?」
狂ったように吠えたてられているだけで、スタッフを握り込む手が震えそうになり、頭上の野犬達に半泣き状態だったが――不意に響く異なる音。
なんだろう…?
声を押し殺して肉がぶつかり合うような音と逃げ去っていくような歩音に目を見開いたが、その目に映るのは、
「あ――!」
一度だけ見たことのある容貌だった。黒い髪に真っ赤な瞳。驚いたように声を上げるが、すぐに落とされてくるロープの端をスタッフを握っていた片手を離して握り。そして引き上げてくれる気配に慌てて崖に突き立てていたスタッフを抜いて腰に差して、代わりにロープを両手でしっかり握り締め。
「っふ、――っは、は、あ、ぁ……死ぬかと…思った……」
引っ張り揚げられるのに合わせてロープに代わって崖の縁に手を掛けると、崖肌に脚を突っかからせてその勢いと合わせて崖の上に上がって。その場でへったりとうつ伏せになり、はあはあと呼吸を乱しつつ呻いていた。
■アルファ > 見知ったものだと気づいたのは崖上に上半身があがったときで。
衣服の背を掴み昇り上がるのを手伝いながら至極呑気に声を零す。
「やぁ、久しぶり……」
言葉は続かない。九死に一生を得た直後で息も絶え絶えな姿を見たから。
腰袋から水筒を取り出して腰を落とした半妖はそれを静かに差し出して。
「前も犬に追いかけられてたね。よっぽど獣から魅力的に見えるんだろうね。
間接キスが嫌じゃなければどうぞ」
意地悪口で発憤させようとしながら、揺らす水筒からちゃぷんと冷水が波打つ音が聞こえる。
■ティアフェル > 先ほどまで全体重を支えていた上腕二頭筋と三頭筋が震える。どっと汗をかいてへばっていたが、上がって来るのを手伝ってもくれたこと。何より犬を追い払って助けて貰ったことにとにかくお礼を、と突っ伏していた顔を上げて、そちらを振り仰ぎ。
「お久しぶり……えっとアルファさん、だよね?
助かったよ、ありがとう~。前回と云いほんと重ね重ね……」
そこでやっと安堵したように表情を緩めて、差し出された水筒を上半身を起こして受け取り。
「犬を見て反射的に怖がっちゃう癖があるから――犬としたらちょうどいい獲物に映るのかも……。
あ、全然全然大丈夫、いただきます」
怒る気力もないのか、苛立つような発言とも受け取らなかったのか案外素で受け答えして水筒に口をつけると早速こく、こく、と喉を鳴らして呷り。ふーっと人心地ついたように息づき。
「あー。生き返るー……。
ってか、犬も追い払ってくれたんだね! ありがとう本当にありがとうなんとお礼を云っていいのか全身全霊ありがとう!恩人と呼んでも?!」
水筒を一度置くとがし、とその手を取って力強く畳み掛けるように声を発そうか。
■アルファ > 仰ぐ相手にその場で腰を下ろし同じ視線の高さとする。
そして籍をきったように放たれる言葉に薄紅の眼差しを重ねながら。
野犬に噛まれた手の甲の傷に手を這わせる。
「お久しぶりティアフェル。前回は兎も角今回は本当に危なかったね。
こんな野外でクエストを受けるのは稀なんだが受けてよかったよ。
……いや、君ならなんだかんだで無事生き残れそうだ」
落ち着いた声で語りながら手の甲から左手を離したときには出血も、傷跡も塞がっている。
その手をいきなり掴まれれば流石に目を丸くして。
「お、おう。どういたしまして。恩人?別に良いけれど」
為されるが儘にシェイクハンドを行う腕をぶんぶん震わせながら右へ左へ視線が彷徨う。
「えーっと、ここで何してたんだい?
それと、恩人というならお願い事もある。」
まとまらぬ考えに伏目になりながら尋ねる。
■ティアフェル > 目線を合わせてもらうと見上げる形ではなく、そちらに自然と置かれる視座。スカートの裾を広げるようにして座り込み。そこでようやく彼の怪我に気づき。
「憶えててくれたんだ。ティアでいーよ。いや前回もじゅーぶん危なかったよわたし的に。
そっか、やっぱ何かの依頼の途中、なのね?
