2020/05/06 のログ
■オグルゴブリン > ……くちゃくちゃくちゃ。
月の輝きすら射しこまぬ深い森の中に木霊する音は咀嚼音。
それと足音が複数、聞き耳をたてるか、その手のスキルの持ち主ではないと聞き取れない程に咀嚼音よりも小さな足音。
その音の主はゴブリンの中で偶然と必然の中で生まれたゴブリンでありながらゴブリンよりも数段強い、オグルゴブリンと呼ばれるゴブリン達であった。
彼らはゴブリンの群れの中で一定の割合と確率で誕生し、成長するにつれて知性も力もゴブリンを凌ぎ、若くしてゴブリンの群れを平らげて、自らの手足にする狡猾さと強さを持ち合わせたゴブリンである。
そんな異常個体が珍しく手下のゴブリンのみで森の中で獲物を探させるのではなく、自ら森に足を運び、暗い闇の中でギラギラと眼を滾らせ輝かせながら、単独行動をしている。
もちろん、そのオグルゴブリンが一吼えすれば周辺に散らばっているゴブリンも集まってくるだろう、それくらいの用心はしながら歩き、何をしているかと言えば……。
――…人間、ミレー、エルフ、竜族に悪魔に何でも良い、ヒトの形をしたメスを自らが率いる群れを拡大すための母体として必要とし、捜し歩いている。
その手に巣で『調理』し保存食とした骨付き肉を持ち、気が向いたらそれを齧り、食い千切り、またくちゃくちゃと咀嚼しながら。
もし鼻が利く者がいれば香ばしい、香辛料まみれの肉の香りを嗅ぎ取れるだろう、何の肉、かまで当てるのは難しいかもしれないが、だ。
複雑な香りをかぎ分けられるのであれば、ウサギ肉だと判別くらいはできるかもしれないが、果たして。
■オグルゴブリン > 辺りに喰いカスを散らしながら歩き続けたが、こんな場所では雌を捕まえることなど到底難しいと理解し、一度巣に戻り装備を整えてから再度出発することにしたのか、踵を返すと口に指先を咥えて、ピュィーと指笛を吹くと、周囲のゴブリンに合図をしてから巣の方へと去っていくのであった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からオグルゴブリンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にイルルゥさんが現れました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にアレフさんが現れました。
■イルルゥ > 自然地帯の森の中。
今回もまた近くの街道まで馬車を取り、依頼にやってきた少年と少女。
森の中に入れば、少し薄暗く、があがあと鳥の声がする。
「今回も、アレフ君に前を張ってもらうね。
オークは動きは遅いけど、一撃がすごく重いから気を付けて」
何度目かの注意事項を繰り返し。
装備も一緒に再度確認しよう。
「報告があったのは、この辺だから、まずは痕跡を探そうか」
フード姿の少女は、きょろきょろと辺りを見回して。
■アレフ > 少年の今日のいでたちは、先日見立ててもらったように、新しい剣と古い剣との二刀流。
二刀流といっても、それぞれあまり長さのあるものではないし。
左の腕には相変わらず小振りの盾も持っている。
普段はこれまでどおり、剣と盾。
まずは、新しい剣に慣れることが大事と、少年は意気込んではいるけれど、入れ込み過ぎてはいないよう。
このあたり、初回の遺跡探索よりは随分落ち着いてきたようだ。
「はーぃ」
痕跡を、と。そう言われて少年は元気に手を挙げてそう答えた。
故郷の村でも、狩りで動物はよく追ったし、モンスターの討伐だって、よく手伝った。
少年がまずしてみせたことは、いきなり地面に這いつくばるのではなく…できるだけ(そう、少年は背が低いから!)高い位置から、森の全容を確かめるように見ることだった…。
ただの地面のくぼみではなく。
その傍らの下生えが傷んでいないか、とか。
