2020/05/11 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」に虹石の獣さんが現れました。
虹石の獣 > (王都を取り囲む様に広がる、森林地帯
王都に近ければ近いほどに、其の治安や安全度も増しはするが
其れでも野盗や魔獣の出没が絶えぬ地域でも在る
逆に言えば其れだけ肥沃な土地であり、動植物が多く生息する楽園でも在る、そんな場所に

今宵は、其の環境へ少々波風を立て兼ねぬ存在が、現れていた。

鬱蒼とした茂みより、歩み出るは一体の獣
大型の肉食獣である、獅子や虎と言った類の獣よりも
更に一回り大きな体躯を持ちながら、其の動きは優美でしなやかなる
其の姿を見て、恐怖を覚える者も居れば或いは、美を感じ入る者も居るやも知れぬ

だが、少なくとも其処を塒にして居た魔獣や、動物達にとって望まぬ来訪者には違いない
警戒する者、逃走する者、反応は様々だが、何れなりと森に騒がしさを巻き起こす

なれば、きっと。 森を知る者であれば、其の元凶を辿る事は
きっと、存外に容易いやも知れぬ。 ――少なくとも今は、逃げも、隠れもする気配は見えぬのだから)。

虹石の獣 > (茂みの奥より、時折狼か、或いは野犬の類が唸りを上げている
広い彼らの縄張りに踏み込んだか、或いは獲物として狩らんとして居るのか
移動を続ける異邦の獣を、次第に取り囲む様に唸り声が集い
されど、気にも留めぬかに獣は、淀まぬ歩みを続け

そして――其の刹那、丁度獣の足が、次の茂みへ踏み込まんとした矢先
背後の茂みより飛び出した二匹の狼が、其の背や脚に噛み付かんと
大きく躍り上がり、飛び掛かって――

――其れを、見越したかの如く
ゆうらり、ゆうらりと揺れていた長い尾が、其の二匹を殆ど同時に
鞭の如く振るう事で、湿った地面へと叩き落した

唸り声が、甲高い悲鳴の様な鳴き声へと変わり
其処から、周囲が一瞬静けさを取り戻す
そうして――叩き落された狼が、足を引き摺りながら立ち上がり
一目散に逃げだして行くのを皮切りにして、周囲を囲って居た群れも
一匹、二匹と、何処かへと逃れ、其の数を減らしていった

そして、其の行く末すらも興味を持たぬかに
灰銀の獣は、構う事無く森を進み――程無くして、小さな泉の傍へと辿り着いた)。

虹石の獣 > (泉の傍、宙空に舞うは微かな燐光
虫では無く、ただ、静かに漂うかの如き其の光を
見つめる獣の瞳が、仄かに照らされ、虹色の煌きを灯す
其の額に在る石もまた同じ様に虹色を帯び
其れは、燐光と交信するかに、交互に煌きを強めるのだ

暫くして、其の仄かな燐光は
すぅ、と虹色帯びる額の石へと近付いて――其処に、停まる
そうして、燐光の方へと、虹の色合いが静かに移り
そして、また離れて行けば。

其の時には、先刻までは、儚く今にも消え失せて仕舞いそうだった其の光が
暗闇の中、煌々と其の輝きを強めて、力強く飛び回り
――そして、何処かへと、飛び去って行った

其れを、矢張り静かに見送る獣は、代わりとばかりに
僅か、泉の澄んだ水へと、舌を伸ばして、喉を潤し始めた)。

虹石の獣 > (水面に、僅か広がる波紋
滾々と湧く水は尽きる事無く、そして、獣は其れを飲み続ける
其の巨大な体躯を潤すに十分な量を、誰に邪魔される事無く
そして――飲むのを止める頃には、先刻よりも色艶を増した毛並が、其処に在る

水、其の物を取り込んで居ただけでは無い
其処に含まれる豊富な、芳醇な自然のマナを取り込み
自らの食事代わりにする事で、森を、自然を「殺す事無く」生きる
其れは当に、最早唯の獣の枠には収まらぬ

幻獣であり、魔獣で在り、そう言った類の存在である証拠

そして、再び歩き出した獣は、また森の奥へと向かう
其の先に何が在るのかを知るのは、きっと獣のみ
そして少なくとも今宵、其の歩みは、誰にも止められない様で――)。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」から虹石の獣さんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にシゲンさんが現れました。
シゲン > 懐に余裕があり、新鮮な魚などを食べたいと思い至れば釣具一式に酒などを持って小川の傍までやってくる
日は高く水面へと視線を向けてみれば食べるには良さそうなサイズの鱒などの影が見え、
これはしめたと早々に釣り竿を振り出し魚の掛かるのを待つ

……――かれこれ数時間余り
魚は竿のへさきを幾度も行き交い、そこから伸びた糸の先端の餌に近づくものの一向に食いつく気配はなく
こちらもすっかり気力が萎えてしまい、竿を投げ出しその場に寝転がり持ってきた酒を消費しては
ぼんやりと川面を眺めるばかりになってしまった
川沿いは冷涼な風が吹き抜けていき、中天に登った太陽の日差しと合わさり心地よく、
幾らか酒も回っているからいよいよ、空を仰ぎ見るように倒れこみ、空に浮かぶ雲を眺め始めた
良い天気だ、とすっかり当初の目的を忘れて欠伸を1つ零せば吹き抜ける風に誘われるように眼を閉じた

シゲン > 寒さに眼を冷ませばゆっくりと身体を起こし
すっかり日が傾きつつある夕暮れの空に気がつけば、かしかしと頭をかいて
軽く伸びをすれば放りっぱなしの釣り竿を回収し王都へと戻っていくのであった

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からシゲンさんが去りました。