――わたしだって人の子ですよ…?! 死ぬ時ゃ死ぬよ…?!」
犬に追われて崖から落ちて死ぬ――そんな末路は御免だがそうなっていても一向に不思議ではなかった。そして怪我は大丈夫かと訊く前にはもう、不思議と何事もなかったかのように治癒している手に、ぱちん、と目を瞬いた。がっつり握りながら、さり気に手の甲にも触れてみたりしていて。
「じゃあ呼ぼう! 我が恩人…! 二度も犬の脅威から救ってくれるとは……なんかもう、素敵」
崇める割に、称え方が雑だった。握って存分に振った手を離した後は、こちらの手は祈るように組み合わされて崇めの姿勢。
「え? わたし? 薬草の採取に来たのよ。ここら辺にしか自生しないものがあって……。
お願いごと? なーに? 出来る限り受けて立つよ?」
挑戦ではなくお願いごとだが、可能な限りは受領したい構えで小さく拳を握って、なんでも云ってちょうだい、と言葉を待とう。
■アルファ > 日陰者と生きている身にはあまりある称賛は擽ったく肩を、首を竦めて淡い笑みを浮かべる。
「俺はこの森の水源の調査にきた。水が汚濁してないか。泉周辺に毒性植物がないか。
そして危険生物がいないかどうかだよ。
問題ないと思ったが好戦的な野犬がいるならここに人を踏み込むのは危険。
……ということで君のお陰でもう仕事は終わりさ」
手の甲にふれる指達に片目を瞑る。種も仕掛けもない手品は、人には出来ぬ自分の正体を告げること。
それには緩く結んだ口元から何も話さない。
話さないが笑い声が出る。
「まるでドラゴンに連れ去られたお姫様みたいに喜んでるね。
王子様でなくて悪いな。白馬は風邪をひいてこれなかったんだ」
お姫様おちうには少々頭が低い女性ではあったが。そんな戯れもしつつ。
胡座を組んだ膝上に肘を置いて彼女の話を聞いていく。
「薬草……化膿止め炎症止めなら、ほら、あの赤い華をつけた樹木の下に群生してる。
それで事足りるなら好きなだけもっていけばいい。
お願いごとはなぁ」
仕事の助手を頼もうとしたが仕事は終わってる。何よりやる気満々を仕草で示す彼女を見て。
ふむ、と唸って。
「慣れない自然地帯での仕事で体中が汗塗れだ。
良ければ温泉でも一緒にいって背中を流してくれるかい?」
なんて、とんでもないことを冗談まじりにいって薄紅の目を細めた。
■ティアフェル > 「ほー。そんな依頼もあるのね。気づかなかったわ。
――そうね! 危険生物でしかなかったわね!
特に犬嫌いの人には鬼門よここは!」
水源の調査、そんな受注内容に感心したように暢気に肯いていたが、自分の犬恐怖症も思わぬところでそのクエストの助力となったらしい。
少しは良かったのかな、と悩まし気に首を捻り。傷の痕跡すらない手の甲にさらに捻るが……応えてはくれなさそうなので、そういう体質なのだろうと納得しておく。
「お姫様の喜び方にしては随分ガサツじゃない?
助けに来てくれない王子より助けに来てくれる冒険者よ。絶対的に」
うん、と一人大きく首肯して。助けてくれたとしても気を遣って仕方ない王子よりもわたしは冒険者の方がいい、と力強く云い切り。少し減った水筒の蓋を閉めて「ごちそうさま」と両手でお返ししよう。
「あら、ほんと。見てる余裕なんかなかったけど、あんなとこにあったのねー。えと他にいくつか……あーぁ、全っ部落っことして来ちゃったわ……」
犬に追われる前に採取していた薬草の詰まった袋は逃げる途中に失くしてしまっていた。はあ、と小さく息を吐き出し。代わりに聴いた赤い華を付けた樹の下を見やって。
そして続けられた要求に、ふむ、と妙な真顔で肯いて顎に手を当てて。
「わたし脱がないけど。入浴介助なら任せて」
少々ピントがずれた了承だった。脱がない、と最初に宣言する辺りガードの硬い女。
■アルファ > 「それじゃ調査書に犬嫌いの人には注意と一筆添えておこう。
がさつな姫様がいてもいいじゃないか。というかそのツッコミは男側がすると思うがな。
それじゃガサツなお姫様、あそこには野犬はおりませんのでどうかご自由にお取りくださいな」
肘ついていた手をそちらに寄せながら他愛もない会話に花を咲かせる半妖は
冗談交じりの発言に真に受けた相手に鼻息を零して笑ってしまう。
「君、真面目って言われない?
でも、まぁ。可愛い子に背中を流されるのは気分が良いから。
君がいいならお願いしようかな……それと、俺はジジイじゃない。
介助というのはやめてくれ」
そういうと立ち上がって座ったままの相手に手を伸ばした。
「それじゃ行くかい?落とした薬草袋も探すんだろう?」
■ティアフェル > 「うん、犬嫌いがこんなとこ来たら死ぬからね。赤字で大きく記載してね。
いーのかなぁ……? 姫は姫々しくあって欲しい……。
ありがとう犬除け王子。心より感謝いたしますわ」
おかしな応答。肩を揺らして少々ふざけながら口にしては、乱れた髪や装備を整え直して、衣服についた埃を払い。
「単に色気がないと云われる。
わたし割とお風呂の手伝い上手だよ。弟達をお風呂に入れるので慣れてるの」
介助と云うと怒られた。さもありなん。くすくすと肯きつつ手を借りて立ち上がって裾を軽く払い。
「そうそう、きっと戻る道すがらに落ちてるわ。じゃ、すみませんがその回収と採取にちょっと付き合ってくれたら、温泉ね」
脱ぐのは嫌がる癖に老若男女問わず他人の身体は平気。なので気楽な態で口にすると、必要な薬草を採取し落としたものを回収し樹海での用事を終えると温泉へと向かうだろう。恩人の背中を流す為に――。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からアルファさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にボブさんが現れました。
■ボブ > (春から夏へと徐々に切り替わっていくこの微妙な感じのこの季節、野生の動物たちも活動が活発になるので
村の畑や植林した若木にちょっかいを掛けられる前に頭数を減らそうと狩りに出てきた褐色の肌をした男。
ウサギやイタチといった小物を狩り、血抜きをし、肩に担ぎながら森の中を移動していて)
「さて……、小物の血の臭いを嗅ぎつけて、そろそろ大物でも姿を現すかな?
しっかり目と耳を働かせて警戒しとかないと不意打ちでこっちがお陀仏だし、気を張ってくか」
(愛用の使い込まれたショートスピアを手に持ち、木々が生い茂り、見通しが悪い森の中を左右を見渡し、
時折背後をも振り返ったりして、しっかりと警戒し、森の中を歩いている男)