樹皮の高い部分がこすれていないか、とか。
何か、匂わないか、とか。
森を全体で見て、違和感を探すこと、だった。
■イルルゥ > 落ち着きを見せる少年に少しほっとする。
これなら、遺跡の時よりも頼りにして良さそうだ。
「ん。じゃあ、行こうか」
フード姿のまま、少女もまた痕跡を探す。
オークは非常に気性が荒く、良く動物などを襲ってそのまま放置したり一部だけ齧ったりと。
痕跡を見つけるのは優しい方だ。
体重も重く、体も大きく…土の上なら足跡も残りやすい。
しばらく探せば…オークのものらしき食い荒らした後と、足跡を発見できる。
「あった。…こっち、かな。
アレフ君、警戒しながら、この方向に進んでいって」
少年をちょいちょい、と手招きし。
オーク特有の痕跡を教えていこう。
それが新しい方へと向かっていけば、大抵そこに目標が居る。
討伐任務の基本の捜索方法だ。
「気を付けて。身体は大きいけど、急に突進してきたりするから」
そう注意を促しつつ、森を進んでいこう。
■アレフ > 「はーいっ」
少年もまた、痕跡を見つけていたらしい。
まだ、剣の柄に手も伸ばさないけれど。少年の歩き方が随分と慎重になったきたのが、わかるだろう。
食い荒らしたその痕跡を確かめるために、ちょっとだけ脚を停めて。
少年はしげしげとそれを観察した。
その後、こくん、と声に出さずに頷いたのは、その痕跡がまだ新しくて、近くにまだいる、と判断したから。
そして、少年は風向きを確かめた。
幸い、風下だ。
オークは動物ほど鼻は利かないけれど、それでも匂いも音も、風下にいた方が相手に伝わりにくい。
あまり、下生えを揺らさずに。
小柄な身体の利点を最大活かして。
少年はするすると森を進んでゆく…。
■イルルゥ > 土の上ではあるが、しかし音が立たないというわけではない。
言わずともゆっくり歩いてくれる少年に、微笑みを浮かべつつ。
風向きも味方してくれているし、これなら楽かな…と思ったところで。
『ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ』
森に響く、大きな声。
見れば、少し先で気性の荒いオークが暴れているようだ。
まだこちらには気づいておらず、何かの動物を手遊びに叩き殺しているらしい。
やはり体格は非常に大きく、少年の2倍以上はある。
口元からイノシシのような牙が生えており、眼はぎらぎらと血走って涎を垂らし、暴れまわっていて。
ただし、今は…位置的に言えば、少女と少年が背後を取っている形だ。
また少年に手招きをして適当な巨木の後ろに隠れよう。
「居た。…私がフォローするから、先制攻撃をお願い、アレフ君。
あの様子なら、多少走っても気づかれないと思う。でも、気づかれたら一度下がって。
オークは脂肪と筋肉がすごいから、切るなら…ここからだと膝裏か踵、かな
…できる?」
遺跡に居た魔物とは違う凶悪かつ大きな魔物。
驚いたり、竦んだりしてはいないかと心配を。
ただ、簡単に先制攻撃の方法を教えていく。
こんなチャンスな状況ばかりではないが、チャンスをモノにするのも冒険者の能力の一つだ。
■アレフ > 導かれるままに、少年もまた風向きをしっかり気に留めながら物陰に。
幸い、巨木の幹は小柄な少女と少年を隠すに十分な太さだ。
足許を這う巨大な根っこに注意しながら、少年はじーっとオークを見つめ。そして、少女へと振り向くとこくん、と一度頷いた。
その口許が、柔らかぁく微笑んでいるのは、見かけによらず落ち着いているようで。
膝裏と、踵。
後ろからなら、狙えるかもしれない。
じーっと見つめて少年は、またこくん、と頷いた。
そして、巨木の陰で剣を抜く。
こういう動作が一番気配を伴うから、隠れたまましてしまおうという様子。
そして…。
黙ったまま、掛け声もかけずに少年は、巨大な根っこに脚をかけて、それを蹴り出し一気にオークへ向かって飛び出した!
血に酔って暴れているオークは時に、勘が鋭くなるものか。
なんと、少年の接近はすぐにも気づかれてしまうことになる。
巨大な棍棒を振りかざし、吼え声を上げる巨体は、膝裏と踵を背後に隠してしまった。
けれど。
少年はひるまなかった。
振り上げられた棍棒が叩き下ろされるのを、受けるまでもなく躱すと…大振りをしたオークの腋の下に、剣先を鋭く突き込んで、そのまま深手は狙わずに浅く、けれど長く斬り裂いた。
教えてもらった急所は狙えなかったけれど。
今狙える、脂肪と筋肉の薄い所。
それを、少年は的確に狙ったのだった。
けれど、教えてもらったことができなくて、なんだか少年は悔しそうだ。
■イルルゥ > 「上手」
少年が気づかれた直後、少女も少年の後ろを走りだしていた。
隠密の方法も、気づかれても怯まない胆力も…更に、教えた弱点以外の場所を狙う機転もある。
ぼそりと呟く言葉は、まぎれもない称賛。
少年の剣は間違いなくオークの肌を切り裂いたものの。
血をぼたぼたと垂らしながら、未だにオークの眼はぎらぎらと輝いている。
中型と区別されるモンスターの中でもタフであるオークの本領とも言えよう。
更に、疵をつけられたことで、少年に対して狙いを定め。
『ヴォオオオオオオオオオオオオ!!』
巨体故に、やはり動きは緩慢だが。
当たれば、少年少女など一撃で肉塊としてしまうであろう一撃を振りかぶる。
遺跡に居たモンスターの攻撃なら、当たり所次第だが、何度か受けても大丈夫だろう。
しかし、これは受けてはいけない攻撃。
集中を切らさず、避け続けなくてはいけない攻撃だ。
「アレフ君、下がって。私が引き付けるから、隙を見つけて攻撃。
無理に急所を狙わなくていいから、切れるところをお願い」
悔しそうな少年に、そんな場合ではない、と少し強い口調で。
後悔と反省は、倒した後だ。
少年と入れ替わるように前に出た少女は、宙に舞う木の葉のように最小限の動きでオークの拳を避ける。
その度に地面が抉れ、土が舞い。
ある種幻想的な光景になっていく。
オークの攻撃は大振りがほとんどであり、反撃も少女なら容易だが。
少年に攻撃の経験を積ませたいと、ここでも先輩として、反撃は、オークの気をこちらに向ける程度の軽いものしかわざと行わず。
■アレフ > 「はいっ」
もう、声をひそめる必要はない。
それなら、ちゃんと指示は届いて理解したということを、伝えないと意味がない。
だから少年は、ちゃんとそう、声を上げて返事をした。
少女は下がって、と指示をしたけれど。少年はそこに、ひとつだけ自分の考えを反映させる。
まっすぐは、下がらない。
ただの後退は、しない。
なるべく横に。せめて、なるべく斜めに。
大振りの攻撃をしてくる相手が、内懐に入られるのを嫌がるように。
少女の言う下がれは、『自分がヘイトをとる』という意味の筈と、少年もまた、最低限の動きで棍棒をよけ、かわして。
少女が巧みにヘイトを奪ってゆくのに任せて。
少しずつ、少しずつ、オークから距離をとった。
残念ながら、少年の腕力ではまだ、オークの分厚い皮膚と脂肪、そして筋肉を斬り裂くには、足りない。
だから…少年は、自分にできることをしようと決めた。
《雷よ!》
聞きなれない古代語の響きが少年の口をつく。
あの、連鎖してゆく小さな雷撃か、と思いきや。
そうではなく、宙に顕現した雷は、なんと少年の手にした剣の刃に留まった。
そのまま、少年は少女に意識を向けたオークの内懐に。
なるべく、急所を狙う。狙うけれど、無理はしない。
刃が触れれば、それでいい。
皮膚を、脂肪の層を、そして筋肉をなるべく斬り裂こうとはするけれど。
それ以上にオークの巨体は、雷撃に灼かれて痺れて、ありありと少女へと隙を晒すように…。
■イルルゥ > (うん。いい動き)
戦闘中に細かい事を詰めていると。
やはり、どこかで無理が出てしまう。
少女の指示がなくても、自身で判断して動いてくれる少年はパーティとしてやりやすい。
それも、天性のものなのか、誰かの教えか…邪魔になるようなことはしていない。
そして、この依頼を選んだのはもう1つ理由があり。
オークであれば、例え少年が怖気づいてしまったとしても、少女一人で討伐ができるからだ。
さらに言えば…オークはその脂肪と筋肉で物理への耐性が高く、タフであるため下手な魔法では効きづらい。
しかし、少女と少年の魔法は特殊だ。
少年の雷を纏った剣はオークの肌を切り裂き、その体の内側に雷撃を宿させ、痺れさせていく。
即死にまでは至らないが、全身に回る激痛に流石のオークも怯みを見せ、攻撃が緩み。
それに合わせて少女もまた、得意技である脚を使う。
ギュキキキキ、と異質な音を立てて魔力を脚に集中させ、その場でくるりと身体をひねり、回し蹴りを叩きこむ。
瞬間、ヒットした箇所から凝縮された魔力が撃ち込まれ、オークの体内を破壊していく。
ゴブリンに行った攻撃よりも更に強く。
せっかく作ってくれた隙を存分に生かす『溜めた』一撃だ。
『ゴ、ヴォ…ッ…!!』
雷撃と、体の中で弾けた爆弾のような魔力に、内臓を破壊されたオークは。
ズゥゥゥン、と音を立ててその場に崩れ落ち、絶命。
討伐依頼の完了を告げる。
時間としては短かったし、少年にあまりプレッシャーを与えないようには少女は立ち回ったつもりだが…
「ふぅ。……大丈夫?アレフ君。初めての中型、どうだった?」
普通に切り付けても効きづらい、しかも一撃必殺ともいえる攻撃を持つ相手。
そんな相手と対峙してどうだったか、と。
一つ、深く息をしてから聞いてみよう。
■アレフ > さあ、雷撃を刃に乗せて叩き込んだ。
次は、大振りの攻撃をきちんときちんと丁寧に避けて、避けながらの攻撃だ、と。
そう、少年は心に決めて。
一太刀、一太刀を丁寧に。
無理はせず、浅くともいいから、ひとつひとつ手傷を与えて。
できることを、着実に。
そんな立ち回りでいた、その時。
「…ふわぁ…」
感心した、というか、驚いた。
小柄な少女の蹴り、一発だ。
それで、大柄なオークの巨体が沈んでゆく。
倒れたオークと小柄な少女を見比べて。少年はそれはもう、どんぐりまなこを見開いた。
「すごい…」
まだどこか、ぽやぁ、と少年は驚きから復帰しきれてないようだけど。
やがて、問われた言葉にううん、と唸る。
「まだぼくには早いです…」
悔しいけど、それが事実だ。
パーティだから、パーティとしてこなせる依頼はこなせばいいし、それはいい経験になるけれど。
せめてもう少し、筋力がつけばなあ、と。少年は自分の細っこい腕をそれはもう、うらめしそーに見下ろした。
「…もっと鍛えて、もっと食べて、ムキムキになるんです…」
なんて、ぼそっと小さく言うのだった。
■イルルゥ > てきぱきと。
今回も討伐の証である牙の折り方を教えていきながら。
「…そんなに焦ることないよ。アレフ君は、今自分にできることを精一杯やってくれてる
雷も凄く頼もしかったし、それに、怖がらずにちゃんと指示を聞いてくれるしね」
少女の戦い方も万能ではない。
魔力を阻害されれば、少女の力は見た目相応だ。
そういった特性を持つ相手が対面に来れば、囮くらいしかできない。
慰めるように少年に声をかけて
「私も、アレフ君もまだ大人じゃないんだし、ゆっくり強くなっていこうよ。
いっぱい経験を積めば、将来もっと強くなれると思う」
くす、と少し笑った。
現時点でも、既に時間をかければ一人でオークを倒せそうなほどだった。
あの珍しい魔法と判断力は素直に称賛できるものだ。
けれど、劣等感もまた、上手く使えば成長の糧にできるから、と考え。
あまり褒めすぎはせず、お疲れ様、と優しく言おう
「ふふ。そういえば…依頼料、結構高額だったから、武器の整備しても余ると思うよ。
帰って…今日は美味しいモノ、お肉とかいっぱい食べよっか」
もっと食べて、という少年に同意して。
依頼料の事を思い出しつつ、提案を。
中型ともなると、依頼料は小型の討伐依頼とは比べ物にならず。
結構な額が支払われるようになっている。
それを利用して、今日はたくさん食べよう、と。
■アレフ > 「にく!」
育ち盛りの少年らしく、この少年もまた、肉料理が大好物だ。
憧れのムキムキマッチョになるためには、肉料理が必須だと、思いこんでるフシもある。
だって、骨付き肉片手にぐわーっと齧って。
ぐびぐびエールとかビールとか、にっがーい酒を飲んでるイメージがあるのだ、バーバリアンとかっ!
そう、少年の憧れは…!
いかにもバーバリアン、な感じとか!
いかにも傭兵、な感じとか!
ゴツくてムサくてむっきむきな戦士…なのだった。
剥ぎ取り方を教えてもらいながら。少年はそんなマイドリームを少女に語るのだけれど。
…一体、どう思われてしまうのか。
■イルルゥ > 「ううん……。私は、アレフ君には…
カッコいい感じになってほしいけどなー」
苦笑いしながら、自分の理想も告げる。
どちらかというと少女としては…筋骨隆々よりも面食い気味だ。
体格が良いのは好きだけれど、紳士の方が好きではある。
「お肉の他に野菜も食べていかないと、ね」
またくすくすと笑いながら。
帰りは今回に限っては徒歩だ。
少し時間はかかるが、のんびりと散歩しながら帰るのもいいだろう。
■アレフ > 「…かっこいい?」
あれ、おかしいな。
かっこよくないのかな、ムキムキマッチョ。
少年は少女の言葉に、それはもう盛大にクエスチョンマークを頭上に乱舞させている。
こう、ムッキムキで。
鎧なんかいらない感じで。
グレートソードとかバトルアックスとか。
そういういかにも『接近戦武器!』っていう感じの武器を、当たるを幸い薙ぎ倒していく、みたいな。
「むー…」
かっこいいと思うけどなあ…と少年は、森を抜けててくてく歩いていきながら、お口をへの字にするのだった。
今朝までは、天気も丁度よくて、依頼を早く終えられれば、絶好のお散歩日和、だったのだけれど。
なんだか雲行きもアヤシイみたい。
これは雨がきちゃうかなー、なんて思っていたら。
少年の低い鼻に、ぽつん、と一滴、雨が…。
■イルルゥ > 「うーん。でも結局、アレフ君がなりたいなら、頑張るといいと思う」
あくまで、少女の理想だ。
優男そうなのに滅茶苦茶強い…なんて絵物語を見たことがあるから。
そんな経験からの言葉。
雑談を交わしながら街道を歩いていると、湿気と共に雨がぽつぽつと
「…う。雨、かあ…。森はもう遠くなったし、どうしようか」
フードにもぽつ、ぽつ、と雨が落ちてくる。
それを感じて、少し困ったような声で。
けれど、周りにぱ、とは雨宿りできそうな場所が見つかりづらい。
「走って帰るか、馬車でも通りかかるのを待つか…うーん。」
町までは微妙な距離だ。
本振りまでは時間はありそうだ。
■アレフ > 「走ろうよ、いるるぅさんっ!」
なんといっても少年はまだまだ子供だし。
暖かくなってきてからの雨だ。濡れたとしても、わーとか、きゃーとかはしゃぎながら。
少年は装具をかちゃかちゃ鳴らして走り出した。「競走~」なんて、先に走り出しておいて笑いながら。
とはいえ、そろそろ雨も本降りだ。
きっとまた、どこかで二人、雨宿りでもするのだろう…。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からイルルゥさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」からアレフさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/川」にスミデーさんが現れました。
■スミデー > (夜、自然地帯の川沿いをウィルオーウィスプを召喚してそれを灯り代わりに、これといった宛もなく歩く。
夜の川沿いということもあり、肌寒い空気を感じて旅装を少し抑えるようにして空気が入らないようにして、紫の瞳を細めて。
川の中に護衛代わりの魚人を連れて、陸の護衛にフードで顔を隠させた人狼、空にはインプを引き連れて。
川のせせらぎを聞きながら下流から上流へと向かい、魔物が出てきて珍しいものなら召喚契約をしようと辺りに注意を払いながら歩き続ける)
「魔物の出る森の川沿い、しかも夜だから何か面白い魔物でも出てくればって思ったんだけど、なかなかうまくはいかないもんだなぁ。
まぁ、普通の魔物は結構集めてるし、珍しいとか面白いとか、そういうのはなかなかいないんだけどな」
(ぶつぶつと一人ごちて歩き、時折空を見上げては星の位置から、どちらに向かっているのか、自分の位置はどのあたりかを確認し。
何か面白いもの、事でもないものかとのんびり歩き続ける)
■スミデー > (そうやって歩くこと暫し、特にめぼしい魔物が出てくることもなく、今日も坊主か、と残念そうにため息を零して。
ふと立ち止まって川面に映る月を見れば丁度満月であることに気付く)
「ま、今日はこの満月が見れただけでも良しとするか……」
(呟いて暫く満月を眺め、それから再び歩きだし、深い森の中へと姿を消していった)
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯/川」からスミデーさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 自然地帯」にフォンさんが現れました。
■フォン > (木々が生い茂る森を抜け、湖……とはさすがに言いがたい大きさの池のほとりへとやって来た黒髪の男。
そのほとりで腰掛けるのにちょうどいい岩に腰掛けていけば、背嚢の中から竹で出来た水筒とコップを取り出せば
コップに米から作られた酒を注ぎ、空を見上げれば南天に昇る月を見上げながら酒に口を付け)
「くうぅぅ~~、故郷(くに)を離れても月の綺麗さは変わらないな。
そしてその月を見上げながらの酒の美味さも一切変わる事のない……」
(竹のコップに唇を付けつつ、月見酒としゃれ込む黒髪の男)